オーディオ日記 第51章 行く道は果て無く(その21)2021年6月19日


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VST3プラグイン:

先にroon serverでのDSPお遊びとしてパラメトリックイコライザをあれこれいじってみたことを書いた。補正あるいは積極的な音作り、という観点では有効利用を図りたい機能であるのだが、roonは常用環境ではないため追い込むということはできていないのだが優れモノのDSP機能だと思っている。

ところで、メインのオーディオ環境とは別の話であるが、PC作業中のBGM再生用としていろいろなソフトウェアを使っており、新しいものの実験などにも勤しんでいる。こちらはYAMAHAのアクティブスピーカー( HS-50W )をUSB DDCから送り出してサンプリングレートコンバータ兼DACで駆動するというシンプルなもの。ほとんど音量を上げるようなことも無いのだが、音的にはちょっと寂しいと感じることもままあって、もうちょっと味付けしてみたいな~と考えてきた。

そこに「TuneBrouwser」の 先行版(5.0.0) が登場してきた。6月16日リリースのホットなもの。この先行版でとにもかくにも重要な点は新たにVST3プラグイン機能をサポートしてくれたことである。世には多くの DAW (Digital Audio Workstation)ソフトウエアがあり、プロの音楽製作者のみならず、一般の音楽愛好家でも使っているケースが多いと思うのだが、音楽再生だけの用途としては(案外高価で)とても使いこなせないほどの機能があるし、また本来リスニング用途でもないのでそちらの部分には制約も多い。

VST3プラグインとはこれらのDAW用に作られたDSP処理のコンポーネントであり、各DAWで共通に使うこともできるし、何より 無償で提供 されている優秀なプラグインも多い。もとより、当方は単に音楽を聴くという立場なので、音楽製作用のプラグインそのものには疎いのだが、音楽再生用としても「遊べる」ものが案外とあるのだ。なお、当方の知る限りであるが、高価なDAW以外のソフトウェアでこのVST3プラグイン機能をサポートしているのはJRiver(JRMC27から:注記)くらいだろうか? 単なるイコライザ機能を持つソフトもままあるがあまり使う気にはなれない、、、

(注記)当方が使用しているのはJRiver24であるが、このバージョンでもVST2プラグイン(機能的には同じもの)をサポートしている。ただし、プラグイン自体は32ビット版を使用する必要がある。

で、早速このTuneBrowser5.0.0をインストールし、結構使えると思っているプラグインを試してみた。

左側はTuneBrowser。右上段がTDR Nova、下段がTDR VOS SlickEQの操作パネル:
VST3 Plugins

テストしたのは、TOKYO DAWN RECORDS(日本ではなくドイツの会社)がFREEで提供している TDR VOS SlickEQTDR Nova の二つ。いずれもパラメトリックイコライザをメイン機能としたものであるが、異なる部分もある。VOS SlickEQは3バンドのパライコ+音のタッチの微調整が可能。Novaはダイナミックコンプレッション機能を持っている。

先に述べたようにPC作業中のBGM再生用スピーカーは口径も小さく、ニアーフィールド的な聴き方になるので、そのままではあまりリッチな音にはならないのだが、これらのプラグインで弄ってあげると心地良いバランスや充実感を演出可能(原音再生とはここでは云えないのだが)である。ちなみに当方は聴くシチュエーションによって使い分けており、小音量の場合はVOS SlickEQにて「silky」設定。やや音量を上げる場合はTDR Novaにて適度なコンプレッション設定を行っている。パライコのそのものの設定内容は両者ほぼ同様としている。

もちろん音楽再生ソフトウエアとしてはこのVST3プラグインサポートというものは本筋ではないかもしれないが、多機能のTuneBrowserがさらに魅力的になったと思う。開発されているTikiさんには感謝である。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年6月2日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1000
1000

3550
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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