オーディオ日記 第43章 求め続けた音のかたち(その5)2018年11月11日


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音源周りの問題を改善した 修正版7A が出たので、早速JPLAY FEMTO Serverの実力を試す。前回まではWindows 10ベースのデスクトップPCとサブスピーカーでのテストであったが、今回からは環境を変えて、Dual PC構成のAudio PCとして使用している電源対策を施したFANレスPCをベースに、まずはSingle PC環境から手始めにテストしてみた。OSはWindows Server 2012R2でSystem用SSDをこのテスト用に用意した。音源は外付けUSB HDD(USB 2.0)である。PCから先の環境(ケーブル、USBアイソレータ、USB DDCなど)はJPLAY 6.2ベースの環境と同一で、これをメインの4wayマルチアンプシステムで鳴らす構成である。

JPLAY FEMTO自体のインストールは極めて簡単シンプルであるが、つい焦って「Licence Expired」を出してしまう。遺憾、遺憾。ちゃんとネットワークとの接続を先に完了させ確認しておかないとここは駄目なのだ。それ以外は本当に簡単。DAC Linkは最初700とすることで試聴開始。Control Pointは当方定番のupplay、これをiPADあるいはノートPCからのRemote Desk Top操作でコントロールする。(upplayはJPLAY FEMTO Server使用時でもランダム再生を指示できるのは本当にありがたい)

さて、音なのだが、、、感覚的にはピラミッドバランスの音ではなく、高解像度型の傾向の音だと思う。今、聴き馴染んだ音源のランダム再生をさせながらこの駄文を書き連ねているのであるが、全体としては何とも音楽が心地良く感じられて幸せである。音源に依存する部分も多いので、音そのものについて具体的に指摘することは難しくもあるのだが、音の造形がはっきりしているのに余韻やエコー感が柔らかく分離し自然である。メリハリが強すぎたり線が細いという印象はないのだが、音自体は明晰でとても説得力があるもの。

これは率直に云って「No Excuse」で素晴らしいんじゃないか、と思う。現時点では厳密にJPLAY 6.2のDual PC構成との比較を繰り返してはいないのだが、普段聴き慣れている音源なので差異は案外良く判る気がする。

PCオーディオ、それもSingle PCでここまでの音が出せればもう充分では、という感慨も出てくる。もちろんまだまだBugや課題もあるだろうが、それは徐々に解決されるものとして、本来的にJPLAY FEMTOが持っているこの音の良さは否定できない。その後DAC Link値を1000としてみたがSingle PCでも安定している。

(注記)相変わらずDAC Link値というものが具体的に何にどのように関与する仕組みなのか一切の説明はない。この辺りは基本的な概念だけでもアナウンスして欲しいと思うのだが。なお、700と1000の差は(気のせいで?)高解像度型がやや強まるのかな、という程度であまり明確には判別できていない。

さてこうなると、当面の環境としてどうしようか、ということになるのだが、多少の工夫が必要だろう。Minim Serverと組み合わせたJPLAY 6.2の構成でなければ、DSD音源をリアルタイムにPCMにダウンコンバートして聴く環境は作れない。それ以前に、FEMTO Serverではフォルダーレベルの操作でしか選曲できない、という根本的な課題もある。また、まだ検証は完了していないが、m3u8形式の外部プレイリストのランダム再生、という懸案もある。現状ではハイレゾ音源の再生も含めて機能的な課題も多いので、結局のところ、従来のJPLAY 6.2 Dual PC環境とJPLAY FEMTO環境を当面は「2本立て」とするしかあるまい。Audio PCの起動SSDを都度選択しなければならない、という面倒が出てくるのだが、結局はどちらの構成を良く聴くか、ということで最終的な構成、環境は決まってくるだろうと思う。

続いて、JRMCとJPLAY FEMTOを2台のPC構成で稼働させるテストを実施した。これは先に行ったJRMCの出力先(ゾーン)としてDLNAレンダラー(JPLAY FEMTO)を指定するやり方であるが、JRMCはWindows 10のデスクトップPC、JPLAY FEMTOはAudio PC改めのWindows Server 2012R2である。念のために、Windows 10上ではJPLAY Service、JPLAY FEMTO両方ともタスクマネージャで停止させておく。JRemoteからのJPLAY FEMTOの選択は(同一ネットワーク上にあれば)他のPCであっても全く問題なく、再生もスムーズ。(ただし、ハイレゾ音源に対しては早送り状態になったり(96KHz/24bit)、、再生不可(192KHz/24bit)であることは改善されていない)

(2018年12月2日訂正)
最新状態で改めてテストとしたところハイレゾ音源の再生における問題は発生しなかった。当方のJRMCの設定が適正でなかった可能性もある。(訂正終わり)

JPLAYとJRMCはかって(今でも?)犬猿の仲なのだが、このコラボレーションはやっぱり素晴らしいかも~と思う。iPAD上のJRemoteから十全な音源の参照と選択ができることに加えて、オーディオ用に特化したPC上のJPLAY FEMTOからの音を堪能できるのだ。FEMTO Serverと厳密に比較すれば差はあるのかもしれないが、極楽PCオーディオを目指す当方としてはこの組み合わせは充分に合格点である。もちろんまだ網羅的な機能試験ができてはいないので、思わぬ問題が出てくるかもしれないし、何よりまたJRMCが意地悪して(?)JPLAY FEMTOをDLNAレンダラーとして認識しなくしてしまう恐れはあるのだが、、、

JPLAY FEMTOの本格的採用に関しては、課題の改善状況をウォッチし、適宜出されてくるであろう修正版を用いながら、評価を続けねばならないであろう。いろいろとテストしておかねばならない機能的なテスト項目も随分と残っているのだが、この音を聴いているとちょっとそんなこと面倒でいやだな~と思えてくる。そんな分析的なことより、とにかくここで奏でられる音楽をずっと聴いていたい、そういう気持ちになってしまうのだ。


4way構成の設定備忘録(2018年11月10日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 +0.7 +1.2 +7.0
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -4.5 0.00 -10.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 92.5 90.7 89.2 88.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

315
315

710
710

4000
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -11.0 +26.5 -38.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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