オーディオ日記 第46章 幸せの音(その10)2019年7月9日


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Symphonic-MPDを試す(その6):DSDtoPCM編

Symphonic-MPDの安定運用を確立すべくあれこれと調整を進めている。電圧低下の件は真因が掴めずちょっと暗礁状態。こうなると電源廻りを交換するくらいしか打ち手がなくなってしまいしばし思案中。Hifiberry Digi+Proの光出力の電力消費が案外と大きいのかも?とも推測しており、この光出力モジュールを物理的に切断してしまう手もあると考えている。この方法はかってQA550というSDカードプレーヤで実施したことがあるのだが、はてさてどうしたものか。

その他環境廻りの細かいブラッシュアップであるが、音源に対するマウントオプションでファイル共有設定を速度の速いものに変更(vers=2.0)し、またRead Buffer Sizeを大きく(rsize=96120)するなどして懸念であった音切れの発生は皆無状態。また、ラズパイ3B+の性能を活かすべくCPUクロックの1368MHzの設定(arm_freq=1368)での運用も問題なく、空冷により45℃程度のCPU温度で推移し長時間の運転も全く大丈夫。カバーアートについては、yaMPCならびにMPADでの取得時には直接サーバーPCを参照する方式に変更してSMPDの負荷を軽減するなどの対策も実施してある。(サーバーPC上のIISのルートディレクトリをSMPDの仕様に合わせて「NAS」に変更した)

現状は定常運用における安定性もほぼ問題ない(除く電圧低下発生時)、と思われるので続いてSMPD環境でのDSD音源に対する試行を実施することとした。我が家ではデジチャンにデジタル入力を行う都合上DSDtoPCMが必須となるのだが、SMPDではサンプルレートコンバータ(SoX)を使用するのは推奨ではない。しかし、この対応をしないとDSD音源が聴けないのでこれはやむを得ないのだが、まずは実験レベルとして確認作業を実施したもの。

為念MPDのバージョンを確認してみると案外古い(0.19台)もので「resampler option」には対応できず、ラズパイのせっかくのQuad Coreをサンプルレート変換処理で有効活用するようなマルチスレッドの指定が出来ない。これは非常に残念である。ラズパイ4への対応など大きなバージョンアップの際には是非ともMPDも新しいバージョン(少なくとも0.20以降)を採用して欲しいと思う。

従ってSoXを使用してDSDtoPCMを行わせる為には旧来タイプの「samplerate_converter」設定で行う。出力フォーマットは176.4KHz/24bitで標準的なMPDは条件設定による出力フォーマットの選択はできない。このため全てのPCM音源が此処で指定した出力フォーマットにリサンプルされてしまうのだ。これも非常に残念な点である。DSD音源の場合のみ176.4KHz/24bitへのダウンコンバートを行うような柔軟な指定ができるようになると良いのだが。この辺りの機能追加など次のバージョンに期待したいところではあるが開発ポリシーとも関連する部分なので難しいかな、、、

さて、SMPD上でのDSDtoPCMダウンコンバートであるが、再生音やコントロール操作での問題等の発生は皆無。素晴らしい安定性である。ラズパイ3B+の基本的なCPU性能の高さ(並びに1368MHzのクロック固定)お陰だろうか通常のPCM音源(無圧縮FLAC)との差異はほとんど感じない。かってのALIX3D2ではDSDtoPCMのこの安定性は担保出来ていないのでやはりハードウエアの進化の恩恵は大きいと思う。

再生時に全ての出力フォーマットが176.4KHz/24bitとなってしまうということは、CDリッピング音源はともかくも192KHz/24bitのFLAC音源まで176.4KHz/24bitにコンバートされてしまうことなので、これはやはり痛恨ごと。試験段階ではまだしも、本運用においてはどのようにしたら良いのか(DSD音源はSMPD環境ではギブアップするのか)まだ方向性の決断がついていない。本来開発者が推奨していない環境、使い方をせざるを得ないのだが、これを敢えてするのも何だが我儘なような気もしてしまう、、、


4way構成の設定備忘録(2019年6月17日更新)暫定設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 -9.5* +1.0 +3.5
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -6.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 -6.0 0.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.4 94.5 88.0 89.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

630
630

1250
1250

2800
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-12 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -5.0 -37.0 +37.0 +40.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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