オーディオ日記 第46章 幸せの音(その6)2019年6月26日


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Symphonic-MPDを試す(その2):検証編

環境設定と基本的な再生の確認が終わったところで、ゆるゆると各種の音源の再生検証に入る。これにはタブレット端末から(Web UIではない)の操作性の確認も含まれる。概ねのテスト内容は以下の通りである。
(環境はV0.8.18、B3+、Hifiberry Digi+Pro、光で直デジチャンへS/PDIF入力)

1.192KHz/24bit、176.4KHz/24bit等のHi-Res音源の連続再生
2.異なるサンプルレート混在のプレイリストによる連続再生
3.再生途中での順送り、ランダム送り
4.再生中のキューへの追加投入(曲、アルバム一括、アーチスト一括、ジャンル一括)
5.プレイリストの投入、クリア、再投入

(気が付いた点:実際のところ些末なレベル)
1.瞬間的に負荷が高まる状態が起きると、音切れが発生するリスクが高い。
 yaMPCあるいはMPADなどで新たにプレイリストを作成する目的で、数千曲を一時にプレイキューに送り込もうとする時(ジャンル一括投入など)に発生する。Web UI以外は推奨操作環境ではないが、yaMPCやMPADとの連携による若干の負荷が影響しているものと推測される。
2.起動後の最初の再生で音が切れて始まる時がある。デジチャン側のロックの遅れだけの原因では無いようにも思われる。

(注記)
ラズパイの稼働中の温度はかなり高くなるようで何も対策しないと55℃程度になっている。これから夏場に向かい、長時間音楽を聴くこともあるので一番簡単な対策として空冷での対応を行うこととした。これにより45℃程度を維持できるので、少しは安心かも。

PCオーディオにおいて「音質、操作性、安定性」という三本柱を評価の主軸としてきたのだが、(まだ長期ランニングでの評価はこれからであるが)現時点でのSymphonic-MPDの総合評価はかなり高いものとなる。当初若干気にしていたのは安定性であるが相当に「Stable」であるとして良いと思う。操作性に関しては残念ながらWeb UIは当方にとっては評価外であるが、yaMPCあるいはMPADを使うことによって充分な合格点となる。また、yaMPC自体も近々1.2にバージョンが上がり、iPADに最適化される見通しがある点も心強い。UPnP/DLNA環境でのコントールポイントアプリの操作とは機能的には大きな違いは少ないのだが、SMPDと連携して稼働している際の反応のシャープさが異なるのだ。(これは環境的にもUPnP/DLNA構成ではやむを得ないものと考えてはいるが) 

そして、何よりも重要なのは「音質」である。この評価が低ければ他がいかに高得点であろうと、常用して使うという選択肢は無くなる。音の面では当方は大体が懐疑的なところからスタートする事が多い(悪い性格かも?)。つまりところ、魔法の箱というものは世にはあんまり無い、という認識が先にきてしまうのだ。だから、世の風評に背を押されて試してはみるが、結果としてなかなかに満足できることは少ない。だが、これは!? と思うものに巡り合えた時はそれを徹底的に使いこなすよう努力し、惚れ込んでしまう面もある。

Symphonic-MPDはまだ進化の過程にある、と云ってもいいのかもしれない。だが、それは「低レイテンシー」の追及という理論的な裏付けによって着実に積み重ねられ、積み上げられた来たものだと思う。その結果としての音がここにある。

我家のPCオーディオ環境では従来からほぼUSB接続のスタイルであった。USB接続が一義的に劣るということは無い、と今でも考えているが、十全なパフォーマンスを期待する上ではいろいろな対策が不可欠。結果として構成や環境が重厚長大となってしまっている反省面もある。そして今回のSymphonic-MPDはI2S/SPDIFという当方にとっては目新しい構成。ましてラズパイという頼りないほどの小さな箱。同じMPD系の再生環境をいくつか保持しているが、やはりUSB経由の音とI2S/SPDIFの音には差があるように実際に感じている。(ある意味では新鮮さを感じているだけじゃないか、という自問もある))

最終的には好みという直感的な選択ということになると思うが、間違いなく当面の主役はSymphonic-MPDになりそう。ただしI2S/DACの構成ではないため、DSD音源の扱いにおいては、我家では課題が残る。ラズパイ3B+ではDSDtoPCMダウンコンバートを行わせる性能上の限界もある。(何よりPCMを含むすべての音源を一律のサンプルレートにせざるをえないのは課題)

だが、この辺りは新しくラズパイ4という処理能力がアップしたプラットフォームも出てくるというニュースがあり、ソフトウエアとしての進化はそれに合わせるように止まらないであろう。それを見て行きたいと思うのだ。また、常用する上においては本来は電源系の対策など不可欠と思うのであるが、今それを早急に手当てするのではなく、ラズパイ4に合わせて対応を考えた方が良さそうだと感じている。


4way構成の設定備忘録(2019年6月17日更新)暫定設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 -9.5* +1.0 +3.5
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -6.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 -6.0 0.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.4 94.5 88.0 89.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

630
630

1250
1250

2800
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-12 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -5.0 -37.0 +37.0 +40.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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