Symphonic-MPDを試す (その1):環境設定編
ラズパイ廻りのお作法が何となく分かってきたところで、ターゲットとしていた
Symphonic-MPD
にいよいよ挑戦である。もちろんSymphonic-MPDの内部の詳細などはまだ全くと云っていい程理解は出来ていないのだが、音を出すまでのところや若干の環境面での対応は何とかなるかな? と考えてのスタートである。
のっけから躓きである。ラズパイ3B+ではダウンロードしたイメージをマイクロSDカードに焼いても起動しない。既に3B+でも稼働している、との情報はあったのだが、やはり3Bまでしか動かないのだろうか? 手順など間違っているかもしれない、と数回トライするが同じ。窮して掲示板にてヘルプを求める。すかさずメンバーからレスポンスがあり、3B+でも稼働するが、初期インストールのためのイメージファイルが現時点では未だ3Bまでしか対応してないとのこと。あらら、困った。当方は3B+しか持っていないのだ。
さらにヘルプの手が差し伸べられる。掲示板に最新版の起動可能なマイクロSDカードイメージを誰か提供してあげてくださいと。そしてその救いの神もすぐに現れる。大変ありがたいことに、半日もかからずでこのトラブルシューティングが終わってしまった。インターネット時代の同好の士の集まり、そして情報共有というものはこんなにもありがたいものだと、改めて感謝感激である。
多少の紆余曲折もあったが、設定を終えて早速音の感触を確かめる。非常に音の純度が高い。もやっとした感じは全くない。とても素直な出音でこれは好みである。案外これは難しいことだと思うのだが、スッキリ感と充実感の両方を兼ね備えている。
経路は光でデジチャン直入力である。まだ電源対策やケーシングは未完。それでも評判通り相当の音だと思う。この音であればリクロックなどの余分なことをしなくてもこのシンプルな構成で充分に音楽が楽しめそう。現状はCDリッピングの評価用音源程度の試聴のため、充分な聴き込みはこれから、Hi=Res音源による安定性テストも不可欠。まだまだ序盤、取っ掛かったばかりである。楽しみは続く、、、
(参考)実際の設定の手順や内容など詳細は備忘録的に下記にまとめた;
1.NASの設定
実際の環境設定であるがNASの設定でも躓いた。Symphonic-MPDは初期設定としてNASのアドレスなどをWeb UIから設定してあげるとNASをマウントするための/etc/fstabの記述が自動生成される仕組みである。そこで自動生成されたマウントのオプションがエラーとなってしまうのだ。これは当方の環境独自のものであるが、NAS代わりにWindows Serverを使用しているため、予め用意されているマウントオプションではダメなようなのだ。
そこで、/etc/fstabを直接編集して、エラーとなるオプションをチェック、書き換えた。Windows Server (2012R2)の場合は、vers=1.0の指定でないとマウントはできるのだが、音源の読み出しがうまく行かないようだ。(正確な理由は現状不明:本件解決、注記参照)
(生成される内容)
//192.168.x.xxx/MusicFiles /var/lib/mpd/music/NAS cifs ro,noauto,x-systemd.automount,sec=ntlmssp,vers=2.17300,cache=none,iocharset=utf8,username=xxx,password=xxx 0 0
(書き換えた内容:上記をコメントアウトし、以下の行を追加する措置)
//192.168.x.xxx/MusicFiles /var/lib/mpd/music/NAS cifs ro,vers=1.0,noauto,x-systemd.automount,cache=none,iocharset=utf8,username=xxx,password=xxx 0 0
(注記:2019年7月17日更新)
本件はテストしていたSymphonic-MPD V0.8.18の問題と判明し、最新のV0.8.22では修正されている。従い、fstabを書き換えなくても音源のマウントは自動的に行われる。
2.タブレット端末からの操作環境
操作環境であるが、Web UIであるympdでの操作は率直に云って当方はほぼ受け入れ不能。このため、音の観点からは推奨環境ではないらしいのだが、タブレット端末からMPDクライアント(yaMPCあるいはMPADなどの)で操作できるようにした。これは/etc/mpd.confでの設定でportとbind_to_addressのコメントアウトを外すだけ、簡単。
タブレットからの操作ではアルバムカバーアートの表示に手間取ることもあるので、心して掛かる。yaMPCを使うと、タブレット端末側でカバーアートを要求する時に生成されるURLの内容が設定時のチェック項目にあって一発で判るので非常に便利。(MPADでも把握は可能)
(生成されるURLの例)
http.//192.168.x.xxx/NAS/FLACMusicFiles/Fourplay/Heartfelt/Folder.jpg
(注記)上記の例では「NAS」というディレクトリがSymphonic-MPDの標準となっているため、yaMPCなどでのカバーアート取得のための設定は「http://192.168.x.xxx」とIPアドレスを指定するだけで良い。音源をマウントした時のディレクトリ直下のフォルダー名(ここではFLACMusicFiles)およびそれ以下のアーチスト、アルバム名、Folder.jpgはMPDクライアント側で自動生成される。なお「NAS」が固定のため、サーバーPCを直接参照する方式はIISのルートディレクトリを「NAS」に変更しないと対応できないので、現状はSMPD(ympd)経由の参照としている。
3.IPアドレスの固定
Web UIが前提であれば敢えて固定する必要もないと思うが、yaMPCなどのMPDクライアントからの操作の場合はアドレス固定とした方が何かと使い易いということが経験上からもある。これはラズパイでは/etc/dhcpcd.confに通常は設定を行うものなのだが、同じ方法で良いかな? 為念、Symphonic-MPDのホームページをチェックしたら、Q&Aに記載があった。/boot/eth0.networkの編集であった。(この辺りはディストリビューションによって方法が変わるので要注意かも)
4way構成の設定備忘録(2019年6月17日更新)暫定設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
Sony SUP-T11 |
Accuton C51-286 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
110 (+17) |
93 (+0) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+2.4 |
-9.5* |
+1.0 |
+3.5 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-3.0 |
-0.0 |
-6.0 |
-0.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0.0 |
-6.0 |
0.0 |
-6.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
96.4 |
94.5 |
88.0 |
89.5 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 630 |
630 ~ 1250 |
1250 ~ 2800 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-24 |
24-24 |
24-12 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-5.0 |
-37.0 |
+37.0 |
+40.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
MPD 環境下 |
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|