オーディオ日記 第51章 行く道は果て無く(その2)2021年1月11日


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音楽三昧の中で思うこと:

もう一年近くも経とうというのにさても厄介な状況が解消されず困りものであるが、ワクチン効果が終息に向けての決定打となるであろうか。そうだとしてもまだまだ落ち着くまでには時間がかかりそうな気配。このところは寒い日も続いていることもあって、しっかりと音楽三昧の日々でもある。

最近の当方の音楽再生の主役は、Bluesound Node 2iで聴くAmazon Music HDとAoE(Audio over Ethernet) on Symphonic-MPDのふたつ。多様かつ新しい音源はAmazon Music HDの徘徊で、自分のライブラリ音源はSymphonic-MPDでという感じであろうか。スピーカー周りが落ち着いてしまったので、設定のあれこれや機器を弄り回す事は大分減っている。その分、どんどん進化を続けているSymphonic-MPDのフォローをしっかりと行いながら、成果を楽しんでいる。

デジタルオーディオの在り様はいろいろな意味で変化が激しいと云えばいいのだろうか。メディア媒体としてのCDからデジタルファイルへ、そしてストリーミングと主役が代わっていくことも初めはゆるゆるとであったが、このところは一段と加速しているようにも思う。所謂デジタルトランスポートも我が家の場合はPCオーディオがまだメインではあるが、基盤となる機器の移り変わりに関してはこの先の予断を許さない。たまたま自分的にはラズパイに今はスポットライトが当たっている、ということなんだと思う。

ストリーミングに於いては、ネットワークストリーマー(現状はネットワークオーディオ機器と呼ばれている類)が主役になっていくんだろうと半ば確信的に思う。予見は難しいが、ネットワークストリーマーが台頭する状況となれば、いずれNASなどというコンピュータ周辺機器とオーディオ機器の中間にあるような製品は存在価値を失うかもしれない。難しい事は最早不要でネットワークストリーマーという「BLack Box」をネット環境に繋ぐだけ。後は全てを委ね、極楽操作、お気楽に音楽を聴けば良い訳だ。あれこれの設定も地獄のようなリッピング作業ももう全く要らない。ユーザーは機器の電源を入れ、楽しみながら選曲するだけ。

CD品質と同等(あるいはそれ以上)の音源がほぼ無尽蔵に聴ける、という環境に関して以前はここまでのものを予見できてはいなかった。CDのようなメディア媒体を収集するという楽しみも無くは無いのだが、多分それはもう過去のものになるだろう。新しい音源も(現状全てとは言わないが)、また手に入り難い音源も既にかなりのカバー率がある。そして、音源総量とこのカバー率は益々上がっていくことだろう。巨大企業に身を委ねてしまうことを是とはしない自分もいるのだが、「音楽を聴くこと」自体を優先させればやむを得ないことか、、、、

存外大量にある我が家のCDであるが、おそらく再度リッピングすることももう無いだろう。あるいはCDプレーヤで聴く、ということもきっと無い。(現実にこの数年CDプレーヤは置物と化して稼動していない) 結果、CDという「物」は既に断捨離の対象となっている、、、更にはハイレゾ音源のダウンロード購入など無い、とこれはもう云い切っても良いように思う。

だが、ここで一度立ち止まって考えておかねばならないことがある。当方はストリーミングに関して国内楽曲の豊富さということに比重を置いてAmazon Music HDを選択したのだが、このAmazon Music HDに十全な対応(Air Play経由ではなく)をしている機器が案外少ないのだ。Luminも一昨年の暮れ頃にAmazon対応をする、という表現がFace Book上にあったのだが未だ実現していない。実現していないだけではなく、Amazonが仕様を開示してくれない、という理由で見込みすら立っていないらしい。HEOS対応機器もUIがもっと洗練されれば良いのだが。

推測はあれこれできるとは思うのだが、正確なことは当然ながら判る由もない。果実の総採りを狙うとすれば当然ながら開示には消極的になるのかもしれない。あるいはLuminが香港を本拠とする企業である、ということの関連性も否定できない気もする。コンテンツデリバリーの企業は本来、積極的に利用できる機会(機器)を増加させたいと思うはずなのだが、、、、この辺りは謎。仕様そのものあるいはその公開という観点からはTidalとAmazonは何か戦略が根本的なところで違いがあるかもしれないと下衆の勘繰りなどもしてみるのだが、想像の域を出ない。

頼みの綱は「 BluOS 」をベースとしたネットワークストリーマーであるが、こちらは海外では徐々に企業コンソーシアムが形成されつつある。当方が使用しているBluesound Node 2iはその中でも最廉価に位置付けされるものなのだが、その実力は侮れない。ストリーミング対応のデジタルトランスポートとして考えてみれば、そもそもハードウエア的には重厚長大なものは不要なのだ。

デジタル音源の処理は現代のプロセッサーを以ってすれば極小の負荷レベル、電源や電源系ノイズ対策は極めて重要と思うが、これも機械稼動部分が無いので大掛かりとする必要はない。ソフトウエアは正確にデジタルデータを送り出すという観点で洗練されている必要はあるが、これとて安定性とユーザーインターフェース(操作性)の在り様の方がはるかに比重が高い。

つまりは、ラズパイやBluesoundに使われているような1GHz~1.5GHzくらいの小パワーのARMプロセッサーでハードウエア的には充分なんだろうと思う。ラズパイ4は裸基盤ベースであるが、5千円程度。これにHATと呼ばれる出力基盤(S/DIF出力、I2S出力、DAC込みでアナログ出力などを選択)を追加すれば良い。これで、PCオーディオ機器としても相当に納得の音が出る。もちろん電源環境やクロック環境などはオーディオ的視点で如何様にも凝ることが出来る。

また、Bluesound Node 2iは海外では500ドル弱の機器である。最上流となる機器であり非常に優秀な出音でもあるのだが、所謂オーディオ機器の価格のレベルではないだろう、、、プライスだけが価値観という機器も残念ながら世にはあるのだが、ことネットワークストリーマとして考えた場合これで何の遜色も無い。

オーディオはひとつの確固たる趣味である以上、そのアプローチは千差万別で良いと思う。アナログにはアナログの良さが厳然としてある。つまりはこの辺りは人生哲学みたいなもので、人それぞれ志向が異なっていることが当たり前だと思う。だが、翻って考えてみれば、日本のオーディオ業界はかってと比較すれば大いに衰退してしまっている現実がある。高額なオーディオ機器は憧れにも成り得るが、マーケットとして考えるとそもそも対象が充分に広いとは云えないので、投資回収効率は上がらない。

かってのソニーウォークマン、Apple iPODが世界中で販売した台数が如何ほどなのか正確には知らないが、そのように膨大に売れたオーディオ機器は比類無い。だが、世の大多数を占める音楽ファンに対して、数万円という価格レンジのネットワークストリーマーはそのようなポテンシャルを秘めてはいないだろうか。いや、もうスマートフォンがあればこれで充分なんだよ、ということなのかもしれないが、、、


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年1月11日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.0 -10.5 +5.5
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 84.5 83.5 81.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

250
250

1400
1400

3150
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -40.0 +26.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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