オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その5)2020年1月18日


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ラズパイは美味しいか(その19):lightMPD on Raspi 4

一応の環境設定が終わったところで、気合を入れて比較をするために、まずは設定の見直しを行った。ラズパイ3B+の設定そのままでは変更となっている点もあったので、その辺りも修正を加えた。(変更箇所は以下の通り)

arm_freq=1400    (3B+と速度を合わせるためと発熱対策)
#eth_max_speed=100  (この設定はラズパイ4では効果なし)
dtparam=eee=off   (設定忘れしていた)
dtparam_eth_led0=4  (3B+とは設定値が異なるため、14 --> 4 へ)
dtparam_eth_led1=4  (3B+とは設定値が異なるため、14 --> 4 へ)

さて、これでOKかな? しかし設定変更にはtelnetで入っていちいち「mount /dev/mmcblk0p1 /mnt」を叩かねばならないのは正直ちょっと面倒だが、音のためにはやむを得ないか、、、

プラットフォームが3B+から4Bに替わったとしても音の傾向はそうそう変わるものではないと思っていたのだが、実際には想像している以上に変化がある。音の自然さや透明感、質的な純度が上がってきたように感じるのだ。これはどのような背景事情によるものかは判然としない。単なるプラットフォームの差異だけとは云えないような気がするのだが、、、

当方が今ひとつ良く判っていないのは「arm_64bit=1」という設定。今テスト中のバージョンからこれが設定されているのだが、config.txtの解説によれば、この設定は64bit Kernelの使用。デフォルトの0では32bit kernelと記載されている。ということはこのlightMPDは32bit互換モードではなく64bitで稼動していると考えて良いのだろうか(注記)。デジファイのおと掲示板にもこの辺りの記述が特段無いので正確ではないのかもしれない。だが、この設定から考えるとやはり64bitではと推測されるのだが、もしそうであれば64bit kernelの何がしかの部分がこの音の差異、向上にも貢献しているように思えてならない。

(注記)カーネルについてconfig.txt上で以下のようになっているので間違いは無さそうだが:
「kernel=/boot/kernel8.img」

好みも含めてのところもあるが総論としては「lightMPD on Raspi 4」の評価はかなり高い。ちなみに構成であるが、Hifiberry Digi+ProからBNCで送り出し。MUTEC MC3+USBにてCybershaftからの10MHzマスタークロックを受けてリクロックしているところは他の構成と基本的に同じである。電源については、同時購入したラズパイ4用のUSB Type CのACアダプターでVitroperm巻き程度の対策しかまだ行っていない。それにも拘らずこの出音である。

ラズパイ3Bと3B+でいろいろと試してきた経験からすれば、そのコストパフォーマンスと再生音には充分納得なのであるが、一方でJPLAY FEMTOの音と比較してしまうと、僅かに物足りなさが残ってしまうことも事実。この辺りは電源系ノイズ対策の不足やHifiberry Digi+Proという廉価ボードの限界もあるのかもしれないが、総合的に考えてラズパイにまだ越えられない壁が何かあるのかも、とずっと考えてきた。それ故にPCベースでの新たなチャレンジについてあれこれと夢想、妄想を始めてしまったのだが、、、

実質気合を入れての試聴は昨日、今日と二日目なので多少の新鮮味を感じていることや思い込みもあると思われ、軽々に判断すべきことではないが、このポテンシャルは素直に評価しても良いだろうと思う。その意味ではまだまだ味わいつくせないラズパイ、これからの発展が大いに楽しみでもある。また、「Symphonic-MPD on Raspi 4」の登場が今まで以上に待ち遠しくなってきた。

だが、問題が全く無い、という訳ではない。lightMPD起動時に音源のマウント(当方の場合はサーバーPC上のSSDに置いてある)に失敗することがあるのだ。この状態ではmpdは動いているのだが、音源ベータベースにもアクセスできない(lightMPDでは/var/lib/mpd/tagcacheもサーバーPCあるいはNAS上に置く仕様となっている)ので当然再生も不可となる。だが、再起動すればマウントがうまく行くこともあるし、うまく行かないこともあるなど若干この部分は不安定。lightMPDの音源のマウントに係わる記述は「lightmpd.conf」にあるのだが、sambaの指定が「vers=1.0」となっており、これはちょっと古い記述かもしれない(通常はvers=2.0あるいはvers=2.1の記述なのだがこれでも3B+では問題が無かった)。あるいは何らかの事情によりサーバーPCに対するマウント処理に時間が掛かることによってこのような状態に陥るのであろうか。この点は安定運用という観点からは気になるのでさらにいろいろと調べてみようと思う。

(2010年1月20日追記)
マウントの失敗に関して自力では解決できず、digififanさんのご支援を仰がせていただいた。lightmpd.confの下記の[network]設定をコメントイン(下記の指定では2秒sleepする)する。ご親切に対応いただき深く謝する次第である。
 post-up=sleep 2;/usr/sbin/ethtool -s eth0 speed 100 duplex full

なお、当方の環境ではやはり数回に一回程度マウントの失敗が起こるようなので(これはおそらく当方のネットワーク環境等に依存)ethtool起動後にもsleepを入れることで解決した。またLAN速度設定は1GHzとしてある。これは暫定回避策で根本対策は別途準備中とのこと。
 post-up=sleep 2;/usr/sbin/ethtool -s eth0 speed 1000 duplex full;sleep 3 # <--- additional sleep


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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