オーディオ日記 第40章 はじめに音楽ありき(その2)2017年3月25日


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スピーカーユニットのひとつひとつを改めていろいろな観点から測定し直し、その結果に基づきあれこれ考えながら4wayの設定を設えてきた。これで完成とは思わないが現状の構成では多分ここまでであろう、という周波数レスポンスを認めることもできた。だが、測定によって詰め微調整した結果である現状の音に満足できるのか? と云えば全くそんなことはない、という現実が残る。おそらく以前よりは多少はマシな音にはなってきてはいる、とは思いたい。だが、自分の心の中にある理想の音はそれを追い越してどんどんと更なる高みを望んでしまっているようなのだ。だから、現状が追いつけない。

多様な音源を聴きつつ、従来不満に思ってきたところが改善されているようには感じる。だが、実際は問題であった点が多少目立たなくなったことに過ぎないとも思う。そこそこ納得できる再生状態の音源も増えてはきたようにも思う。良い音源であればあるほど、時には聴き惚れてしまうことも確かにある。だが、自分にとって「究極」と思える音には至っていない。まさに見果てぬ夢の先にしか「まだ聴かぬその音」はないのかもしれない。

ならば、一体どうするのか? しばし悩む。小手先でできることには限りもある。オーディオの構成を上流(入口)、中流(増幅)、下流(出口)と考えた場合、我が家においてはどこに隘路があるのだろうか。デジタル音源に対する入口としての種々の対応は自分なりに出来ることは一通り終わった。出口としての4wayのスピーカーユニットもこれはと思ったユニットで構成し、デジチャンへの直接デジタル入力方式と後段のマルチチャネルマスターボリュームも一応は整った。測定によりスピーカー達の調教も一段落(?)という感じにはなった、、、、次にロートルアンプ周りのリニューアルを考えるも、今ある「もどかしさ」がそれによって一掃できる気がしていない。もちろん、オーディオは小さなことを疎かにせず、その積み重ねで結果としての音になると思うのだが。

4wayの調整においては、一方でIIR型デジチャンの調整、設定の限界も認識した。ここはいずれFIR型のデジチャンに変更したいとも思う。その中ではDante Audio Networkがやはり最有力候補なのだが、いつやるか、今やるか、、、

あれこれ考えても埒があかず日が過ぎるうちに、せっかく纏めた4way構成であってもついつい浮気がしてみたくなってしまうのだ。もし、SPユニットを あのユニット に変えてみたら、どうなのだろうかと。やはりスピーカーの音に対する支配力は大きく、本来個性を持たないトランスデューサーであるべきことが基本であっても、現実は違う。それぞれのユニットがやはり個性を身に纏っているのだと思うし、実際そう感じる。だが、その選手交代によって全体としての「再生音」が進歩するのかどうかはやってみなければわからない。それ以外の要因によって小さな進歩はマスクされてしまう可能性もある。音楽を聴きながらもつらつら迷う。現状で満足できれば、とも思う(満足したらこの趣味は終わってしまうが)のだが、そうやって足掻き続けることもまた大事なことなのかもしれない。

閑話休題:

クラッシック音楽の目覚めは宮沢明子のショパンであったが、次に出会ったお気に入りの演奏家がアルトゥール・ルービンシュタインである。これはまさに「出会ってしまった」という衝撃的な出来事であったと今でも覚えている。最初の出会いはダニエル・バレンボイムと共演したベートーベンのピアノ協奏曲全集(1975年録音のアナログディスク)であった。ピアノの燃え立つような煌きと旋律の官能にどっぷりと浸ることの素晴らしさ。録音当時のルービンシュタインが88歳であったとは信じられない青春の息吹さえ感じる瑞々しい打鍵。

そしてルービンシュタインが稀代のショパン弾きであったことを知る。いつしかショパン=ルービンシュタインという方程式(?)が自分の心の中に出来上がっていったことの理由は今もって判らない。オーディオの音源的に考えれば1950年台から1960年台の録音が中心なので優秀録音と云われるような類ではないと思う。だがそれでも自分にとって、クラシック音楽におけるピアノという存在が「無くてはならないもの」になっていくことの大きな要因であったことには間違いない。

そして、またピアノという楽器を軸にしてショパンから他の作曲家にも興味がどんどん沸き始めた時代でもある。編成も器楽曲としてのピアノからピアノ協奏曲へと範囲が広がっていったこともまた自然の流れであったのだろう。

Artur RubinsteinのCD達:
Artur Rubinstein CDs


4way構成の設定備忘録(2017年3月25日現在)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
パワーアンプでの
入力絞り
dB -6.0 0.0 -11.0 -7.0
設定値
SP側での
アッテネーション
dB 0.0 0.0 0.0 0.0
(L-PAD抵抗)
DF-55の
出力設定
dB 0.0 -3.5 -9.5 +3.5
Analog Att
ON
スピーカーの
出力(想定)
dB 91.0 86.5 89.5 89.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1250
1250

9000
9000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 96-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 25.0 46.0 0 37.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Normal Rev Rev Rev JPLAY
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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