仰げば尊し:
PCオーディオ周りは日々の作業の如くあれこれと試すことが際限無いのであるが、デジタルトランスポートとしては大分熟成されてきたようでちょっとしたチューニングでは期待するような向上が得られなくもなってきた。現状はそこそこにも思えて、やっとそこまでとなってきた、ということでもあるのかも。従ってこれ自体は悲観することでは無いかもしれない。
トータルなシステムとして見渡せば、特にスピーカー関連が出音に対して支配的でもあるので、まだまだ改善すべき事は多い気もするのだが、さりとてこれ以上スピーカーユニットを増やしてしまうような施策は軽々にはできないな~と。一方配置や設定で、「ころころと」とまでは行かないものの結構出音に変化があるので、ここは更に更に詰めねばならぬ点。だが、ちょっとした変更が向上に繋がったのかどうか冷静に判断することも存外に難しく、弄った結果がちょっと気に入っても、少し経つとやっぱりな~と戻してみたり。結局、設定などというレベルのものは行きつ戻りつともいえるだろうか。
その日の電源事情や我が身の体調、あるいは選択した音源によって微妙な設定の変化など吹き飛ぶように聴こえが変わる経験をする。毎日が「すべてベスト」などということは何時まで経っても無い。それがオーディオというものの宿命なのかもしれないが、結構な配慮、苦労をしないと納得が得られる音にはならないということは少々もどかしい。音楽を再生するための工業製品として生み出されたものであるはずのものに、そのままでは十全な音にならない(=期待する機能が得られない?)というオーディオ機器という存在。
多くのオーディオファイルが多分そうであるのではないかと思うのだが、日々精進と努力を重ねた後にやっとそこそこの出音が得られるようになる、というのは冷静に考えてみれば可笑しなこと。だが翻って、趣味の世界として考えてみれば、だからこそ奥が深い、と肯定的に捉えれば良いのかもしれないのだが、、、(自分としてはあまり納得できていない論点ではある)
さてさて、我が家の4way構成のスピーカーのうち、Mid Low、Mid High(Accuton C51)、Highの3つのユニットは50cmの高さのスタンドの上に直立不動のインライン配置となっている。これはこれでタイムアライメントもとり易いのでまぁいいのか~と思ってきたのであるが、少々Mid Lowユニットの位置が低い。Highのユニットをリスニングポイントにおける耳の位置に合わせるようにしているので、これはやむを得ないのであるが、Mid Lowの帯域は音楽としても極めて重要な部分。音楽の充実度を求める観点からはここは何とかしてみたい。
単純にかさ上げする、というスタイルも考えられなくは無いのだが、それだとHighのユニットが高くなりすぎる。以前にはかさ上げしたり、スピーカースタンドの高さを変えたりと少々トライはしてみたのだが。
不採用となった高さ調整の二案:
何か良い方法はないだろうか、とぐるぐるとスピーカー周りを眺めつつアイデアを捻る。スピーカースタンド自体は床の上に大理石を置いて、その上に4本のスパイクで乗せてある、、、
「!」 (閃いた?)
そっか~、4本のスパイクなので、このスパイクの前を高く、後ろ低くすれば僅かではあるが、ユニットが上を向く。仰角を付ける訳だ。仰げば尊し、の所以でもある(遥か昔小学生の頃に直立不動で歌ったことを思い出した)。改めて考えてみれば、ユニット自体が床に対して垂直に配置されているスピーカーシステムばかりではなく、多少の角度がついているものも結構見かける。基本はやや上を向いたものが多いと思うが、例外的には高域側のユニットが下を向いたものもある。
いずれも、ユニットの位置(高さ)がなるべくリスニングポイントにおける耳の位置(あるいはそこに向けて角度を付けてある)となるように配慮しているものと思う。また一部には物理的な位置調整となることによってタイムアライメントを確保しているものもあろう。
我が家の場合、スパイクピンの高さ調整によって得られる前後の高低差は1cm以下。もちろんあまり傾けてしまうのは却って怖いのでこの程度が妥当であろうか。これによってMid Low、Mid High、Highの3ユニットが全体として仰角が付くので各ユニットの前後位置もそこそこズレる。従って、タイムアライメントの取り直しは必須。
このような設置方法は実は当方初めて試す。今までは直立不動が基本でそれ以外の考えは頭には無かったと云えるだろう。結果の差は僅かなものだとは思う。だが、いろいろなアイデア、施策というものは「やってみた直後」が一番評価ポイントが高いもの。その理由は判らないが、、、多分自己満足?
実のところ、この程度のことで現実として音の密度感に変化が生まれるとは考え難くもある。一方でMid Lowユニットが若干でも上を向いたことによって、床からの反射を含めた影響が小さくなるという恩恵もあるやも知れぬ。そう考えるとまぁ今日のところの施策としてはあながちハズレとは云えぬであろう。実際、再調整後に改めて音楽をじっくり聴くとごれが密度感が高まるようで案外と悪くは無い。やっぱり自己満足かな~
4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年1月11日更新)
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
SB Acoustics MW16TX |
Sony SUP-T11 |
Scan Speak D2908 |
- |
能率 能率(90dB基準相対差) |
dB |
97.0 (+7.0) |
87.5 (-2.5) |
110.0 (+20.0) |
93.0 (+3.0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+0.7 |
+0.0 |
-10.5 |
+5.5 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-9.0 |
-3.0 |
-3.0 |
-5.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0 |
0 |
-12.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
88.7 |
84.5 |
83.5 |
81.5 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 250 |
250 ~ 1400 |
1400 ~ 3150 |
3550 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-24 |
24-24 |
24-24 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-10.0 |
+28.0 |
-40.0 |
+26.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
|
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|