オーディオ日記 第44章 理想と現実の距離(その10)2019年3月8日


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ユニットの個性について:セラミックドームへの挑戦(その3)

スピーカーシステムの音を全体として捉えて聴き、その音が自分の好みとあうかどうかなどと評価することはそこそこできてきているような気もする。今までに名だたる多くのスピーカーシステムを機会のある度に聴いてきた、という経験も多少は役に立っているのだろうとも思う。だが、それはあくまでも自分の好みとしてのストライクゾーンとの関連であり、絶対的な評価が出来ているとは云い難い。再生に使用されている機器の全体構成、部屋を含む環境、そして音源に引きずられての判断になってしまうことも多い。

また、たくさんのオーディオファイルに垂涎のマルチアンプシステムを拝聴させていただく機会も結構あるのだが、全体として音を捉えることはできても、そこに使われている個々のユニットに至るまでの評価が正確に自分で出来ているとはなかなか思えない。スピーカーユニットは時に設定や環境など使われている状態によって相当に異なる音を出す。それが本来の音か、本領をちゃんと発揮できているのか、冷静冷徹に見極めることは当方にとっては至難でもある。

だが、そのようなユニットの評価や取捨選択の中でしか究極の自分の音にはめぐりり会えない。そしてその音を探そうとしてマルチアンプシステムにもずっと取り組んできた。個々のユニットを限界まで活かそうとすればやはりこの方法しかないのだと。その中で自分にとって本当の宝石となるスピーカーユニットを探し当てねばならないのだ。

迷いの中でテスト中:
Accuton C51 Test

今、Accuton C51-6-286というセラミックドームユニットを前にして、心は千々に乱れている。このユニットをどう評価すべきなのか、、、と。もちろんまだ十全なエージングも終わっておらず、4wayマルチアンプとしての設定もこれで納得、というところには至っていない。だが、それでもその片鱗を窺うことは充分にできる状態にはなっていると思う。当初想定していた受け持ち帯域は800~4000Hzなのだが、やはり口径が50mmのユニットなので、800Hzではレスポンスレベル的に厳しいところがあって現在は1250Hz~4000Hzを担当させている。所謂セラミック的な音がするのでは?ということは全くの杞憂に終わっている。もちろん音の個性や傾向はあって明るく軽やかな感じがすること、それはファーストインプレッションからほぼ変わらない。音の広がりや透明感も期待通り。エコー成分が飛び散るようなイメージがあってとても心地良い。

そう、良い事尽くめでもあるのだが、、、一方で音楽の持つオーラや幽玄さが表現できているか?と自問することもしばしば。音楽の表現と良い音とは同義ではないのか? という疑問である。SONY SUP-T11と比較しても質感において全くの遜色が無い。S/Nも極めて良いと思う。だが、ほの暗い闇の気配の中から聴こえてくる心が震撼とするほどの音楽の表現はなく、そこにもどかしさがある。そう、明るく、そして軽いのだ。だからBGM的に聴き流すような音楽にはぴたりと嵌る。だが、音楽には情念があり、葛藤も怨念もある。魂の叫びもある。暗くどろどろしたものだってある。音楽は綺麗なだけではない。このユニットの音を聴きながらそういう想いが拭えないのだ。

翻って、SONY SUP-T11(受け持ち帯域は800~4000Hzとちょっと異なるが、他のユニットの設定は全く同じ)はどうなのかと問えば(自分的には)、圧倒的な静寂の中から音が生まれて来る。音楽が浮かんでくる、そして稀有なことではあるのだが魂の琴線に触れる音楽が提示されることもある。そういう印象とイメージなのだ。だが、音に浸透力がある分時に厚く重い。決して晴れやかとは云えない表情もある。

これはこの二つのユニットが持っている根源的な性格の違いなのだろうか、それともまだ設定を含む使い方が悪いのか。もちろん今までの経験からすれば決して同じ音がするユニットは無い。無個性のように思えるユニットでもそこにはしっかりと自己主張がある。それが音楽表現として微妙な差を醸しだして来て、そこに自分としての好き嫌いという感情の入り込む余地がある。曰くスピーカーやその他の機器の変更によってよく聴く音楽が多少変わってしまう、という話もある。だが、自らの個性で音楽を覆ってしまうようなスピーカーあるいはユニットは好ましくないとも思う。あるいは、複数のスピーカーシステムを持っている場合それぞれのスピーカーが奏でる音は自ずと似てくることがあると、故菅野先生も仰っていたようなことも。好みとして周波数バランスは類似してくる可能性はあるとは思うのだが、ユニットの個性までが均一化することがあるものなのだろうか。真に無色透明のトランスデューサーとしてのスピーカーなどは存在しないと頭では理解しているのだが、それを求めたくなる自分が見える。そのようないろいろな想いが結果として交錯してきてしまう、、、

早急に結論を出すような必要も無いのだが、ふたつのユニットの良さを認めた上でこの音楽表現の差に戸惑っているのも事実。モーツアルトの音楽に関して云えば、明るく軽い感じがしながらも思わず涙の滲んでしまうような曲調のものが結構好きなのだ。だが、マーラーのような暗い情念の表現があってこそ音楽は美しくもなる、教会音楽は時にほの暗くそこに僅かな光が当る瞬間に天上の調べが生まれる。このような音楽をワンアンドオンリーのスピーカーシステムで表現することが理想でもあり、それが自分にとって究極のマイベストサウンドになるはずだと思っている。

まだ手にすることができていない至高のユニット(50mmダイヤモンドユニット?)があるのかもしれない。もちろんそういう想いも拭い去ることはできない。だがあれこれ考えるよりはまず現状のこのユニットのベストパフォーマンスを引き出してからでなければ次のステップには行けないとも感じている。

(閑話休題)

YAHOOブログがサービスを中止するとのこと。よく拝見させていただくオーディオ関連のブログはこのサービスを利用しているものがほとんどである。この先それぞれ別のサービスに移動していくものと思うのだが、こちらとしても移動先に注意しておき、新しいURLをタイミング良くブックマークしなければならない。しかし、このようなサービスを「勝手に中断」というのはやはり世の顰蹙を買うものと思うし、企業としての社会的責任に対する姿勢も問われるのではないだろうか。

当方も今でもYAHOOブログの 開始ページ だけは残してあるのだが、もう少し構成や内容の自由度が欲しいと思ってかなり早いタイミングで使用停止した。老化防止?にと自分でHTMLを記述してブログページにしており、ホームページ作成ツール等は使用していない。HTML自体はあまり難しいものではないので、最初にブログ全体の構成を考えて、それに合わせるようにパーツを作成しておけば、後はそのパーツに日記の内容を追加記載してアップロードすればいいので、まぁ面倒と云えば面倒ではあるが、これだけならツールを利用する場合とあまり変わらない。

だが、HTML自体もバージョンにより個性があって、文法ルールも若干違うため同じ記述であっても大丈夫であったりエラーなったりしてしまう。同様に見る方のブラウザーの違い、バージョンの差によっても見え方が若干変わってしまったりもするのだ。大抵のブラウザーではページを見ているときにそこで右クリックするとそのページのHTMLを表示させることが出来るようになっている(ページのソースを表示)。そこで赤く表示されている部分があれば、それがブラウザーによってエラーと認識されている記述である。(ただしエラーの程度にもよるが軽微なものであれば問題なく表示されてしまうことも多い) また、 HTML文法チェックサイト というものもいろいろあって、そこでかなり詳細な文法チェックや文法の点数付けなどもしてくれる。当方はこのような手法で一応のチェック確認を行っているのであるが、基本はPC用ブラウザーを意識して構成を決めたので、所謂スマホ対応ができていない。

PCとスマホでは表示可能な画面の大きさが全然違うので、あまり細かい文字や文字数の多い記載は歓迎されない。またスマホでは機種によっても画面サイズが異なり、縦あるいは横で見ることも意識しておかねばならない。スマホでは基本的に簡単に表示そものを拡大、縮小する機能があるので、当方の現状の表示スタイルでも見ることは可能なのだがやはりビジーな感じは否めない。同じホームページでもPCから見る時と、スマホから見る時では全く違う見え方になるように対応しているサイトも既に多い。スマホ向けに全面的に作り直す方策も無くはないのだが、結構この作業はしんどいし、HTML自体の文法ルールも最新のものが必要となる。(その観点で云えば、当方の書いているHTML自体は最早古語なのかもしれない、、、)

また、Googleではおせっかいな「Search Console」という機能があって、自分のブログの検索状況や表示のされ具合を確認できるのだが、最近はスマホ対応ができていないと「モバイルフレンドリーではない」と云われて怒られるだけではなく、検索でも優先順位を低くされてしまう。この他にもGoogleは検索順位があがりますよ、といいつつ自社の検索エンジンにとって都合の良い設定をどんどん入れさせようとするのだ。やれやれである。自分自身の記録として書いている部分もあるのであまり頑張って対応しようとは思わないのだが、最低限の対応はしておかねばならないだろう。正に老化防止(痴呆対策?)の所以である。ホームページ作成ツールを利用する方法に変えるという手段もあるのだが、まぁ内容が内容なのでそこまでする必要があるのかどうか、、、


4way構成の設定備忘録(2019年3月8日更新)Accuton C51-6-286対応設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Accuton
C51-6-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 93 (+3) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.5 +0.7 +1.0 +4.0
 
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -3.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.5 90.7 85.0 86.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

180
180

1250
1250

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 -0.0 +2.5 +5.5 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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