オーディオ日記 第46章 幸せの音(その7)2019年6月27日


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Symphonic-MPDを試す(その3):音質比較編

環境が整い多少耳も慣れてきたことでもあるので、続いてSymphonic-MPDの音質比較をじっくりと行う。構成としては、以下の3パターンである。(Hifiberry Digi+Proを使用してのS/PDIF出力)

1.Sympnhoic-MPD、光出力でデジチャンへ直入力
2.Symphonic-MPD、BNC出力でMUTEC MC-3+USBにてリクロック
3.JPLAY FEMTO Dual、USB出力でMUTEC MC3+USBにてリクロック

テスト構成図:デジチャン後段でL-PAD型8chマスターボリュームで音量調節を行う
SMPD Sound Quality Comparison

試聴環境としては、Symphonic-MPD、JPLAY FEMTOをともに稼働させておき両方で同じ楽曲(今回は女性ボーカル系を中心とした)を再生する。切替は1.の場合はデジチャンでの光、同軸入力切替、2.の場合はMUTEC MC-3+USBでのBNC、USB入力切替である。操作系はSymphonic-MPDはiPOD上のMPOD、JPLAY FEMTOはJRMC/JRemote(iPAD Mini) の組み合わせをUPnP/DLNAコントローラとしてのみ使う、という現在常用のスタイル。JPLAY FEMTOはMinim ServerをDLNAサーバーとする。なお、一点注意しておかなければならないのは、これらの環境、操作系はどちらの場合も「推奨の環境ではない」ということ。Symphonic-MPDはシンプルなWeb UI(ympd)が推奨だし、JPLAY FEMTOはそもそもFEMTO Serverの使用が前提である。従って、我が家での利便性、操作性を意識した構成であるため、どちらもベストな再生環境とは云えない状態での試聴であることをお断りしておく。(また操作性の観点からの比較評価はしていない)なお、曲の途中で切り替えるということはせず、一曲づつそれぞれの構成でじっくりと聴いていくスタイルである。

操作系を分離しての比較試聴:左JRemote(JPLAY操作)、右MPOD(SMPD操作)
SMPD Sound Quality Comparison

この手の比較試聴に関してはとかく一本調子での優劣や好みの表現がされることも多いし、試聴環境、構成や比較手順などが明示されていなかったりもする。実際にどのように再生されているかを聴かずに、結果について表現された文字づらを読んでその内容を鵜呑みにすることは正しい認識とは思わない。従いこのように当方が感じた、という参考レベルの評価として受け取っていただければ幸甚である。

JPLAYについてはFEMTO以前のバージョンから足掛け3年程取り組んできて、その酸いも甘いもを経験してきた。当方にとってはSymphoic-MPDがここに新たに比較すべきものとして土俵に上がってきたことを自体は嬉しくもあるのだが、また複雑な思いもある。随分といろいろなソフトウェアを試し、使ってきた。一瞬で黙殺してしまうもの、四苦八苦して使ったが永くは続かなかったもの。それぞれに開発者の「良い音」に懸ける意気込みと開発の苦労が込められた賜物でもある。だが、聴き手である当方はそれらをある意味ではドライに取捨選択し、自らのオーディオ環境に取り込んで育成、熟成させていかねばならないものだと思う。

この観点で云えば、現状のSymphonic-MPDは極めて高いレベルにある。1.の光、デジチャン直で聴く音楽の何と爽やかでチャーミングであることか。先にも述べたが音の純度が高く雑味が非常に少ないことが大きな特徴だと思う。2.の構成にするとここに音楽としての安定感、落ち着きや音の粒立ちが加わる。安心、納得の音とも云える。だが、Symphoic-MPDは1.のシンプルな構成の方がその音の特徴が明確な様な気もする。2.ではむしろ生き生きとした折角の表現力が抑制されてしまう感もあるのだ。

3.のJPLAY FEMTOは流石にPCオーディオに君臨する音だと思う。マイナスポイントを感じさせる部分は少なく盤石。(気になる点があるとすれば、それは当方のオーディオそのものの表現能力の不足か音源起因のものか、そう考えざるを得ない) ただし、2.の構成とは顕著な差ではない。同じ傾向の音と云えるであろう。換言すれば、MUTEC MC-3+USBの10MHzマスタークロックに基づくリクロック機能によってある程度出音の支配が為されているような感もあって、USB接続、BNC接続の差を大きく感じるようなことはない。また敢えて云えば物量や投入コストの観点からはSymphonic-MPDが健闘どころか驚異的なレベルにある。PCオーディオでは必ずしもオーディオ業界的な経済原則が当てはまらない、と改めて思うことしばし。

なお、3.のJPLAYの環境や構成は自分なりに時間をかけて納得できるように詰めてきたものである。一方、Symphonic-MPDに関してはまだそのような知見を持ち得ておらず、ほぼ標準のまま聴いているもの。電源対応やクロックチューニング、またその他の環境面での配慮による伸びしろは当然考慮されねばならないし、それをこの先やって行こう! と充分思わせられるだけのポテンシャルがあることは付け加えておかねばならない。また、今後のラズパイの新モデルに合わせた進化への期待度は更に高まったと云って良いであろう。総合的な結論として、当面は1.の構成で常用し、あれこれと周辺のブラッシュアップを重ねてみることとした。


4way構成の設定備忘録(2019年6月17日更新)暫定設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 -9.5* +1.0 +3.5
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -6.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 -6.0 0.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.4 94.5 88.0 89.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

630
630

1250
1250

2800
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-12 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -5.0 -37.0 +37.0 +40.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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