オーディオ日記 第43章 求め続けた音のかたち(その10)2018年11月22日


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さて、JPLAY FEMTOの音と構成である。我が家での最終的なPC構成として落ち着かせなければならない。Single PCかDualか、minim serverかFEMTO Serverか。最終的な決断は音がすべてと思うが、極楽PCオーディオとしての操作性も譲れない、、、

Audio PC側はJPLAY FEMTOにしておけば、JPLAY 6.2、FEMTOのいずれからでも使える、との情報に後押しされて、Core化を実施して構成決めのための比較試聴を行うこととした。(JPLAY Serviceの部分の変更はあまりないだろう、という推測に基づき)

かくなれば、最初にじっくり聴かなければならないのはDual PC構成にてFEMTO Serverを使用するという謂わば本来の構成。Control PCもCore化ができそうなのであるが(推定)、ここはGUIモード、、、(これを書いていて気が付いたがSingle PCでのCore化は試していなかったな~)



好き嫌いは人それぞれあるのだろうと思うが、この構成の音はとにかく高解像度、シャープ。音がぴんぴんと立っている。このため、やや腰高に感じる部分もある。しかし、低域が削げてしまったような感じにはなっていないので、全体のバランスは崩れてはいない。音源によってはオーラ感が凄く、高音質な音源では本領を存分に発揮する。その一方で普通の音源や多少古い懐かしの音源でもはっきりとした音(滲みのない音とも云える)を認識できる。だが、フォルダー単位でしか選曲ができず、それもアルファベット順には表示されない、という大きなマイナスポイントがあるので、常用には向かないな~とため息をつかざるを得ない。

(2018年12月1日訂正)
FEMTO Serverによるフォルダー表示について改めて確認したところ内蔵SSDの環境であるがアルファベット順(ABC、ひらがな、カタカナ、漢字の順)になっていることを確認した。謹んでここに訂正する。修正版によるものか、内蔵SSDの場合のみなのか、あるいはフォルダーアクセスの度に内部でソートが段々と進むのか現時点では確認できていない。(訂正終わり)

minim serverを使用するケースとの比較。まずはTranscode設定にてFLAC44.1KHz/16bit音源をWAV44.1KHz/24bitに変換(SoX経由)して送り出すスタイル(6.2で常用している環境と同じもの)。うん、、、これはいつもの音とそれほど変わらない。安定感や落ち着きがあり、弦などはこちらの方がいいかな、とも思わせる。だが、FEMTO Serverの音と比較してしまうと、ある種のもどかしさが出てくる。感覚的な要素が多分にあるのだが、主に高域方向の聴こえの違いがある。リバーブやエコー感の分離具合とその質感。FEMTO Serverで聴けるある種のオーラ感ともいえる部分の再現にちょっぴり不満が出るのだ。FEMTO Server恐るべし!

だが、何度も書いているように、フォルダー検索しか出来ないFEMTO Serverを常用で使う気には決してなれない。外部プレイリストもJPLAYminiからしか使えない。お気楽環境のための機能をすべてそぎ落としてしまっているのだ。しかし考え方を変えれば、Control Pointからのサーバー選択だけで、この音に切り替えられるという大きな利点が備わっている。このため、再生にベストを求めるような聴き方の時は、こちらで聴けば良いのだ。

一方で、外部プレイリストをランダム再生させるという使い方において、もうちょっとJPLAY FEMTOらしさを出せぬものか、つらつらと考えてみた。サーバーだけでこのような違いがどうして出るのか、という点である。そもそも、JPLAY FEMTOにおける音楽再生のための機能がどのように配置されているか、ここを少し紐解いてみなければなるまい。

FEMTO Server: 音源の読み取り
JPLAY FEMTO: サーバーから受け取った音源の変換と出力先への送り出し
JPLAY Service:(Control PC)Audio PCへの送り出し
JPLYA Service:(Audio PC)USB DDCへの送り出し

FEMTO ServerはJPLAY環境において「最適化」されているという表現はあるのだが、そこには具体的な記載はない。Control PCという一台のPCの中で、サーバーに対するJPLAY FEMTOのインターフェースが相手によって異なる、という仕様は考え難い。JPLAY FEMTOのハイライトとしてはFEMTO Serverであることは間違いないのだが、もう一点、ファイル形式の変換をJPLAY FEMTO自身が行うことにもある。この点に注目して考えてみた。(音源はFLACとDSFに統一している)

当方はJPLAY 6.2環境では、あれこれ研究して、SoXにファイル変換をさせてきた。SoXは音源のファイル形式の変換が優秀であり、それを最高品質のオプション設定で使っている。だが、そこに差があるのか? JPLAYの開発陣が、この変換処理を自前で行うことを決断したのは、推測であるとしても「何らかの理由」があるはず。もちろん多くのケースにおいては、この変換処理自体を自分で開発する訳ではなく、そのような外部モジュールを利用するのが普通だが。

確認するには、minim serverでのFLAC~WAV変換処理をやめて、JPLAY FEMTOに任せてしまえば良い訳だ。当方は、DSD音源を「On the FLY」でWAVに変換し、デジチャンにデジタルインプットする環境を作りたいこと、これを主目的としてこの環境構築をしてきた経緯がある。DSD音源については従来通りとしても、FLAC音源についてはJPLAY FEMTOに変換を任せてしまうやり方がTranscodeの書き方ひとつでできる。

(参考)DSF形式のみ、176.4KHz/24bitに変換して送り出す設定(括弧内を消去)
    DSF:wav24;176;    (flac:wav;,flac(<24,96):wav24;,mp3:wav24;)

(注記):
JPLAYの日本語公式ページにはtranscodeをはずす旨の記載があるのだが、それは再生の安定面からのものと理解して、変換品質やまして「音質」の観点での影響は考慮していなかった。

さて、minim serverで、JPLAY FEMTOに変換(FLAC音源)させた場合の音は? なるる~全く同じとまでは断言できないのだが、少なくともFEMTO Serverを使用した場合に比しても遜色のない音がする。オーラ感たっぷりの音が戻ってくるようなイメージなのだ。これはプラシーボか? 実態か?  しばし悩む。変換精度の問題か? いや、それはないはず。となると、minim serverでの変換がffmpeg経由SoXを呼び出すという長いパスで行われているからか? あるいはメモリ上での変換の有無か?

あれこれと推測してみても、本当のところは所詮素人考え故、いくら頭をめぐらせても結論は出ない。判るのはここでの出音の差だけである、、、ただこれもファーストインプレッション、という落とし穴があるので、もう少し長時間聴き込まねばならないと思っている。

改めて悩ましくなるのはDSD音源の扱いである。SoXにてDSDtoPCM変換させる方式がこのJPLAY FEMTO環境では必ずしもベストではない、ということが確定となればこの課題はまた振出しに戻れである、、、

(参考)外部プレイリストについて:

m3u8形式の外部プレイリストについては度々言及しているが、以下に示すようなテキストファイルである。それを簡単に作るにはちょっと工夫もいる。最近当方が作成に利用しているのはTuneBrowserという音楽再生ソフト。このTune Browserには作成したプレイリストをm3u8形式にて書き出すという大変便利かつ珍しい?機能(外部プレイリストファイルとして名前をつけて保存)がある。これで簡単にホイホイと作れる。そして、この外部プレイリストをフォルダーにまとめ、minim serverの音源ディレクトリに+ボタンで追加してあげれば良い。後はコントロールポイントにて適宜選択、投入してあげれば良い訳だ。

(中身):
「#」で始まる行は基本的にコメント扱い。要は、音源がどこにあるかを示しているだけのもの。

#EXTM3U
#EXTINF:307,Mozart - Divertimento in D major KV 136 - Andante
D:\MusicFiles\Mozart\Divertimento Complete-CD01\02-Divertimento in D major KV 136 - Andante.flac


4way構成の設定備忘録(2018年11月10日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 +0.7 +1.2 +7.0
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -4.5 0.00 -10.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 92.5 90.7 89.2 88.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

315
315

710
710

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -11.0 +26.5 -38.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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