オーディオ日記 第42章 枯淡の境地を目指し(その11)2018年6月30日


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オーディオとは終わりのない積み重ねなんだとつくづく思う。ゴールとなる音の姿は見えそうであっても決して姿を現さない。だが、時にその片鱗を垣間見ることができる瞬間もある。そしてそこで掴んだ(かもしれない)その朧げなものを頼りに幻の理想を追い続けなければならない。

もしかしたら世のオーディオファイルは同じ望みと葛藤を抱えながらこのオーディオ道を突き進んでいるのではないだろうか、と時に心強く思うこともあるし、理想の具現化の困難さにほどほどでも、という諦観も頭をよぎる。

何をどうしたら、今より良くなり、実体を現さない理想に近づけるのか、その明確な道筋は今に至るも全く判っていない。だから、少しでもヒントになりそうなことがあれば、どうしてもあれこれと試してみたくなる。それをチャレンジと呼ぶのか、溺れる者の足掻きか。だが、やらないよりやった方が良い、というのが今までの覚束ない人生経験に照らしてみた自分なりの信条でもある。ならば、、、

実験的レイアウト1:望ましいインライン配置(4way)


スピーカーユニットの配置としてはあるべき姿だとは思う。だが、高さがありすぎて視覚的にも(地震対策的にも)常用には向かないのだが、音場の出来方はやはり一番自然。確かに世の中には随分と背の高いスピーカーシステムが存在していることが頷ける結果である。ただ縦に伸びている分、音の出方には少し違和感が残る。これは、下から順にロー、ミッドハイ、ミッドロー、ハイという構成配置になっていることにも一因がありそうである。

実験的レイアウト2:望ましいインライン配置(3way)


ホーンを使わない3way構成であれば、やはりこのスタイルか。ウーファーが奥に引っ込む配置なのであるがデジチャンによるタイムアライメントのお陰もあって音の纏まりは悪くなく、この構成もかなり捨てがたいと思わせられる。FPSをミッドレンジに使えば元々帯域的にも3wayで充分なのだが、この3wayで質感として満足できれば、、、ホーンドライバーをミッドハイに使用した時の質感には残念ながら及ばない。

実験的レイアウト3:妥協の産物の配置(4way、3way兼用)


音の密度感を(欲深く)望めば4wayが良くなってしまうのだが、スピーカーユニットの配置はやはり破綻してしまう。部屋のサイズや背面、左右の壁面の制約も厳しくなり、特にミッドローの置き場所が決まらない。メインのエンクロージャの位置と面を合わせているのが今までの配置なのだが、これでは左右の壁面に近すぎてしまうため、音の広がり感にもどかしさがあった。そこで、メインのエンクロージャより幾分前に位置取りさせて、その上にツィータを置くスタイルを試してみることにした。デジチャンの調整機能がなければこのような配置は全く無理と思うが、ある程度厳密にタイムアライメントを合わせることによって音への違和感は生じないようであるし、音の広がりも何とか確保できる。しかし妥協のレイアウトであることは否めない。

結果:


あれこれとレイアウトをいじる前と多少なりとも変わった(改善した?)と云えるのか微妙。やはりミッドロー、ミッドハイ、ハイの3つのユニットをインラインに並べたい気持ちが抜けない。そのためには大きなホーンは邪魔になる。思い切ってホーンから足を洗うか?という考えはこのところずっと持ち続けてもいるのだが、、、SUP-T11というドライバーを我が家の環境において凌駕するようなユニットと出会えるのだろうか。


4way構成の「新」設定備忘録(2018年6月30日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB +1.0 0.0 +1.2 +1.7
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB 0.0 0.00 -10.0 0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 0.0 -12.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 92.0 90.0 89.2 88.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1600
1600

5000
5000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 96-96 96-96 96-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +25.0 -35.5 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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