JPLAY6.2がバージョンアップしてJPLAY FEMTO(バージョンとしては7.0)となった。PCオーディオ環境としてJPLAYを現状メインとして使っている当方としては嬉々としてテスト開始したことは言うまでもない、、、
だが、期待が大きいだけにそこにあったのは落胆であったこともまた事実。元々JPLAYの思想は「音質最優先」である。そして、その割り切りは理解しているつもりである。そんな中でも、あれこれと研究し工夫をして、どうやったら「極楽PCオーディオ」の環境とできるのか、我が家でのシステム構成や使用環境などと整合性をとりながら、こつこつとブラッシュアップをしてきた。それが脆くも崩れていくのだ。
今回のテストではまだDual PC構成とはしていないので、音質面での本領が十全に発揮されたとは思っていないが、それでも一聴して可能性を十分感じさせてくれるような透徹した音がする。その面での進化は確かにしていると思う。しかし、この先の評価に進もうとする意欲が現時点では湧いてこないのだ。Dual PC構成での評価は我が家の場合、現状を維持しながら並行的に行うとこはできず環境全体をバージョンアップする必要があるという点が理由としては大きいのだが、単体PCでテストした限りではまだソフトウエアとしての完成度に課題があるように感じ、それがネックとなっている。当方はコントロールポイント用にiPADしか持っていないのだが、Kinskyやfidata Music Appではほとんどまともには動いてくれない。仕方なくデスクトップアプリとしてupplayを使用していることも印象の足を引っ張っているかもしれない。またDLNAならびにupplayの仕様だと思うが、upplayを一旦止めてしまうと、次の曲へは進んでくれないので、この辺りがKinsky、fidata Music Appではどうなるのかとても気にしている。
残念なことに、音質最優先のために機能的な部分での「使い勝手」がかなり後退してしまっているとも云えるであろう。この点は個々のユーザーによって評価・判断も分かれるところであると思うのだが、JPLAY FEMTO Serverを利用した場合にその感が強まる。我が家ではFEMTO Serverはすべての音源を読み込んでくれないという事象も発生してしまっているのだが、フォルダービューでしか選曲できない点も現在のPCオーディオ、ネットオーディオ環境から考えるとやはり辛いものがある。minim server等を使用すればタグを利用して、ジャンルやアーティストでの選択が可能となるのは救いでもあるが、transcodeの設定は使用できないので、長らく苦しんでいたDSDtoPCMがまた振出しに戻ってしまうのだ。
だが、いろいろな課題はいずれ解消されるであろうし、新たな仕様に合わせたユーザー側としての「使い勝手」の研究もまた必要であろう。何よりもオーディオにとっては音が最終的な全てでもあるのだし。
少し思うのは、正式版のリリース前に利用期限を切った「ベータ版」として一度ユーザーに公開し、種々の環境でのバグ出しなど行っておいた方が良かったのではないか、ということ。この辺りは経営思想もあるのであまり踏み込んだことは云えないが、少なくともバージョンアップに対する優遇ライセンス料金が今月末まで、というのは現状の課題を鑑みるにちょっと購入の判断が出来難いな~とも思っている。
それでも音質に拘ったJPLAYが正常系として進化、バージョンアップしてくれたことは素直に喜ぶべきことだと思う。ソフトウエアのバージョンアップというのは開発企業にとってはコストと収益の観点から両刃でもあるのだが、そのリスクを採ってより特化した音楽再生ソフトウエアとして登場してきたのだ。今後更に成長してくれることを切に願っている。
(参考)
JPLAYを稼働させるOS環境についてどれが良いのか迷ってしまうこともあって、開発者のMarcinが一体どのWindows OSを使用しているのか大いに興味があった。今回本家のJPLAY Forumにおける「
JPLAY FEMTO issues/bugs thread
」を情報収集目的で調べていたところ、MarcinはWindows Server 2012R2を「まだ」使用している、という記載があった。またOSのプロセスカットをやり過ぎてしまうとJPLAY FEMTOはいろいろな不都合も起こるとのことで、基本的にはプロセス数が最小であるOSを素のまま利用する方がいいのだろうな、と妙に得心してしまった。
4way構成の設定備忘録(2018年11月7日更新)
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
FPS 2030M3P1R |
Sony SUP-T11 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+7) |
90 (0) |
110 (+20) |
93 (+3) |
|
DF-55の 出力設定 |
dB |
0.0 |
+1.7 |
+1.0 |
+7.0 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-4.5 |
0.00 |
-10.0 |
-0.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0.0 |
0.0 |
-12.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
92.5 |
91.7 |
89.0 |
88.0 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 315 |
315 ~ 710 |
710 ~ 4000 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-48 |
48-48 |
48-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-11.0 |
+26.5 |
-38.0 |
+27.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
VoyageMPD 環境下 |
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|