オーディオ日記 第32章 夢の通り道(その12) 2013年4月18日


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ぐぐってみると Bug Head Emperor を試された方の情報がボツボツではあるが散見できるようになってきた。多くの方に試してみて欲しい音楽再生ソフトウエアであるが、このソフトを使い倒すためにCPUを新調された方もあるようだ。

当方のHTPC(音楽再生専用PC)の環境では従来X2(88.2KHz)までの再生がCPUパワーの兼ね合いから精一杯であったが、何とかして176.4KHzへの4倍アップサンプリングにチャレンジをしてみたくなり、あれこれとやってみた。ちなみに、メインPCは4コア(AMD A8-3870K)であるため、CPU使用率はかなり高くはなるがX4でも再生可能なのだが、HTPCはDual Core(AMD Athlon 64 5600+)なのでほとんどCPUを振り切ってしまい、パワー不足で再生停止してしまうこともあった。しかしながら、パソコン部屋のメインPCで聴く4倍アップサンプリング(SnowX4)の音がかなり良いので、これを何とかリスニングルーム環境でも常用できるようにしたいと考えた。そこで、VoyageMPDやUbuntu StudioなどLinuxへ移行する以前にWindows環境であれこれとPCオーディオをいじって来た経緯があるので、その時にいろいろと試したPCのチューニングをBug Headのために再度適用してみようと考えた次第である。

OSの基本設定は「パフォーマンス優先」、「仮想メモリを使用しない」などであるが、当然不要なプログラムはなるべくインストールしないようにして、さらに Win Patrol を使ってスタートアッププログラムを弄って、不可欠なタスクのみ起動させ、それ以外は皆「disable」にしてしまう。Win Patrolだけでは停止できないプロセスもあるので、これは Fidelizer を使ってさらにプロセスを刈り込む。このFidelizerというのは少し行儀の悪い(注記)ソフトウエアなのだが、背に腹は代えられない。Fidelizerの設定はExtremistではなくCustomize(極力プロセスを停止するが、リモートデスクトップ操作のためにネットワークは生かしておくための設定)を使用する。

(注記)Fidelizerの行儀の悪さ:
設定画面でDefault Home Pageのチェックをはずしておかないと、ブラウザの設定が書き換えられてしまう。また、設定に基づきプロセスの刈り込みを行った後ブラウザが起動されこのソフトのホームページへ飛ばされる。

さて、これでどうかな? やれやれ、何とかかんとか176.4KHzへのアップサンプリングが安定して可能となった。ただし、CPUパワーが厳しいことには変わりは無く、音楽スタートまでのProcessing Timeは50秒ほども掛かってしまう。それでもSnowX4の設定がリスニングルームのオーディオ環境で聴けるのは嬉しい。(ただし、BlackX4はやはり無理)

さて、その176.4KHzへアップサンプリングしたSnowX4を我が家のシステムで聴く音であるが、44.1KHz/16bitの音源にも係わらずデジタル固有とも思われるような音の硬さや刺々しさは全く感じさせない。非常に滑らかでありながら、音の切れ込みや立体感が損なわれることも無く、素晴らしいまでの自然な音である。アナログの音のようなイメージもあるのだが、これはアナログとも違うと思う。背景がとにかく静かで澄み渡っている。ノイズ感が無く、非常にS/Nが高いとも云えるであろう。加えて音の穏やかさがあるので、音楽の佇まいや雰囲気が(特にクラシックには)しっくりとして、聴いていて楽しいし、何より音楽を聴いた満足感がとても大きい。AudioGateによる176.4KHzあるいは192KHzのアップサンプリングの音もかなり評価できると思っていたが、この音は次元が違う。192KHz/24bitなどのハイレゾ音源と比較しても決して遜色がない。交響曲や管弦楽曲(注記2)を音量を上げて聴くと何ともスカッとして気持ちの良いこと!44.1KHz/16bit音源で正直ここまでの音を我が家のシステムで出してくれるのであれば、高価かつ選択肢の少ないハイレゾ音源を敢えて購入する意欲が薄れてしまう、、、

(注記2)一例として、 Reference Recordingsのサンプラー から「Tutti!」:
 (気分爽快なオーケストラが聴けて楽しい!)

Black2X1(44.1KHz)やBlackX2(88.2KHz)の音もとても良いと思っていたが、やはりX4(176.4KHz)の音を聴いてしまうと人情としても後戻りはし難くなる。しかしながら、Processing Time(PLAY指示から音楽再生が始まるまで)が50秒も掛かってしまうので、これではとても操作性が良いとはお世辞にも言えない。我が家のメインPCのCPU(3.0GHzX4)でも15秒~20秒程度かかるが、このタイムラグは10秒くらいが限度だと思う。やはり、この際はパワーのあるCPUに交換すべきだろう。さてさて、どんなCPUにしようか。

(参考1)Win PatrolでStartup Programを不可欠なもの以外をDisable:


(参考2)Fidelizerの設定画面:


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