Symphonic-MPDを試す(その5):更新編
ラズパイの電圧低下が起こる状況にはあまり芳しい進展はなく、やはり夜の時間帯(20時~23時辺り)ではその症状の発生頻度が高まる。集合住宅故の電源事情が大きな影響要因だろうと現在は推測している。なお、いろいろと情報を集めてみたのだが、ラズパイの安定的な運用には最低でも4.8Vの電圧を維持すべしとの公式情報もあって今後の対応を思案中である。電源低下は4.63Vを下回ると把握されるようなのだが、甚だしい場合はCPUクロックが1368MHzから600MHzに低下してしまう。こうなるとちょっと安心して音楽を聴ける状態ではなくなる(当然音も劣化する)。
電圧の件は別途解決策を講じることとし、Symphonic-MPDがV0.8.19となったことを受けて、ちょっと遅いスタートであるがバージョンアップを実施してみた。本バージョンからラズパイ3B+でもマイクロSDカードを作成してそのまま起動が可能となっている由。インストール自体は特段の問題無しであるが、すぐ作業内容や設定場所を忘れてしまうので、備忘録的に実施した作業を末尾に記録しておくことにしよう。
さて、V0.8.18とV0.8.19とナンバリング的にはマイナーな位置付けであるが、前述の3B+の対応のみならず音への関与度合いも結構変化しているように感じる。何よりも出音の純度の印象に加え安定感が加わっている。これは重要なポイントだと思う。腰高にもヒステリックにもならずに極めて鮮度感、純度の高い音が飛び出してくる上に、そこで奏でられる音楽が自然で落ち着いている。安心して音楽の流れに身を任せられるのだ。このバージョンとなって、かなり高いレベルの完成度となったようにも思う。
V0.8.18ベースではその後もJPLAY FEMTOとの比較を続けてきたが、此処で云うところの音楽の安定感、落ち着きという観点ではどうしてもJPLAY側に軍配が上がっていたのだ(もちろん我が家の電源環境によるラズパイ/SMPD側の不利はあると思うが)。だが、V0.8.19ではその種のビハインド感は極めて僅差となる。コスト的な事は何回か述べてきたが、この点や操作性(注記)を総合的に勘案するとPCオーディオとしては同水準と云っても良いだろう。廉価でシンプル、かつ音の良さという評価軸は此処に来て揺るぎ無いものになったと思う。
(注記)操作性については、Web-UI(ympd)では基本的に音源に対してフォルダー操作しか出来ないので評価対象にはならないが、yaMPCやMPOD、MPADを使うことによってJPLAY FEMTOのJRMC/JRemote操作感覚を上回る。多くのSMPDユーザーは現状MPADを使う事は能わないと思うので、yaMPCのiPAD最適化バージョンが待たれる次第である。(yaMPCにはプレイキューに対して、ジャンル全曲一括投入、アーティスト全曲一括投入の機能追加をお願いしており、次バージョンの1.2ではこれが実装される想定である) もちろん構成を変えて、UPnP/DLNAコントローラの利便性を生かすという方法もあると思うが未実験。
本日バージョンアップしたところなので、継続運用における安定度の確認は未了である。現時点まででは、極稀にであるが一瞬の音切れの発生を確認している(光S/PDIFでデジチャン直結構成)が、これは当方の電源環境に起因するものかもしれない。
なお、ラズパイのケーシング、本来的には金属ケースにしたいのだがHifiberry Digi+ProにBNC端子を付けているので、Hifiberryの純正ケースには残念なことに収まらない。廉価でこれはというものがあまり無く、いつまでも裸状態という訳にはいかず結局ALLOのアクリルケースを使っている(コイズミ無線で購入)。このアクリルケースの天板と底板のみ使用して通風を考慮し、脇から空冷するというスタイルにしている。
天板と底板のみのシンプルなケーシング:右側に送風用ファンを設置
(備忘録)バージョンアップ時のラズパイセットアップ作業:
1.GPIO基板(Hifiberry Digi+Pro)の設定(/boot/config.txt)
dtoverlay=hifiberry-digi-pro
2.CPUクロックの設定(/boot/config.txt)
arm_freq=1368
arm_freq_min=1368
avoid_warnings=2
3.起動時のサウンド抑止(/boot/config.txt)
startup_sound=on のコメントアウト
4.電圧温度チェック頻度の変更(/boot/cmdline.txt)
raspberrypi.throttled_poll_sec=30 (起動時のみから30秒毎に)
5.IPアドレスの固定(/boot/etho.network)
dhcpをコメントアウトし、アドレスを設定してコメントイン
6.マウントオプションの再設定(/etc/fstab)
今回からcifsマウントオプションに「vers=1.0」と記述されるようになっている。
7.mpd廻りの設定(/etc/mpd.conf)
yaMPC、MPODなどを使うための設定を行う(以下をコメントイン)
port=6600
bind_to_address "any"
音源アクセスのため以下をコメントアウト(# Enable Direct I/O)
#direct_io "yes"
4way構成の設定備忘録(2019年6月17日更新)暫定設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
Sony SUP-T11 |
Accuton C51-286 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
110 (+17) |
93 (+0) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+2.4 |
-9.5* |
+1.0 |
+3.5 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-3.0 |
-0.0 |
-6.0 |
-0.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0.0 |
-6.0 |
0.0 |
-6.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
96.4 |
94.5 |
88.0 |
89.5 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 630 |
630 ~ 1250 |
1250 ~ 2800 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-24 |
24-24 |
24-12 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-5.0 |
-37.0 |
+37.0 |
+40.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
MPD 環境下 |
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|