オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その5)2016年6月5日


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JPLAY関連の各種環境を試すステップもファイナルなところまできた。JPLAYの完成形と云われているJPLAY StreamerにてMinim Sever、KAZOOと連携させ、タブレット端末(iPAD Mini)上のKINSKY(又はKAZOO)にて操作する環境を構築した。Control PC、Audio PCともWindows Sever 2012R2で、このJPLAY Streamerを使用した構成が一番音が良いらしい。期待は高まる。

Control PC上のKAZOO(結構シンプルな画面で華やかさはない):


なるほど、、、、、音はあんまり変わらない。もしかすると音的にはWindows ServerベースのDual PC Mode環境でほぼ頂点ということなのかもしれない。あるいは当方のネットワーク環境がJPLAY専用ではない、ということが多少なりとも関係しているのかも、と推測してもみる。もちろん、Bug HeadによるJPLAYドライバー駆動のスタイルに較べて悪くなった、という印象では無いので、タブレット端末からアルバムカバーアートを見ながら操作、選曲できる、というアドバンテージを享受できればそれで良いかな、と思う。

iPAD Mini上でのKINSKY(画面イメージとしてはKAZOOはちょっと貧相かな):


一方で、タブレット端末上のKINSKY、KAZOOというソフトウエアはJPLAYとの連携処理(あるいは2台のPC間の通信やバッファーサイズ)などに関連・依存するものと思うが、スキップや停止、再生再開などの操作やはり俊敏性に欠ける。はっきりいって遅い。この点はVoyageMPDにおけるタブレット端末のソフト(iPOD、iPAD)とは構成が違うので同一には語れないとは思うが、こちらを今まで使い慣れた身としてはちょっとつらいものを感じてしまう。もちろん、これはJPAYの責任ではないので、この環境を使う以上は受け入れるしかないだろう。まあ、操作が完全に体に染みついてしまっているものと、そうでないものとの「慣れ」の差もあるかもしれないなと思う。また、予め作成しておくプレイリスト上の曲数の上限は1000のようであるが、数千曲からランダム再生させるということが当方は結構あるのでこれはやはり少ない。

さて、ここまでやってみて、JPLAYの全貌が何とか理解できてきたようにも思う。音については申し分ないが、ここに至るまでのあれこれの環境を整備しなければならない点を考えると、万人向きとは云えないかもしれない。しかし、PCオーディオを指向している人から見れば環境構築自体は決してハードルが高くはない。(先達の貴重な情報が公開されている故であるが)そして、最終的な環境は、リスニングポイントに陣取り、タブレット端末からのある意味でお気楽な選曲操作で音楽を堪能できる。それもかなり極上の音で。

ただし、単なる「デジタルトランスポート」として見てみると、この構成は肥大化し過ぎていないか。デジタルファイル音源の再生においては、所謂「一体型ミュージックサーバー」の時代といずれなるであろうことは、世の趨勢として間違いないと考えている。NASの設定で苦労するようなことは、音楽を楽しむ上では本来あってはならないと思うし、多くのネットワーク機器に囲まれてその音質向上対策をある程度実施しなければ良い音で聴けない、などというのも論外であろう。そのように考えると、PCオーディオも(従来型の)ネットワークオーディオも最終的な構成に向かっては一過性のものとなってしまうかもしれない。(MDやDVDオーディオを思い起こす、、、)願わくば、このようなオール・イン・ワンのミュージックサーバーが極上の音でなおかつ、数十万以下のレベルで登場しないものかと期待する。(SONYのHAP-Z1ESの後継機がデジタル出力の機能を持って出てくることを個人的には切に願っているのだ)

しかしながら、今を生きている自分にとっては、今ある環境で、最上と思える音の構成を選んで音楽を聴くしかない。それも数百万というオーダーの価格ではなく。PCオーディオの世界はそれを身近に引き寄せてくれる。オーディオという世界の尺度から見ると(貧乏くさいかもしれないが)非常に廉価で。また、あれこれと情報集めをしながら、トライしてみる、という趣味の世界のあり方からも、知的好奇心の満足という観点からもとても面白いものだと思う。

さて、JPLAYに関しては自分なりにはこれでひと段落だと思うが、本格的な運用に入ったら、それはそれで(構成が多少複雑であるが故に)いろいろと障害や訳の判らない事態も起こってくるであろう。また、Audio PC側の運用も基本スイッチオン、スイッチオフの簡単操作で日々運用できれば良いと考えているが、実際にはそうは行かないケースにも遭遇しており、これらをひとつひとつ潰して経験値を上げていこうと思う。

(注記)Windows Sever環境下のJPLAY Streamer、KAZOOの運用において、ファイアーウォールを無効化しないとタブレット端末からroomを探せないという事象に遭遇している。JPLAY同士の通信は個別のセキュリティルールの設定で問題ないので、こちらも本来は個別のセキュリティルールの設定で解消したいのだが、ファイアウォールの設定をいろいろと試行してみてもうまく行っていない。この辺りはネットを検索しても解決の情報に辿り着けておらず、もし参考となる情報をお持ちの方がおられたら是非ご教授をいただければ幸甚。

(2016年6月8日追記)
本件はポート番号48167を追加で開放することによって解決した。ファイアウォールを有効にしておく場合は、48168と48167の二つのボートを開放する必要がある。Dual PC Modeの場合は双方のPCともこの規則の設定を行う。なお、JPLAY Streamerを使用しない場合は46168の開放のみで問題ない。


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