ラズパイは美味しいか(その20):lightMPD UPnP版
さてもラズパイ遊び、もうオーディオなのか単なるラズパイいじりなのか判然としなくなった 、、、という面もありそう。だた、当方は至って大真面目。究極のPCトランスポートを探す旅でもあるのだ。lightMPD on Raspi 4でラズパイ4のプラットフォームとしての更なる可能性を認識したが、試したのはStand Aloneモードであり、それに加えて我が家のラズパイ4の電源対策はまだ間に合っていない。
となると、これはまだlightMPDの片鱗であって実力発揮というまでには至らないであろう。そこであれこれ思案してみると、電源系ノイズ対策をある程度実施済の3BにてlightMPDをレンダラーとして専念させてみたら、どうなるか? という期待がむくむくと。幸いにはlightMPDではいくつかの稼働モードを選択できるようになっているので、UPnP/DLNAのメディアレンダラー構成も簡単に構築できる。ただしこの構成にしてしまうと、極楽操作のyaMPCは使えず、mConnectHDなどのメディアコントローラーを使わねばならないので、多少の抵抗はある。しかしやってみたいという欲求には勝てない。
(注記)ArchphileにはこのUPnPモードとStand Aloneモードを設定でいったりきたりできる機能がある。現状ではlightMPDもSymphonic-MPDもいずれのモードでも稼動させる事は可能なのだが、このような便利至極なこと事は残念ながらできずマイクロSDカードを差し替えるなどの対応が必要。
従い、yaMPCで操作する環境はラズパイ4にそのまま残しておき、3B用にUPnP/lightMPDの環境を設えた。これは存外に簡単、あまり悩む部分はない。プラットフォームとしては処理パフォーマンスの面では充分ではない3Bであるが、メディアレンダラーとして稼働するのであればむしろ優位かもしれない。LAN速度も100Mbpsということもあって、音質の観点からはむしろ好ましいかもしれない。
さて、さくっと設えて早速試聴開始。コントロールポイントはmConnectHDで行ったが、lightMPDはOpen Homeの仕様らしく、試してみるとfidata Music Appのみならず、Esoteric Sound Streamも使える。LuminはlightMPDをレンダラーとして選択できるのだが、再生を指示すると落ちる、、、
やはりレンダラーを分離した構成のアドバンテージを感じる音である。シンプルな機能に徹していること、電源対策、100MbpsのLAN速度などの複合条件もあると思うのだが、Stand AloneモードのlightMPD on Raspi 4よりも3Bのこちらの方が音としては好ましいように思えるのだ。余韻、エコー感、高域感という観点のみならず、低域の締まりと量感という部分でもわずかに秀でているように思う。これは同じようなレンダーラー構成のJPLAY FEMTOとガチンコ出来る程の音かもしれない。サーバーPC上のminim serverと連携させている点はどちらも同じなので、この構成だとレンダラーとしての「素の音」という比較になる。のっけからあまり入れ込んでもいけないので、今日のところはさらりと聞き流すようにしておこうと思うのだが。
つらつら音楽を聴きながらはて、さて、と考えをめぐらせると、PCベースのJPALYとラズパイベースのSymphonic-MPD、lightMPDの差として感じていた点はこの構成の差異にも因果関係があるのでは、と当然の帰結となる。当方は極楽操作のyaMPCにこだわりがあるため、Symphonic-MPDもlightMPDもStand Aloneモードで動作させることにある意味「固執」してきた。だがやはり機能分離、負荷分散させることのメリット、アドバンテージは歴然としてあるように思われる。実際当方がJPLAY FEMTOの音を評価しているのも、この構成故であるかもしれない。
となると、このような構成条件を揃えずに、どちらが良い、などと言及すること自体的を外していないだろうか? と自問せざるを得ない。さすれば、Symphonic-MPDもこの条件を揃えた上でのガチンコ勝負が必要であろう。また、もうひとつ。当方が敢えて避けて来たlightMPDのPC版である。UPnPモードのlightMPDをAudio PC(JPLAY FEMTOが稼動しているもの)で動かし、プラットフォーム並びに電源系ノイズ対策などの条件を合わせた上で評価せねば、本来のソフトウエアに起因する音の違いを云々ということにはならない、、、、そこまでやるべきか、という気持ちもある。だが、これは試練でもある。自分なりにPCオーディオの究極を捜し求めるのであれば、それもやってみなければならぬことのひとつであろう。
lightMPDのPC版は稼動の条件があるとのことなので、その条件に合致するかどうか、というところからのスタートなので実現できるかどうかはまだ判らない。また、Syphonic-MPDは標準機能としてサポートされている訳ではないので当方のような素人スキルで対応できるものなのか、現時点では皆目見当も付かない。
だが、やぱりこのPCオーディオという世界はそこそこに面白い。そして遊びの種が尽きない。環境や条件を整えつつより高みを目指していくということは高級な機器を買い換える、という対応よりもフットワーク良くアプローチできると思う。だが、それにはそれなりの情報収集能力やある程度の環境構築スキルを身に付けるということも必要となってくる。また何よりも音を正しく吟味し自分としての好みに寄り添うものを探し出さねばならない。これは伴侶選びよりも?難しいに違いない。
その果てに極楽が待つのか、すんなりと構築できず、またトラブルと運用の難しさに腹を立てることになるのか、それは判らない。だが開発者が手塩にかけて育てたソフトウエアの実力を発揮させる環境を作り、条件を揃えた上での比較でなければ、それはまた失礼にもなろう。いずれも珠玉の音楽再生ソフトウエアなのだから。
(その後、早速アクション)
lightMPDのPC版について改めて情報を収集すると、ドライバーの関係から搭載されているLANチップに制限があるのだが、RTL8111Cでも稼働するとの報告あり(yoさん、ありがとう!)。当方のAudio PCのLANチップはRTL8111Hである。従って、稼働するかどうかは当然ながら保証の限りではないが、RTL8111というのはチップとしては大きなファミリーであるため末尾の差異による細かい仕様の違いがあっても全体としては互換性が高いものである。ままよ、やってみよう、、、
何と、すんなりと動いた! ラッキ~、うれし~ で、で、音は? やはり上述した機能分散、負荷分散という仮説を改めて裏付けるものとなっている。これはPCオーディオの世界ではもう語られて久しいポイントでもあるのだが、つまりはこの構成、状態とした上での比較でなければいけなかったのだ。まずはJPLAY FEMTOとlightMPD PC版の対決、サーバーPCとの連携構成もAudio PCのプラットフォームも今度こそ同一である。コントロールポイントもmConnectHDで統一。出力もどちらもUSB経由でMCTEC MC-3+USB。故に、本当のソフトウエア同士の対決である。自分でも、ちょっと手に汗握る、、、
4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
Sony SUP-T11 |
Accuton C51-286 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
110 (+17) |
93 (+0) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.2 |
-10.0* |
+1.7 |
+3.8 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-3.0 |
-3.0 |
-6.0 |
-3.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
-6.0 |
-12.0 |
-6.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.2 |
85.0 |
82.7 |
81.8 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 500 |
500 ~ 1400 |
1400 ~ 2500 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-24 |
24-18 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-7.0 |
-37.0 |
+30.0 |
+30.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
MPD 環境下 |
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|