オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その1)2021年6月22日


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デジタル接続改善トライアル:

我が家のデジタル系の構成は現状以下のようになっている。多少複雑に見えるが、基本の送り出しはBluesound Node 2iとAoE Symphonic-MPDの二系統である。これをMUTEC MC-3+USBで受けて二系統の入力切替とリクロックを行ってデジチャンに送り出すというスタイル。

接続系統図:
Improvement for Digital Connection

デジタル伝送する上で機器間の接続は「S/PDIF」に頼らざるを得ないのだが、MUTEC-MC+USBは流石にプロ用機器でもあるので多様な入出力に対応している点はありがたい。一方で、S/PDIFという規格自体は現在の視点で見るとかなり古いものでもあり、192K/24bitまでしか通せないことやクロック信号を同時に送っていることなどの課題もある。

民生用機器間のデジタル伝送はこのS/PDIFが(暗黙の?)基本となっていることもあって、デジタル入出力の対応は同軸RCAあるいは光TOSが主流である。プロ用機器ではAES/EBUやS/PDIFでも同軸BNCを使うことが一般的でもあるし、やや高級となる?一部のオーディオ機器ではAES/EBUや同軸BNCの入出力を持つ機器もある。また、プロ用機器ではデジタル伝送は「LAN環境を使う」というスタイルに変わりつつあり、こちらもかなりの勢いで普及している。デジチャンがHS-Link以外の汎用的なLAN入力に対応してくれるならすぐにでも移行したいとは思うのだが、現実は希望に追いついてくれず、、、

なお、プロ用機器と民生用機器の接続規格の差異は今に始まったことではないが、接続の安定性やノイズへの対応という観点から考慮された規格と云える。ただその分実装のコストは余分に掛かるものなのかもしれない。個人的にはBNCやAES/EBUの方がコネクター形状も含めて安心感があって好みだ。

翻って、我が家の環境、構成を見つめ直してみれば、この旧態依然たるS/PDIFに頼らざるを得ないのは各機器の入出力対応状況からして如何せんやむを得ないことだとは思うのだが、やはり何とか足掻いてみたくもなる。

現状MUTEC-MC3+USBへの入力は
1.同軸BNCケーブル(同軸RCA端子に対してBNC変換プラグを使用)
2.AES/EBUケーブル(同軸RCA端子に対してRCA-XLR変換ケーブルを使用:注記)

MUTEC-MC3+USBからの出力は
1.同軸BNCケーブル(BNC変換プラグを使用して同軸RCA端子でデジチャン入力)

というやや変則的なもの(変換プラグや変換ケーブルに頼っている、ケーブル自体はZAOLLA)。MUTEC-MC3+USB導入初期にそれぞれの入出力端子を確認する意味でもあれこれ 聴き較べ などもしてみたのだが、顕著と云えるほどの差が無いようにも感じられた(聴き分ける能力がない?)ので、まっいいか~と、そのままであった。

今般ここをちょっとトライしてみようと思ったきっかけは、何気なく覗いていたLYNXの ホームページ で、おやっという ケーブル を見つけたこと。LYNXというのはプロ用デジタル機器やDAW周辺機器で名高いメーカーでもあるのだが、こういうケーブルも世に出しているとは全く知らなかった。端的に云えばこのケーブルは同軸RCAをAES/EBU(コネクタはXLR)に変換するものなのだが、そもそもS/PDIFの同軸RCA、BNCは75オーム仕様、AES/EBUは110オーム仕様なので、単純にアナログ接続的な発想でコネクタ形状と結線だけを変えれば良い、というものでは本来はない。
(注記)現状のRCA-XLR変換ケーブルはこの対応ができていない。

残念ながら、この点に関しての商品説明は無いのだが、同社がわざわざ「S/PDIF Adapter Cable」と銘打っているものだし、この点をLYNX社が考慮していないとは同社の技術的バックグラウンドからも考え難い。多少疑心暗鬼もあるのだが、それならば試して見ざるを得まい。ただし、このケーブルは長さが50㎝弱しかなく、そのままでは機器間の接続には不都合。幸いなことに、AES/EBUケーブルに関しては、ZAOLLAの純銀デジタルケーブルが2本も遊んでいる(かってCDトランスポートからの出力に使用していたが、今は休眠中)ので、これと併せることで長さへの対応は可能。

上記のS/PDIF Adapter Cableが目論見通り有用なら、このAES/EBUケーブルを今後有効活用することも視野に入れて、早速入力側、出力側に使えるものをそれぞれ取り寄せてみた(入力、出力ではXLRコネクタ形状が異なるので両方を)。入力系統は同軸RCAからこのケーブルを介してZAOLLA AES/EBUケーブルへ接続し、それをMUTEC-MC3+USBに入れる。出力はZAOLLA AES/EBUケーブルから出しこのケーブルを介して同軸RCAをデジチャンに入れる。比較対象は同軸RCA(BNC変換しているもの)である。

考えようによれば、お馬鹿な暇つぶしかも知れない、、、だが、やらずして結果だけを予見してみても始まらない。もちろん駄耳で何らかの差異を聴きとれるとは限らない。また、本来不要な接点が増えるというマイナス要素も少なからずある。だがぱっと聴きでそうそう変わるものではなくても改善の兆候ないしは気配が感じらるかも、という僅かな期待値(激変?も期待したいところではあるが)でのトライである。

このケーブルでMUTEC MC-3+USBへ入力する構成はAoE BackEnd(ラズパイ4)として(Bluesound Node 2iは従来通り同軸BNCケーブル)、試聴開始。セットアップ直後の感想としてはほぼ差異は感知できない、、、まぁ予想通りとも云えるのだが明確に劣化した感じも無いので多少の慣らしは必要(ケーブルにエージングが必要とは実はあまり考えていないのだが)だろうし、ここはしばらくは新旧とっかえひっかえしつつ様子を見てみようと思う。

(2021年6月25日追記)
その後三日間程度集中的に聴き込んでみたが、結論としては現状のZAOLLAケーブルの継続使用がベターとなった。ZAOLLAは多分に聴きなれていることへの安心感もあるかもしれないし、純銀線のアドバンテージも?とも思うのだが、微細なところでの透明感や音のキレに優るようで、LYNXのケーブルではこれを超えることができなかった。価格の差を考慮すると若干やむを得ない気もするが、LYNXのケーブルもリーズナブルなコストの上でかなり健闘しているレベルと思う。(追記終わり)


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年6月23日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

800
800

3550
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 48-48 48-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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