オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その3)2016年5月31日


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JPLAYチャレンジを継続しているのだが、その中でJPLAY Audio PCのOS環境となるWindowsサーバーは余分なプロセスの稼動が少なく非常に動作が軽快で、OSとしてかなり快適だなと感じている。Linux環境での動作と同じような感覚、印象なのである。そこで、このOS環境をJPLAY専用ということではなく、普通に音楽再生用として使ったらどうなのか?と思いついた。この俊敏なWindowsサーバーにBug Headをインストールし、単体で音楽再生専用機として使ってみたらどのような音になるのか、という興味である。そして、せっかくであればということで、JPLAY Dual PCモードの実験環境での音と我が家での現状の標準環境であるVoyageMPDならびにこのBug Head(On Windowsサーバー)との三通りの構成でしっかりと聴き込んで比較を行ったみた。JPLAYのAdudio PCはWindowsサーバーのCoreモードへの移行は行っていない状態での比較となる。VoyageMPDは従来から使用している環境。Bug Headについては、新たに環境構築したWindowsサーバー(2012R2)で稼動させている他、音源はVoyageMPDと同様にNASを参照させている。

比較を行った三通りの構成
CASE1:VoyageMPD環境(音の評価の基準とする)
CASE2:Bug Head 7.12(最新)on Windowsサーバー/FanレスPC
CASE3:JPLAY Dula PCモード環境(GUIモード)

VoyageMPD、Bug Head、JPLAYのそれぞれの構成:


この比較は環境のセットアップ等が必要となるため、瞬間的な切り替えによって評価することはできないので、多分に音に対する自分の好みが反映されてしまうことが予想されるのであるが、まあそこはそれ、何はともあれ実験と割り切って実施してみた。

まず、CASE1のVoyageMPDであるが、これは聴きなれた音としてのアドバンテージがあるものと考えるが、総じて音楽がしなやかで優しい。エコー感の広がりや分離もまあ合格点だと思う。弦やしんみり系の女性ボーカルはやはり出色。モーツアルトもやはりこれでないと、と思わせる。相対比較では幾分か音が薄く感じるところもあり、音楽がややさらっとした印象となる。

CASE2のBug Head。これはいい。多彩な音楽のそれぞれの表情をきちんと描き分けて過不足がない。柔らかさもかっちりしたところもちゃんと出るし、表情も豊か。う~ん、これはWindowsサーバーとの相性はとても良いのではないだろうか。Bug Headの本領発揮か。何も足さない、何も引かない、という表現がぴったりであるごとく音源の中身を余すところ無く提示してくれるのだ。マッシブな低域の提示も素晴らしいと思う。これはPCのメモリとCPUをしっかりと叩いてきちんとジッターレスの仕事をさせているということの成果なのかもしれない。音色として特段の個性は感じさない素直さがある。(Bug HeadはWindows10で開発を行っているとのことなので、開発者ももしかするとこのOS環境と組み合わせた良さには気付いていないかも、、、)

Bug Head 7.12 on Windows Server 2012R2:


CASE3のJPLAYのDual PCモードの音はどう表現すればいいのか、上記の2ケースに比するととても特徴的な音がする。密度感があり音圧が高く感じる音なのだ。少しごりっとした感じで、元気が良くメリハリのある曲(JAZZやROCKなどのジャンル)との相性は抜群、やや録音が古い音源なども特に低域の実在感を伴って聴かせてくれる。壷に嵌る音源には本当に眼の醒める出音になる。一方でクラッシック系の音楽をしっとりと癒されたい気分で聴くようなスタイルには少し音のリアリティが過剰なのか、楚々とした雰囲気にはならないように感じてしまうところがある。云うならば音が熱く濃いのだ。ただし、これはPLAYの最終的な構成、環境ができていないためということもあると思うので、Coreモードに移行した上での最終判断が必要であろうと考えている。

いや、とこかくこれは実験してみて本当に良かった。面白かった。特にCASE2。Windows環境は一般的にいろいろな作業との兼用で使うことも多く、あまり音楽再生専用機というイメージはないものと思うが、専用機に近い状態にできるのであれば、WindowsサーバーにBug Headを載せたものは出色であると思う。Linuxでは敷居が高い、と思っておられる方にもお薦めできる構成かもしれない。OS自体の負荷の小さいPC環境というのは音楽再生にとってはとても重要なことだと再認識した次第。PCオーディオはやはりOS、再生ソフトウエア、PCのハードウエア(+電源やノイズ対策)という三拍子の環境がきちんと揃って初めて素晴らしい音を聴かせてくれるんだなと納得。今回のCASE2の実験ではBug Headをメインとしたがその他のソフトウエア(JRMC、foobar2000、Audiogate)などでもこのWindowsサーバー環境下での効果は認識できるのではないかと思う。

(注記)この音を聴いてしまうとBug Headは最近の趨勢であるタブレット端末からのお気楽操作という環境が無いのが少々残念になる。しかし、そこはそこ、リモートデスクトップで対応すればまずまずはいける。

iPAD MiniからBug Head on Windows Serverを操作:


さて、これらの三通りの実験の評価内容から今後の当方のPCオーディオ構成をどのように発展させるべきなのか、思案している。ハードウエア環境としては、FANレスPCを最大限に活用し、このPCとUSB DDC/DACをIntona USBアイソレータを介して接続するという出力部分の構成・経路は当面不変であろう。となると、安直に考えつくのはマルチブート環境にして、VoyageMPDとWindowsサーバーを気分によって使い分ける方法か。Windowsサーバーを立ち上げた場合は、これをJPLAYのAudio PCとして、メインのデスクトップPCからコントロールすることもできるし、iPADやノートPCからリモートデスクトップ操作でBug Head再生環境とすることもできる。うむむ、、、、いずれも捨て難し。まあ、時の流れの中で、自然と良く聴く構成は絞られていくものと思うのだが、、、


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