オーディオ日記 第30章 遍路(その5) 2012年4月19日


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USB DDCについては、結局、TENOR TE-8802LをベースとしたDDC192-FD-SPW(キャッスル電子)をメインとすることとした。XMOSベースのJAVS X-DDCは機能的に面白い部分があるのでサブシステム用とし、実験的にいろいろと遊んでみようと思っている。

左:JAVS X-DDC 右:DDC-192FD-PW
TENOR TE-8802L

さて、DDC192-FD-SPWであるが、我侭を云って、少しカスタマイズをしていただいた。デジタル出力は通常同軸であるが、AES/EBU(パルストランス経由)を追加し、同軸はパルストランス無しという構成である。普段はAES/EBUを使用するつもりであるが、パルストランスの有無による音の変化も楽しもうと思う。また、外観で少し気になっていたLEDの色(赤と緑)については、青に統一してもらった。率直に申し上げれば、このようなあまり高価とは云えない機器について、このような対応をしていただけたのは大変ありがたく、メーカーならびにご担当の親切にはこの場をお借りしてお礼を申し上げたい。なお、その他の仕様であるが、アナログAC電源や電源線をカットしたUSBケーブル等は標準のままである。USBケーブルについては、線材など工夫の余地(遊びの余地?)がありそうなので、自作ケーブルを いろいろと試してみようと思っている。特に、USBケーブルのGNDに抵抗を入れる、という面白そうな技を技術者の方からご教授いただいたので、はたして抵抗の有無や容量でどのような差が出るのか、出ないのか、これからゆるゆると遊んでみようかと。

二つ並べて聴き比べながらエージング中
TENOR TE-8802L

なお、先にも書いたが、USB経由でデジタル出力を取り出すに際しては、PCからのUSBバスパワーを使用しない、USBケーブルも電源線をカットする、という2点がはずせない、との確信に至った。翻って、XMOSあるいはTE-8802L等々のチップ自体の差は我家での比較試聴の限りでは、明確に言い当てられないレベルなので、使用されているチップにこだわることはなかろう、との取りあえずの結論。先に試聴したDC-901にもこのチップが使用されている(Windows環境のみの試聴なのでベストではなかったかもしれない)が、VoyageMPDにて納得の再生パフォーマンスを示してくれる。XMOSのDSD対応なども含めた可能性、発展性には大きな期待と興味もあるのだが。(なお、JAVS X-DDCはXMOS USB 2.0 Reference Designとは違い、ユーザーがファームウエアを更新できる仕掛けはない)

現状の音楽再生においてはベストと思える機器を揃えて置きたい。DDC192-FD-SPWは実験的な要素は少なく(電源もアナログAC電源が内蔵なので弄れない。ただし、この点はACアダプター等の小間物の設置場所をあれこれ考えずにすむ、という利点もある)、またパルストランスを使用していることも関係あると思うがクラシック系の音楽を聴く割合の多い当方にとっては穏やかさと解像度のバランスがとても好ましく感じられる。QA550を完全に凌駕したとは云いきれないと思うが、透明感のある静けさと充実した低域に支えられて、音楽を聴くことにより集中できるという点で、現状はメインシステム用のUSB DDCとして位置付けた。まあ、とは云っても、あれやこれやといろいろと弄くって遊んでみたくなる(当面はUSBケーブル回りか?)のが、この趣味の醍醐味でもあるので、まだまだゴールという訳ではないかもしれない。


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