オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その2)2020年1月7日


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PCオーディオの実力を考える(4):挫折編

妄想を膨らませていたDiretta Target PC カスタム版の夢 はライセンス契約という壁を乗り越えることはできなかった。残念ではあるが、それはまたひとつの現実であるのかもしれない。この先、更にDirettaが評価され普及していくのであれば多様なニーズに応えざるを得なくなろうと思われるし、そのような日が訪れるのを現状未練は捨てきれないが気長に待ちたいと思う。

その観点では、これからPCオーディオにどのようにチャレンジして行くことが望ましいのか、実のところ今は道が定まらない状態となってしまった。もちろん、現実手元にある構成、仕組みをきちんとブラッシュアップしていくことやバージョンアップに追随し洗練度を上げていくことも不可欠なのでやるべきことは多々あり、それぞれの原石がきちんと光り輝くように吟味していかねばならない。音の評価というものは、自分のシステムの得意、不得意や個性もあるのでそうそう簡単なものではないし、音源によって左右されてしまう事もある。安易に流されずこれを超えて見極めて行く必要があると思う。

さてはて、少しづつ見えて来た一筋の光を追って突き進んで行きたいと思うのだが、今の我が身に纏わりつく闇を振り解きブレークスルーしていくことはそれほど容易ではないようだ。

(閑話休題)ゴルゴダの丘

時に悩み呻吟しオーディオとは一体何か?と答え無き猜疑心で胸が張り裂けそうになることもあれば、心安らかに音楽に浸り没頭できる時もある。そのような繰り返しの中で我がオーディオは幾許かの成長を果たしてくれたのであろうか。人に求めても答えは得られないし、自分でもその答えを確固なものとして持ちきれてもいない。ただうろうろと今日よりは明日が良かれとあれこれ足掻き続けるのみ。

出会わなければ良かった、と思うのは若き日の切ない恋の結末だろうけれど、音楽にそしてオーディオに出会わぬ人生など今の自分にとって輝くような価値を見出す事はできない。例え鳴き続けるコオロギの、あるいはくるくると回り続け、阿呆踊りを続ける輪舞の如き我が人生であっても、、、

「All my life with you」と心に誓ったことなどいつのことか、もうそれは時の彼方にあって定かに思い出すことすらできはしない。それでもいつも共に居て、過ごした時間の確かさは数え切れず記憶としてここに存在している。命は儚く、日々吹く風は冷たい。僅かであってもほのかな温かさが恋しくてまたモーツアルトを聴く。だが音楽は多少の慰めではあっても救いにはならない。

多くのオーディオ愛好家あるいは音楽愛好家がどのような視点でオーディオに、音楽に接しているのかそれは当方には分からない。そもそも自分で自分が分からなくもあるだから。良い音はひとつではない、ということがようやく朧げにも分かってきたとしてもそれを自分の手に掴んだということにはならない。自己顕示し何かを誇るためのアプローチでも決して無いのだ。ここに確かな音楽が流れてさえいれば、それが自ずとひとつの答えになる。問題はそれが「幸せの音」であるか、ということに尽きるのかもしれないのだが。

しかし、ハイエンドなどと云う大音量も迫力も鬼気迫るほどの静寂感も本当は音楽にとって必要なものではないんじゃないだろうか? 音楽は心の中に宿るものとして存在し、オーディオ機器の中にある訳じゃなし。音源の中にこそあって、そこに作曲家の演奏家の(また録音エンジニアの)魂がある。瑣末なことが重要なテーマとして語られることも多いオーディオ。電源、アース、振動、ケーブルを含む数多のアクセサリ、それが無意味だなどとは決して思わないが、音楽の王道からはあまりにも遠いところに位置しているようにも感じる。人間の五感、官能の世界の中でこそ音楽の羽は広がって、その響きが雄々しく羽ばたくものなのだから。

現状のような重厚長大(?)な機器に囲まれていなくても、ふと聴いた音楽に感動し涙ぐめたのは、それは一体何時のことだったのだろうか。深夜放送をイヤホンで聴いても、ラジカセで聴いてもその一瞬で二度と忘れられなくなる音楽は確かにあった。もしかしたら、それは「幸せの音」というものではなく「幸せの音楽」との出会いであったのではないだろうか。幸せの音楽に巡り会うための旅が本来の目的ならば、何を今更オーディオ機器の瑣末なあれこれに呻吟する必要があるのだ? 強くそう思うこともある。

だが迷い迷い、探し探し訪ね歩いた今この道に、もう戻り道は無い。幸せの音楽は幸せの音へと続いていかねばならぬという宿命を負っているかのよう。その重さを背負ってこの丘を登らねばならない。例えその丘の頂上には我が墓標が待っているとしても。


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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