オーディオ日記 第49章 終わりの始まり(その18)2020年7月16日


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季節は巡る、時は往く

前回、音楽を聴く時間の割合がストリーミング中心になりつつあることを書いたのだが、すこしづつその傾向が高まってきていると思う。何より新しい「音源」に何気なくめぐり会えるという利点は大きく、そこから印象に残った音楽に係わる演奏家や作曲家などの深堀りが始まっていく。何やらかってのネットサーフィンのように音楽を芋蔓的に辿っているようで、それがまた案外と楽しい。

我が家のサーバーPC(NAS)に貯めてある音源もそこそこ多いと自分でも思うのだが、ストリーミングの世界では当然ながら量に於いてはその比ではないので飽きることが無い。一方でガシガシと音質追求するのも何だかそぐわないような気にもなる。実際のところ当方が現在サブスクリプションしているAmazon Music HDは基本44.1K/16bitのFLACだそうで自分でCDをリッピングしたものと比較もしてみたが、音源としてはさして差が無いように感じる。構成的にはiPADからAir Playでラズパイ(Symphonic-MPD)に飛ばしているので、お手軽ではあるが、オーディオ世界のシビアさ?で見れば当然ながら最上級の環境ではないだろう。

お気に入りの音源をどうやって理想的な再生に近づけるのか、その工夫や努力もオーディオの楽しみの一つではあるが、好きな音源もその繰り返しの過程の中で手垢に塗れていき当初の感動はどうしても薄れてしまうもの。また微に入り細に入りオーディオ的に聴き込むことが本来の音楽の感動をもたらしてくれるものなのか、、、

多少の懐疑心を抱きながらこの現状をこのところあれこれと考察してみているのだが、音楽に関する方向性は今後もそう大きくは変わらないだろうな、との認識にやはり至ってしまう。趣味としてオーディオの質的向上を目指しつつ究極の自分のサウンドの実現を夢見ること自体は不変だと思う(思いたい)が、それ以上に新たな感動をもたらしてくれる音楽に出会いたい。

その過程で、アナログ再生についても改めて方向性を考えてみた。元々PCオーディオ中心になって以降アナログディスクは再生の主力ではないので、構成や質的ブラッシュアップの努力は怠ってきた。一方でいずれ聴くこともあるだろうと考えて中古アナログディスクもそれなりには収集してきた。だが、アナログディスクが増えても聴く時間には限りがあり、どうしても再生優先度が低い。退職後時間がタップりできたら順に聴こうなどと思っていたアナログディスクに針も落とさずもう幾年も経過しており、結果として単に死蔵しているに近い。

デジタルフォノイコライザの導入など環境面での変化を加え、アナログ再生に「カツ」を入れてみるかとも考えてみたが、錆び付いてきた性根がそうそう都合よく回り始める事は無い。加えて、アナログディスクは案外重量があって場所も食う。そろそろ断捨離の時期が到来したのかも、、、との考えに至るのはある意味自然なことか。

じゃ、一方でCDはどうするか? という課題も出てくる。こちらもそこそこの量があるのだが、一度リッピングしてしまえば活躍の機会はもうほとんどない。CDトランスポート自体はあるにはあるが、現状接続もしていないし、何か「確認用」というようなことでもなければCDを取り出すこともない。

ストリーミングに深入りするにつれ、「リアルな物(ぶつ)」に対する重要度の認識が大幅に低下したことは否めない。また、これらの品々は興味の無い家族にとってはいずれ厄介なものになってしまうという可能性も高い。もちろん、スピーカーを始めとする大きな機器とて同類ではあるのだが。

地球は回る、季節は巡る、自身の環境や習慣も変わる。であれば用を供さぬものに執着する必要もない。もちろん全てを一斉に処分するというほどの「男気」は自分には無いので、まずはアナログディスクを中心に大幅に縮小するに至った。そうは云っても現状のアナログ再生環境とお気に入りの盤ならびに比較試聴用のもの100枚強程度は残して。

多少の後ろ髪を引かれつつという心境もあるのだが、ひと頃よりは聴く人も増えたようでアナログディスクを手軽に引き取ってくれるところも多い。ネットで申し込めば送付用の箱まで送ってくれるという親切さ。気に入ってくれる人の手に渡ることを祈りたい。なお、オーディオファイルの方々の中には既にこのような決断をされている方も多いのではないだろうかとも推測してみる。もちろん熱烈なアナログファンの方にとっては当然この限りではないだろうけれど。だが、CDについても追ってこのような対応を考えることになるのかも、と薄々自分でも予感している。

懐かしい音楽はほんの時たま聴ければ良い。けれど、自分にとって新しく魅力的な音楽にはいつ、どのように出会えるのかそれは全く見通せない。ある意味では偶然に頼りつつ、自らのインスピレーションに従って聴き続けるしかないであろう。多分、それは今までと同じこと。ただ、モーツアルトの音楽は自分にとっては不変であって、そこにはいつでも帰れる。その安心感があればこそ断捨離に至る勇気が少しは出るのだろうと思う。


                 4way SUP-T11構成の設定備忘録(2020年6月17日更新)設定値
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 90 (+0) 110 (+17) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.0 +1.2 -10.0* +4.0
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -7.0 -6.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 90.0 85.2 85.0 80.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

224
180

800
800

3550
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 0.0 -30.0 +28.5 +32.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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