オーディオ日記 第43章 求め続けた音のかたち(その11)2018年12月2日


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あれこれとJPLAY FEMTOで遊び倒しているのであるが、この新バージョンが当面は我が家のPCオーディオの主役になりそうである。だが、使い勝手という面ではまだ若干のもどかしさが残っている。これを何とかしたい、、、

FEMTO ServerとMinim ServerをControl PC上で並列稼動させて、その時の気分と音楽の聴き方で使い分けることができるので、この点はある程度納得もしたしすっきりできたと思う。基本はMinim Serverを使用している時でも、JPLAY FEMTOにFLAC音源の変換を任せてしまい、DSD音源のダウンコンバートのみSoX経由で行うというスタイルである。(従い、我が家ではDSD再生はMinim Server使用時のみ)

もどかしさの部分はリモコンソフト(Control Point)である。当方はiPADユーザーなので、mconnect Player HDがまぁまぁベターかなと思っている。特にiPADをスリープさせた状態でも再生が継続すること、その場合電源ボタン(あるいはスタートボタン)のワン・プッシュで現在再生中の曲が確認できたり、スキップできることは大いに評価している。

だが、このmconnect Player HDでも、時にJPLAY FEMTOを見失ってしまうことが起きる。レジストリにFEMTO ServerアドレスやHostアドレスを設定することによって大分頻度は下がったが皆無ではない。また、他のアプリでWeb閲覧などをしていると、JPLAY FEMTOを見失ってしまうことが若干多いようにも思える。これは無線環境の良し悪しも案外影響していると思うのだが、このようなことが起こると、再度再生をキックしてあげねばならないし、このために夢うつつで聴いていた状態から覚醒させられるのは何よりも困ったもの。

Control PC上で稼動させるupplayであればこのような困ったチャンは起きないのだが、ちょっと曲の確認、あるいはスキップという時の操作がiPADからではリモートデスクトップ操作になってしまうので、これも何とももどかしい。ベターではなくて、ベストのリモコンソフトが欲しいのだ。

そこで、ふと思ったのがJRemote。このリモコンアプリはJRiver専用なのであるがその操作性は一級品(ビジュアル的にはちょっとビジーな気もするが)と評価している。これをJRiverとの組み合わせて、Control Pointとして「のみ」使ったらどうなのだろうか? JRiverはDLNAレンダラーもメディアサーバーも自在に選択することが可能なので、JPLAY FEMTOをレンダラーに(これは既に実験済み)して、サーバーにMimim Serverを選択しておけば良い筈。先にJRiverとJPLAY FEMTOのテストを行ったときは、JRriverそのものをサーバーとして選択していたので、ハイレゾ音源が倍速再生されるとという事象があって、その対処方法が判らずそこで諦めていた経緯があるのだが、これをもう一歩進めてみようという訳だ。

まずは、JPLAY FEMTO Dual PC構成とは別のPC(Windows 10)にてJRiverを起動し、出力先(DLNAレンダラー)をControl PC上のJPLAY FEMTO、ライブラリー(メディアサーバー)を同じくControl PC上のMinim Serverという選択しておく。あとはJRemoteからの音源選択、再生指示。成功! このスタイルではハイレゾ音源が倍速再生になってしまう事象も起こらずこれなら使用に耐える。さらにDSD音源に対しても、Minim Server(+Sox)におけるDSDtoPCMのダウンコンバート設定が生きるので、当方の使用環境においてはこの点も合格。

JRiver自体は外部プレイリストの取り込み、ランダム再生もサポートしているので、確認してみたが機能的なところは万全とも云える。リモコン操作はiPAD上のJRemoteから行う訳だが、Control Pointとしての機能自体はPC上で稼動しているJRiverが担うので、JPLAY FEMTOを見失うということが全く起きない。もちろん、iPAD上のJRemoteをスリープさせても停止させても何ら問題がない。長時間操作しないと思える時にはiPADの電源を切ってしまっても差し支えないのだ。(PC上のJRiverは停止させては駄目であるが)

(注記)
原理的には、Minim Serverの代わりにFEMTO Serverを選択することもできるのであるが、Dual PCとは別のPCにてJRiverが稼動している時はFEMTO Serverの音源を読み込めない。この辺りには何か微妙な課題があるかもしれない。

JPLAYとJRiver、、、、古来あまり仲は宜しくないらしいのだが、この組み合わせでの操作性は当方の目指す「極楽PCオーディオ」の観点からもほぼ合格と云える。現在はControl PC上でJRriverが稼動できるようにして最終的な音質テストを実施している。基本的にはJRiverは起動だけしていれば良いので、デスクトップ上での操作は一切ない。(あらかじめ外部プレイリストは読み込ませておく必要はあり)また、スタートアップに入れてしまえば自動起動もできるので、モニターレスの運用にも支障がない。多少気になるのはJRiverを稼動させることによるControl PCの負荷ならびにプロセス数の増加である。厳密に考えれば音への影響が無い訳でないと思うが、、、

これで、JPLAY FEMTO Dual PC構成に於いて、

①FEMTO Serverを使用する音に注力した環境(mconnect使用)
②Minim Serverを使用するお気楽環境(mconnect使用)
③Minim Serverを使用する「極楽」環境(JRiver+JRemote使用)

という3種の再生ならびに操作環境ができた訳だ。JPLAY FEMTOのバージョンアップ以来一ヶ月近くあれやこれやと試しつつ遊んできたが、これでやっと環境的には落ち着くであろうか。

(参考)JRiver Media Centerの設定画面:

(設定詳細)
1.メディアネットワーク設定の詳細にて、「DLNAコントローラ」のみ有効にする
 (サーバー、レンダラは停止。なお「オーディオ専用モード」とすることを推奨)
2.DLNAサーバの設定、オーディオの項にて「モード:オリジナル」を選択

(注記)
テスト中に一点だけ問題があった。ハイレゾ音源を普通に選択して再生させる分には問題ないのだが、外部プレイリストにハイレゾ音源が含まれている場合、その再生は倍速早送り状態となってしまうということ起きた。これはJRiverのかなり細かいオプションなのだが、DLNAレンダラーに送り出す時のフォーマットを「変換しない」という項目(上記の2.)がありこれを設定すればOKであった。ただしプレイリストに関しては外部プレイリストではなく、JRemote上で任意に作成保存できるプレイリストを素直に利用した方が使い勝手が良いと思う。

(閑話休題)

PCトランスポート後段の構成や設定もずっと整備を続けてきた成果か落ち着きを見せており、多様な音源も「そこそこ」聴けるようにはなってきたのではないか、とも思ってみる。これが今の自分にとっての最良の到達点だと信じれば、目を閉じて旋律と響きに心を委ねることができる。だが、自分の中の理想はどんどん育って行ってしまう。それに追いつかねばならない。

今更ながらであるが「足るを知る」ことが、音楽を聴くことの幸せをじっくりと噛みしめることにも繋がるんだろうなと思っている。一方でオーディオにおける果て無き音質向上の希求およびその施策そものものは現実と非現実の間を彷徨う魂の放浪者の如きで、現実としての十全な満足感は得にくく、また朧げな向上を実感することがあっても絶対的な評価尺度による価値を認めるには至らない。そして、そこに確固たる指標と尺度がないから不満となって、あれやこれや、やらずにいられなくなる。何かやったことで、そこそこのお金を使ったことで安心したくなる。

オーディオによって奏でられる音楽は現実ではなく、ある種の幻影にすぎない、実態としての現実の演奏、音楽とは異なる、と割り切れば、今奏でられている音楽に没頭し、その美しさを堪能することもできる。いや、もっと良い音がするはず、いやこの表現が、この音が気になる、となればそこにはもう音楽を聴く安らぎなどはなくなってしまう。

自分を含めて世のオーディオファイルがあれこれと日々精進しているのは、もしかしたらこの幻を追っているに過ぎないのではないだろうかと思うこともある。完璧な演奏というものが稀有なように、完璧な「再生」というのまた至難だと思う。もちろん、それを目指し、いつかは手に入れたいとは思う。だが、今、ここで奏でられている音楽、その演奏に不満なのか? 音楽に感動できないのか? と自問してみれば、いやこれで案外と満足しているのだ。例えそれが自己満足に過ぎないと知ってはいても。そうでなければ音楽などそもそも聴く気がおきない。良い音楽、好きな音楽だと思うからこそ聴いている。

オーディオは手段か、目的かと問われれば「手段に過ぎない」と答えられると思うが、実はちょっぴり自信もない。つまりは機械や構成や設定やその他もろもろの「オーディオ遊び」が実は好きな訳だ。だから、弄る、研究する、比較する、果ては無意味なものでさえ高価であっても導入したくなる。だから本当は手段でもあるし、目的でもある。だがそうは認めたくない自分もいる。いやいややはり手段に過ぎないのだ、と。

同じ音源であってもその再生された時の音はオーディオファイルそれぞれに異なり、決して同じにはならない。どのように再生したいか、どのような音にしたいか、その様様な想いが詰まった結果の音とも云えよう。それは決して部屋や機器や設定だけの違いではないと思うのだ。しかし、今聞いているこの音楽は自分の想いをちゃんと反映した「自分の音」になっているのかと問えば、かって程大きな不満は無いにしても、はなはだ心許なく思うこともまた事実である。足るを知って安住しようとすべきなのか、少年老い易く学成り難しと遮二無二先へと急ぐべきなのか。時間は限られておりここで微温湯に浸っていたくなる自分も垣間見える。理性で判っていてもできることできないことがあるし、今日と明日は同じではない。いや逆に同じであってはいけないのかも、、、ここにある小さな宇宙だけを決して守ってはいけない。そういう想いを止めることができない、、、この硬直した思考、これは痴呆の始まりなのか? とすら自問してみる。

存外の満足に浸りながら音楽を堪能していても、結局また次の打ち手なりをあれこれと夢想している自分がここにいるのだ。


4way構成の設定備忘録(2018年11月10日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 +0.7 +1.2 +7.0
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -4.5 0.00 -10.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 92.5 90.7 89.2 88.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

315
315

710
710

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -11.0 +26.5 -38.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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