オーディオ日記 第36章 歩き来た道の果て(その3) 2015年 9月29日


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デジチャンに対してデジタル入力を行う構成を指向しているため、かねてより4wayに向けての懸案であったマルチチャネルマスターボリュームについて、二つの機器を試すこととなった。ひとつはL-PAD抵抗を組み合わせたパッシブタイプ(5way用10チャネル)である。こちら(写真下段)はロータリー型のボリュームを3連、縦に軸同士を連結をしたもので、中央の大きなノブで5way分の音量を同時にコントロールする。減衰量は10チャネルすべて同じなので、デジチャンあるいはアンプ側で従来通りに各チャンネルの音量バランスをとるというもの。

もうひとつ(写真上段)はディスクリートアンプにより4way用8チャネルの減衰量を左右個別にコントロールできるという優れもの。こちらは各チャネルの減衰量をこれ一台ですべて設定することが可能。従って、デジチャンやアンプ側での音量調整は基本的に不要となる。設定後は右側にある「Master Volume」で4way分の音量を一括でコントロールする。

マスターボリューム二体:(下段がL-PAD型10chのもの)


永らくこのマスターボリュームの調達に関して、自作スキルのない当方としてはあれこれと悩んできたのであるが、この二つのタイプを同時試すことが可能となり大変浮かれている。実のところ一足飛びに4wayを試したいと気も逸るのであるが、ここはまず一息入れて6chマスターボリュームとして現在使っているAccuphase CX-260と置き換えて、3way構成でそれぞれのタイプの音をじっくりと聴き較べ確認してみることとした。3way構成であれば自分なりに何とか音が纏まってきたと思っているのであるが、4wayは未だ全然なので、ここでいきなり4wayの設定・試聴から入ってしまうとかえって混沌としてしまいこれらのマスターボリューム自体の音の確認が難しくなると考えたからだ。従って、少なくと一週間以上は3wayでまずじっくりと聴くと決めた。(誘惑はとても強いのだが、、、)

マスターボリュームテスト風景:


6chボリュームとして使用してきたAccuphase CX-260の代わりにパッシブ型ボリュームをセットして、まずはこちらからのテストを開始。接続をすべて変更しなければ二つのタイプを聴き較べられならないため、切り替えて比較テストすることは難しいと考え、あせらずにじっくりと当該タイプの特徴が理解できるまで聴き込むつもりでいる。しかし、僅かな試聴においてもこのパッシブタイプの特徴と良さがひしひしと判ってしまい、内心焦っている。現状はホーンドライバーとFPSの2つの3way構成で聴き馴染んでいる各ジャンルの音楽を聴いているのであるが、どちらも音がよりストレートとなり、鮮度感や明晰度が上がっているのだ。女性ボーカルなど、こうあって欲しいと思う音が拍子抜けするほどすんなりと出てくる。響きやホールトーンの質感も高い。信号経路に僅か二つの抵抗が入るだけ、というL-PAD型の音量調節のシンプルさ、良さが改めて実感できる。

オーディオにおいて、音量調節は非常に重要な要素、言い替えれば音質を落とす要因でもあるのだが、改めてそれを痛感しない訳にはいかない。もともと音量調節の重要さが判っているつもりでかってAccuphase C-290Vという(当方にとっては高額な)プリアンプを購入した経緯があるのだが、デジチャンへの移行、デジチャンへのデジタル入力の採用、必然としてのマルチチャネルマスターボリュームとなってきたため、暫定のつもりで導入した現状のCX-260が居座ってしまっている状況が続いていたのだ。もちろん現状は機器が変わったことによるある種の先入観、プラシーボ効果などがあるやも知れないので、ぐっとこらえてこの状態でさらに多様な音楽を聴いてみようと思っている。ただ、これで4wayに至る道が僅かであるが見えてきたこと、最終的に4wayに至るせよ、3wayに留まるにせよ、デジチャンに対してはデジタル入力+マルチチャネルマスターボリュームで行くべきであるとの確信が改めて持てたことは非常に大きいと思う。

(注記)
課題が無い訳ではない。いずれのマスターボリュームも当然ながらリモコンでの音量操作はできない。リスニングポジションから動かず、タブレット端末からの選曲とリモコンでの音量操作にどっぷりと慣れてしまっている当方としては、微妙な音量操作の都度席を立たねばならないのは多少辛いものがある。また、このパッシブ型マスターボリュームは音量操作ノブがセンターにあるため、先日製作した我が家のアンプクーリングシステム(?)とは極めて相性が悪いのである、、、


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