オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その8)2021年8月21日


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60's、70's、80'sの音楽

おそらく人は皆、自らの青春時代を象徴するような音楽を心に持っていると思う。我が身を振り返ってみれば、60年代(64年の東京オリンピックの時が小六)から70年代、そして80年代という10代から20代の終りにかけて出会った数多の音楽はそれが格別のお気に入り、というほどのことではなくても忘れ難いものが多々ある。懐かしい曲を聴けば、それを良く聴いていた時代へとタイムスリップしていくような甘酸っぱさもある。

時は流れ行き、決して戻らない。分かってはいることでもあるのだがやはりそれを痛感してしまうこともある今日この頃であるが、密林音楽を良く聴くようになってからというもの、この時代の海外のPOPS(あるいはROCK)を聴くことが随分増えた。以前はクラシック6割、BGM的(ボーカルの無い)音楽が2割という感じであったが、それが案外と変化している。家人に改めて指摘されて、そういえば、、、となったのだが、確かにこの60's、70's、80'sの音源を実に良く聴いている。当時横浜にあった外語高校に通っていた当方としては英語の勉強を言い訳に実に良くこれらの「洋物」の音楽を聴いていたことが思い返される。

自らのライブラリ音源を紐解けば、この時代のPOPS、ROCKの占める量はかなり少ない。若かりし日々の音楽はラジオ等で聞き流したり、エアチェックしたカセットテープだったような気がするが、それらをCD音源として後日買い直したものは案外と少ない。これはまた特定のアーティストに惚れ込んだということよりも、お気に入りの曲は当該アーティストの単発ヒットのようなものが多くて、あまり蒐集する対象にはならなかったこともある。少しは経済力の付いてきた社会人になってからは購入対象となるアナログレコード(後日のCD)は結果としてクラシック系が中心となったことにもまた理由があるようにも思う。

ストリーミングの利点はもちろんその膨大な音源の量であるが、お仕着せのプレイリストがあること、また聴き手の好みに合わせた楽曲のリコメンデーションがあることだとも思う。懐かしのPOPSと思われるようなプレイリストを再生すれば、冒頭に述べたような曲が沢山あって全く飽きさせない。案外と「Remastered」という表記のある音源もあって、かって聴いた記憶を遥かに越えた音でとにかく素敵なのだ。これを現代の「魔法の小箱」とも云うべきネットワークストリーマー機器で無尽蔵に聴けることは幸せ以外の何ものでもない。当然ながら、これらの音源をどんどん自分流のプレイリストを作った上で溜め込んで行くので、あっという間に数百曲にもなってしまう。現在では巷で聴く機会があまり無いものなので貴重な音源となる。

この時代の音楽を聴いていて思うことは、良い音楽は決して色褪せず、それは単に思い出の中にあるべきものでもない、ということ。現時点での評価軸でこれらの音楽を聴けば、歌や演奏や曲作りという観点でも(もちろん自分の好みだから、ということもあろうが)改めて新鮮な感動もあってやはり素直にイケてると感じてしまう。録音面でも決してミゼラブル、ということもないどころか、案外とシャープだったり、ウォームだったりで楽しくなってしまうのだ。ベースラインなどは今の打ち込み系とは全く異なる質感があって(DAWで細工した低音の量感を意識した作りのものとは)、むしろ当方にとっては心地良く、チューブサウンド的なリバーブなどは素朴でとても好ましいものが多い。

また、これらを聴くことが昔聴いていた記憶の彼方の楽曲をさらに「掘り出す」作業にも繋がっていき、それがまた凄く楽しくもある。ここではオーディオ的な音源の評価は全く不要。それが自分にとって素敵な曲であるかどうかだけ。意外にもほとんどと云っていい位に録音面の問題も感じることなく聴かせてもくれる。また面白いことに金鉱堀りをすればするほどストリーミングサービスのリコメンデーションが充実してくる、という循環にも繋がるのだ。もはや忘れかけていた曲、アーティストも多いのだが、改めて感動の日々である。オーディオ自体を楽しむことも趣味として重要だと思うが「音楽を楽しめ」と魔法の小箱が示唆してくれているような気がしてならない。

(閑話休題)
新たに 導入 したBluesound Nodeについて多少触れておきたい。未だに国内で発表になってもいないことは不思議なのだが、これからストリーミングを楽しみたいという全てのオーディオファン、音楽ファンに(自分としては珍しく)かなりの自信を持ってお勧めできる。LUMINやLINNのような数百万円となるような超高額機はBluesoundにはなく、Bluesound Nodeの米国内の価格は549ドルである。だがら超絶的なオーディオ機器では無いということを予め申し添えさせていただきたいのだが、何より沢山音楽を聴きたい、いろいろなストリーミングサービスを利用したいという方にとっては廉価でかけがえのない機器になると思う。月額980円という密林ストリーミングのサブスク料金を考えれば、これを楽しまないということは勿体なくもある。

もちろん、現在国内で販売されているNode 2iという現行機種でも基本できることはほぼ同じなので、海外からの調達はちょっと面倒、という方であればそれでも良いと思うし、中古で更に割安に購入する手もあると思う。ただ、これから検討し導入を考えるという人にとって、ハードウエア的な増強も含めて価格据え置きの新モデルを選択しない理由は見当たらないし、当方が評価した限りでは音も含めて確かなアドバンテージが感じられる。

オーディオ的なアプローチ、音楽の聴き方は人それぞれ、いろいろな流儀があって良いと思う。ただ、良い音源が多いほど幸せになれる、ということは 疑いようがない事実。超優秀録音を贅を尽くした機器で聴くことにオーディオの喜びがあることへの疑問はないが、多くの人がより多くの音楽をリーズナブルかつ手の届く範囲で気軽に楽しめることもまた重要だと強く信ずる。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年6月23日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

200
200

800
800

3550
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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