オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その4)2016年6月3日


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JPLAYまわりのテストもいよいよ核心にせまってきた。

前回比較試聴において、Windows ServerがOSとして音楽再生環境に大きな貢献をしていることが良く理解できたので、この方向でJPLAY Dula PCモードの環境を再構築することにした。即ち、Audio PCならびにConrol PCのいずれもWindows Server 2012R2とする。前段階でのテストではControl PCはWindows7であり、一般的なPC作業を行う環境との同居であった。これを今回のテストでは同じデスクトップPCを使用するのであるが、OSは別HDDにWindows SeverをインストールしてDual Boot化、2台のPCによるJPLAYの音楽再生専用の環境を作った。音楽を聴く場合には、この別室にあるデスクトップPCで何らかの作業をすることもないので、ベストといわれているものに近い環境を構築してみようと考えた訳である。果たして送り出し側となるControl PCのOS環境によって音は変化するのであろうか?期待値はあるものの、こればかりはやってみなければ判らない。また、変化があるとしればどのような方向になるのだろうか、興味は尽きない。

ただし、我が家の環境ではネットワークの部分はいろいろと頭をひねっても、専用化することは難しく、この部分は妥協せざるを得ない。もちろん別室からLANケーブルを這わせる、という方法も無くはないし、デスクトップPCをリスニング環境に移動させる、ということも考えたが、いずれも恒久的な措置にはなり得ないので、やむなく現状のネットワークを踏襲することとした。この部分は本来は比較試聴してベターをチョイスすべきなのだが、、、(結果によっては専用のPCを改めて購入しなければならなくなる可能も出てきてしまいそうでちょっと怖い。)

Control PCでの送り出しアプリはBug Head。こちらもいろいろな選択肢は考えられるが、前回のBug Head on Windows Server環境の音がえらく気に入ってしまったので、テスト環境を合わせる意味からもこれを採用。もちろん、タブレット端末からのお気楽操作(KINSKYやMonkeyMoteHDなど)が欲しい場合は、foobar2000なりを起動させれば良いので、実用上は気分で選択すれば良いと考えている。

なお、このテストにおいては、Control PCの役割と音への影響を確認する意味で、次の3パターンで比較してみた。(Audio PCはCoreモード)

CASE1 : Windows VistaベースのノートPC 
CASE2 : Windows 7ベースのデスクトップPC 
CASE3 : Windows SeverベースのデスクトップPC

Control PCの3タイプの構成:


CASE2とCASE3はDual Boot構成なので、物理的なPCは同じもの。なお、ネットワーク構成は残念ながらLANケーブル直繋ぎの専用のものとはなっていない。究極を確認するのであれば本来これを試さねばならないのだが、物理的に如何ともし難い点があるのでここは眼を瞑って妥協した。なお、CASE1の構成のみリスニング環境内の至近距離で完結しているが、CASE2、CASE3はControl PC、Routerが別室置きである。

さて、こういう実験で音出しをする時は、本当にわくわくする。PCオーディオはオーディオとしての面白さだけではなく、PCまわりの知的興味(?)も満足させてくれるありがたい存在だな、と思う。

結論である。Control PC、Audio PCともWindows Sever構成とした音はPCオーディオの究極かもしれない、と思わせるものがある。一聴してそう感じるような音なのだ。ある種の驚愕がここにある。熱く、濃いという音の傾向は各構成であっても変わらないと思うのだが、このファイナルな構成では音の一つ一つの実在感が増すように感じ、トータルな音楽のリアリティーの再現がとても秀逸で素晴らしい。この構成が当方の「本気モード用」に落ち着くことになりそうである

Control PCの環境を変えたCASE1、CASE2も決して悪くないし、表情がCASE3と大きく変わってしまう訳ではない。これだけ聴けば、なるほどJPLAYはこういう音がするのか、と納得できるものと思う。ただ、音の気配、音楽の表情が少し違うのだ。心にぐっと刺さる、といえばいいのだろうか。オーディオは後戻りできない、というがこれも正にその通りなのかもしれない。

JPLAYの環境構築はWindowsに慣れ親しんでいる人であれば、Linux系よりはずっと敷居が低いとも思うが、やはりそれでも幾つかのハードルはあるかもしれない。しかし、そのハードルを越えた先に新しいPCオーディオの世界がある。これは飛び込んでみなければ判らない。

一方で、オーディオ的に考えると、JPLAYがOne and Onlyではないと考えている。どちらかと言えば「強い傾向の音」と感じており、リラックスして長時間音楽に浸りたいような場合にしっくりくるのか、この点は時間をかけて様子をみてみたい。楚々とした穏やかな音を希求するようなケースでは先に試したBug Head on Windows Serverが紡いでくれる音も当方の好みではある。(クラシック系の音楽を居眠りしながら聴く、という観点で)

なお、かなり悩んだのはAudio PCを常時Coreモードで運用するか、どうかという点であるが、改めてDesk Topモード+Hibernate Modeで運用できないか探ってみることとした。両者の音の比較をすれば前者に軍配が上がるのだが、Bug Head on Windows Severというシンプルな単体構成での音がとにかく捨てがたい気がしているのだ。その時の気分によってどちらも使える、という選択肢を残しておきたいという理由から、当面はこちらで運用してみようと思う。また、あわせてネットワークを含む2台構成の運用の安定性、トラブルが起こった場合の対処法、JPLAYの設定によるチューニングなど知見を重ねたい。

(注記)Audio PCもまたWindows ServerとVoyageMPDのDual Boot環境にしてある。VoyageMPDは今後はもしかしたらBGM的な利用ということに後退してしまうかもしれないのであるが、、、


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