オーディオ日記 第51章 行く道は果て無く(その7)2021年2月20日


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わちゃわちゃ感が堪らない:

いつも思うことであるが、自分を含めてあれこれとごちょごちょやりたがる人間にとってPCオーディオというのはどうも格好の材料なんだろうな、と。いろいろな興味に基づくトライもできるし、コスト的なハードルも一般的なオーディオ領域として考えれば相当に低い。その上で、自分なりのハードウエア構成やソフトウェア設定によってある種のOnly One感も醸し出せるし、何より音もイケていることが肝心なこと。

前回、AoE(Audio over Ethernet)を使用したフロント側のハードウエア環境の柔軟性(ラズパイ、APU、PCなど)について記載したが、ソフトウェア領域であるミュージックプレーヤについても多くの選択肢が出てきている。この柔軟性は、出力側となるバックエンドに対してデータ受け渡しなどを制御するフロントエンド側のAoE機能がパッケージ的に纏められており、それがまた多様なプラットフォームにて利用可能なように提供されていることに拠る。さらにはフロントエンド側のミュージックプレーヤとなる各種ソフトウエアにとっては「vsound」と呼んでいる仮想的な出力デバイスを駆動するだけで良い、ということで柔軟な環境が確保されている。

フロントエンド側のAoE機能は使用するOS(Linux)環境下でコンパイルして組み込むのであるが、これを含めたシステムイメージも有志によって提供が開始されているので、自分ですべての環境構築をする必要(大変さ)も現状では無くなってきている。システムイメージをダウンロードして自分の家のネットワーク環境などの基本設定をした上で使いたいミュージックプレーヤを組み込めば良いだけとなる。もちろんOne and Onlyを目指す向きにはスクラッチに近いスタイルで環境構築すれば良いのだが、こちらは若干ハードルは上がるかもしれない。

いずれにしても、このような環境、構成の柔軟性はAoEのコア機能が広く解放されたことに拠って得られるもの。そしてそれを起点としてPCオーディオ好きの活動が俄然盛り上がってきたようにも思う。ハード的にはintel/amd CPU派、APU派、ラズパイ派ということになるのであろうが、それが更にミュージックプレーヤ側にも及んでいる。roon bridge、air play(Amazon Musuc対応など)、というような各種の接続機能をインストール可能であるという点も貢献している。(roonやAmazon Music だけの再生であればフロントエンド側にミュージックプレーヤのインストールは不要)

また、基本形のミュージックプレーヤとしてmpdを選択した場合でも、所謂mpdクライアント( yaMPC やCantata、etc)での操作のみならずupnp/dlnaベースの世に多数あるメディアコントローラ(fidata Music App、mConnect HD、etc)での操作もupnp機能(upmpdcli)のインストールによって可能である。

ミュージックプレーヤとしては、昨今ちょっと評判のAlbum Playerを使っても良いし、squeezeliteなどにチャンレンする方も、、、

このような観点で、AoEをコアとした Symphonic-MPD の世界もここに来て一気に広がりを見せている。ある意味ではPCオーディオスキルの相当に高い同好の士がこぞって集まって来ている状況とも云えるだろうか。当方などはその恩恵を受けるばかりであるが。しかし、この多様化して行く中でのコミュニティの「わちゃわちゃ感」がとても楽しい。世はコロナ禍の鬱陶しさがなかなか通り過ぎないのだが、自宅に籠もって居るが故ということも理由としてはあるのだろうか、情報交換もかなり活発だし、それを基にあれこれ試せるというこの賑わいぶり(?)は非常に嬉しくもある。

もちろん、オーディオとして冷徹に見れば、その出音が全ての鍵を握る。あれこれ試して頑張りました、やっと音が出ました、嬉し~。とはならないのである。より高いレベルの出音を求めているからこそのPCオーディオ。当方とっての究極のデジタルトランスポート探しはまだ終わっていないのだ。

改めて、現状を評価してみれば、このAoEのバックエンド側(ラズパイ4で稼動)もベータバージョンとして直近16.2まで上がって来た。かなりのスピードで細部の煮詰めが行われてきていると云っても良いと思う。未だベータであり、正式バージョンとはなっていないのであるが、当方的にはこの16.2というベータバージョンの音は更に磨きが掛かったようで実は相当に気に入っている。

フロント側は現状四構成となってしまったので今後多少絞り込もうと考えており、常用とする構成的にはラズパイ4とPC(amd CPUベースのファンレス仕様)の二つとなるだろうか。ここでmpdによるサーバーPC(NAS)音源再生とair play対応(shairport-sync)でのAmazon Music HDの二本立てである。音楽を聴くためのツールとしてもう充分な程のクオリティ(音質、安定性、操作性)だと思う。開発ならびにサポートされている方々に改めて感謝したい。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年1月11日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.0 -10.5 +5.5
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 84.5 83.5 81.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

250
250

1400
1400

3150
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -40.0 +26.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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