オーディオ日記 第42章 枯淡の境地を目指し(その8)2018年5月24日


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デジチャンに対して音量調節を行わないままのデジタル信号(RCA同軸によるS/PDIF)を直接送り込む、というのが当方のシステム構成の要にもなっているのであるが、DSD音源の場合はそのままではデジチャン側が対応できないという課題がこの構成には付いて回る。

(注記)AccuphaseのデジチャンはHS-Linkの入力端子を持っているのだがにDSD信号には対応しておらず、PCM信号のみの対応なのだ。

従って、DSD音源(基本はDSF形式でNASに保持している)に対しては、再生時に176.4KHz/24bitにリアルタイムに変換する(DSDtoPCMダウンコンバート)という対応が必須になる。PCオーディオ環境にてこの処理を行う訳だが、DSDtoPCMダウンコンバート処理は再生アプリ(JRMCやVoyageMPDなど)が SoX(Sound eXchange) という高性能な変換モジュールを呼び出して行っている。SoXは非常に多彩なオプションを持っており、変換品質の設定もできる。だたしこれは、このSoXを呼び出す再生アプリがこの品質設定に対してパラメータで指示できる仕掛けになっていなければならない。

LinuxベースのVoyageMPDやLightMPDなどはこのパラメータによる指示で「最高品質」、「高品質」、「標準」などが容易に選択可能である。Windowsベースではfoobar2000やTuneBrowserなども設定可能。当方が常用としているJPLAY環境では、JPLAY自身ではなくMinim ServerがSoXを呼び出す。現状ではSoXをMinim ServerからFFmpeg経由で呼び出すところまでは実現できていたのであるが、品質設定に係るパラメータ設定の仕方が判らずにいた。そのままでも、FFmpeg標準の変換モジュールよりも音が良いので、このSoXを使用するスタイルを採用してある程度満足していた。

今般、多少の機器の変更を実施してそれなりの音の向上を実感しているのであるが、そうなると人間欲が出るもの(?)で、このDSDtoPCMダウンコンバート処理においてもどうにかして「最高品質」で行わせたくなってしまう。そこで改めて、FFmpegに関して詳細に確認してみると、内容が更新されて(?)いるようで、 FFmpeg Resampler Documentaion というページがあり、何とそこにSoXに対して「最高品質」設定を行うためのパラメータが記載されているではないか。元々からあったのか、いつかの時点で追加記載されたものか、正確なところは分からないが、これはとにもかくにもありがたい。

Minim Server上のstream.optionsにてSoXを「最高品質」とする指定は以下の通り:
convOut=-af aresample=resampler=soxr:precision=28

precision=28  「最高品質」
precision=20  「高品質(Default)」

Minim Server Stream Optionsでの設定:


今回機器変更した中でもデジチャンの音質向上へのインパクトがそこそこ大きく、特に倍音成分に対する表現がかなり秀逸になったと感じているのであるが、それだけに、DSD音源に対して最高品質でDSDtoPCMダウンコンバートできることは精神衛生上のみならず、音質への寄与も大きいと実感している。JPLAY環境でSoXを最高品質(very high quality)で使えるというだけではなく、Minim SeverをDMS (Digital Media Server)として使う場合はいずれの環境でも同様に有効なものなので、今後環境変動などがあり得ることを考えると大変ありがたい。

実のところ、DSDtoPCMダウンコンバートに関してはVoyageMPD環境でも、JPLAY環境でも当初は音質的に納得がいかず、SoXが使えるようになるまで随分と悶々としてきた。もちろんこれは少し特殊な当方の再生環境に依るものなのだが、これでDSD音源に対しても今回の新たな環境でそのパフォーマンスを発揮させられると思い少なからずほっとしている。


4way構成の設定備忘録(2018年5月24日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0 0.0 +1.0
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -5.0 0.00 -10.0 -6.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -0.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 92.0 90.0 88.0 88.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

355
355

1250
1250

3550
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 96-96 96-96 96-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 20.0 35.0 0 38.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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