オーディオ日記 第40章 はじめに音楽ありき(その15)2017年7月21日


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現時点では 検証機の状態 ではあるが、永年の夢であったリモコン付きマルチチャネルマスターボリュームを手元に置いて、その操作性ならびに音にほぼ満足してしまっている。これはこれで大変喜ばしく嬉々として音楽を聴いているのであるが、人間というのはひとつのことに満足したら、また次にあれこれと欲求が出てきてしまうものらしい。小人閑居して不善を為す? を地で行っているようなものであろう。

JPLAYにおけるPCの構成として、一旦はTriple PCの状態で「まぁ満足」としていたのであるが、やはりもう少しギリギリとやってみたくなったのだ。現状の Triple PC構成 はJPLAY推奨のネットワーク分離を行っていないことが要因だと思うが、DSDtoPCM変換(176.4KHz/24bitへ)をさせた場合、あるいは44.1KHz/16bitを176.4KHz/24bitへアップサンプリングした場合、DAC Link700、PC Buffer 0.01secでは再生がやや不安定となり時に再生停止してしまうこともあって、安全値であるDAC Link350、PC Buffer 0.1secとしてきた

やはりそこは枯れたとは云え当方も人の子、何とかDAC Link700、PC Buffer 0.01secで安定したDSD再生(デジチャンにデジタル入力をするという構成のため、DSD音源は176.4KHz/24bitへリアルタイム変換するが、これをffmpegに対するtranscode指定で行っている)を目指したいと思うのだ。そこで、「重い腰」を上げて、まずはJPLAY専用ネットワークの分離から着手した。当然当方の場合は廉価なNIC(Network Interface Card)の調達となる、、、

ネットワークの設定そのものはいろいろな考え方もあると思うが、PCオーディオ周りの機器にはすべてStatic Addressを振ってネットワークの管理の簡便化を図っており、今回もその延長でJPLAY専用ネットワークにアドレスをアサインした。通常のLANは192.168.1.xxxで、JPLAY用は192.168.2.xxxである。

定義や構成自体はいたって簡単、シンプルなのであるが、DAC Link700、PC Buffer 0.01secで安定したDSD再生ができるかどうかが大きなポイント。単純な2台構成(Control PCはGUIモード、Audio PCのみCoreモード)ではやはり時たま途切れるという事象が発生してしまう。この辺りは、多くのJPLAYユーザーの研究、努力からControl PCの負荷変動が要因であろうと当たりが付くので、その点を中心に構成を追い込んでみた。当然ながら、Control PCの電源管理設定はハイパフォーマンス、100%設定である。

考えられる最初のステップは、Server PCの分離である。Control PCにはAudio PCへのデータの送り出しに専念してもらい、Minim Serverならびにffmpegの負荷を一切排除するという、Triple PC構成の考え方の踏襲である。やはりこれが一番効果的。また、これによって、Control PCをCoreモード化できるというメリットもある。(注記)当方の場合は、ランダムプレイを指示するためには、upplayが必要なのだが、これはServer PC(GUIモード)で起動すれば良いため。

これによって、「ほぼ」中断はない状況になったが、さらに負荷分散の完璧性を求めて、音源データベースをServer PCから分離し、NASに置くこととした。ただし、NASへのアクセスはDLNAではなくSMB(Server Message Block)方式によるものとし、応答の高速化を意識した。

JPLAY Triple PC "FINAL" 構成概要図:
JPLAY Triple PC Config

ちょっといままで喉の棘みたいな状況であったのだが、これで心置きなくかつ安心してDSD音源をDAC Link700、PC Buffer 0.01secの設定で聴けるようになった。また、当方の場合は44.1KHz/16bit音源も、DSDの場合と同じ176.4KHz/24bitにしてデジチャンに送り込んでいるのだが、これはデジチャン(DF-55)がアナログ入力においては、176.4KHz/24bitへA/D変換するために、内部演算処理がこのレートで最適化されているものと考えて同様にしている。また、この対応により、DSD音源、PCM音源に係わらずサンプルレートが一律になるため、レート切替によりデジチャンでのリレー音(時に再生頭切れ)が起きないというメリットもある。ただし、せっかくの192KHz/24bit音源であっても176.4KHz/24bitへの変換が起きてしまうのだが、これはまぁやむを得ないであろう。

ここまでのPCオーディオ環境を要求するからには、JPLAY DAC Link700、PC Buffer 0.01secの音は(希望的には)次元を超えていなければならない、と思うのであるが、やはり元々のJPLAYの印象として持っている音の濃さ、押し出しの強さ、というところは変わりが無いと感じる。従って、JAZZやROCK系、ボーカルものにはキレがあってフィットする表現なのだが、ふわふわとモーツアルトの音楽に夢見心地で浸るにはVoyageMPDが持っているようなしなやかさが足りない。今まではほとんどDAC Link350、PC Buffer 0.1secで聴いてきたので、この新たな構成にて、余り設定上の数値に拘らずもう少し幅広い範囲で「自分好み」の音が出せるか探してみようと思う。また、その結果敢えてDAC Link700、PC Buffer 0.01secにする必要がなければ、構成はもう少し規模を小さくして普通(?)のDual PC構成でも良いかもしれないし、、、やっぱりこの構成は普通に(?)考えれば途方も無いと思うのだ。


4way構成の設定備忘録(2017年7月21日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB +1.5 +1.5 +1.5 +3.5
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -6.0 0.0 -12.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 92.5 91.5 87.5 87.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1250
1250

5000
5000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 23.0 55.5 0 54.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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