オーディオ日記 第44章 理想と現実の距離(その15)2019年3月28日


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バッフル効果とインライン配置:セラミックドームへの挑戦(その5)

率直に云えば、このような見かけの悪い状態というのはあまり好きではない。

だが、このC51というユニットのテスト、評価に於いては避けて通れない課題なので何はともあれ、簡易的なバッフルを作り併せてインライン配置で試聴できるように「やっつけ」で対応した。将来的にはちゃんとしたエンクロージャを用意するなりしてあげたいとは思うのだが、最終的な設置や用法、設定を決めるためには見栄えが悪くてもそれは多少我慢して急ぎ環境を整えるしかない。元々全く器用ではないので工作など苦手なのだが、、、

見た目のバランスとしてもベリリゥムツィータのフランジがC51のアダプターフレートよりも大きいのでバランスが悪いことこの上ない。やはりC51と一緒に使うツィータとしては、25mmのセラミックCELLかダイアモンドの20mm(高価なので全く無理なのだが、、、)をC51の上に乗せるほうがサイズ的にも見た目のバランスとしてもしっくりくるな~とどうしても思わざるを得ないのだ。

簡易的なバッフルとインライン配置:(未塗装のバッフルでみっともない)
Accuton C51 Test

この配置で試聴を行うことの難点がもうひとつある。それは高さである。FPSのスタンドが70cmあるため、C51とツィータを積み重ねるとリスニングポジションに対してスピーカユニットの位置が高くなりすぎてしまう。高さとしてはあと20cmは低くする必要があるだろうと思う。だが、現在のスタンドはスチール製のポールのため、切断して低くするような単純な対応はできず交換する以外に無さそうなのが難点。

現時点ではテストと割り切ってはいるのだが、、、実はこの配置で聴く音がかなり良いのだ。その為にどうしても「欲」が出てきてしまうのだと思う。バッフル効果とインライン配置の恩恵を別々に評価することは出来ていないのだが、この設置スタイルでは奏でられる音楽の密度感が高まっている。それにも係わらず音の広がりとサウンドステージ感は以前の配置よりも増した感じがする。見掛けについてこれだけのディスアドバンテージがあり、心理的にもちょっとな~と思っている状況なので、音についての余計なプラシーボはないと思う。

また、従来感じていたC51の音の軽い感じはクロスオーバー周波数を800Hzから1250Hzへ上げていることも関係していると思うが随分と解消されている。当然ながらこれにはバッフル効果も考えられるので、OMNI Micでの測定によってクロスオーバー周波数を再度調整することになるかもしれない。また、現時点の音であればユニットレスポンスの補正はいらないかもしれない、とも思う。ミッドローに使用しているFPSは周波数帯域もかなり柔軟に使用できるユニットなので1250Hzまでクロスオーバー周波数を上げたことによるデメリットは今のところ特に感じていない。音楽の密度感が高まったように感じられるのはこのクロスオーバー設定の変更の影響の方が大きいのかも。C51の高域側のクロスオーバーは4000Hzで少し高いかと思うところもあるので、ベリリゥムツィータとの繋ぎに関しては今後更に詰める必要があるだろう。2800Hzから4000Hzの間位で試行錯誤となろうか。だが、現在の4000Hzでも「これでもいいんじゃないか?」と思わせられるような音場感があるので、下のほうのクロスオーバーを1250Hzに上げた分、上はこの程度で良いのかもしれない。

さて、現時点で、どうこのユニットを評価し、今後のプラン展開のベースとするのか。そこがポイントなる。もし、配置バランスなどを考慮して25mmセラミックCELLツィータを考えるのであれば、ベリリゥムツィータはSONY SUP-T11とのペアリングで使用する前提で、メインエンクロージャの上に戻せば良い。視覚的にはその方が安定すると思う。そういう観点からもC51の使用に際しては新たなツィータユニットを含めた「在り様」を考えたくなってしまうのだ。もちろんさらにツィータの導入となると軽々には方向性を決められないものとも思うが、やはりAccutonのユニットのポテンシャルを実感するにつけ、その方向にさらに拍車を掛けたくもなってしまう。自制も必要なんだろうとは思うが、、、20mmダイアモンドもイメージとしてチラつく。何だか夢に出て来そうで心配だ。

全体レイアウト:(未塗装ではみっともないのでちょっとお化粧した)
Accuton C51 Test


4way構成の設定備忘録(2019年3月28日更新)Accuton C51-6-286対応設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Accuton
C51-6-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 93 (+3) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.5 +0.7 +1.7 +4.0
 
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -3.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.5 90.7 85.7 86.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1250
1250

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -13.0 -0.0 +0.0 +1.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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