オーディオ日記 第28章 オーディオへの想い(その14) 2011年 9月17日


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XMOS USB2.0 Reference Designをしゃぶりつくそうとあれこれ遊んでいる。基本の使用形態はVoyageMPDに対するUSB DDCとして考えているのであるが、一通りの入出力機能を持っているので、これらを各OS環境等でまずは確認してみた。テストしたファームウエアのバージョンは3.02である。
XMOS temporary case

なお、Windowsにおいてはドライバーが3種類選択可能であり、ここでは2種類を試してみた。ドライバーにより若干の差異があるようなので、お勧めはすべての機能を網羅しているThesyconの評価用標準ドライバーであろうか。ファームウエアのバージョンもドライバーのコントロールパネルで確認できるし、何よりASIO対応となっている点が宜しいと思う。

Voyage MPD環境
1.デジタル出力:192KHzまで可
2.アナログ出力:192KHzまで可
(注記)Voyage MPDではアナログ入力用のソフトウエアなど未把握なので実施していない。LinuxとしてはUbuntu Studio上のAudacityでアナログ入力機能確認すべきであるが、現時点では未実施。追って確認しようと思う。

WindowsXP環境(Thesyconドライバー使用:XMOS評価用標準ドライバーの位置付けでASIO対応)
1.デジタル出力:192KHzまで可
2.アナログ出力:192KHzまで可
3.アナログ入力: 可(確認したのは24bit/96KHzまで)

WindowsXP環境(CEntranceドライバー使用:コントロールパネルでデフォルトのサンプルレートが指定できる)
1.デジタル出力:192KHzまで可
2.アナログ出力:192KHzまで可
3.アナログ入力:不可(ドライバー上サポートされていないようである)

XMOSのアナログ入出力については、可能である、というレベルで捉えた方が宜しいかもしれない。入出力ともUSBバスパワーにおける電源供給能力の関係と思うが音量レベルがかなり小さめであることや入出力端子がヘッドフォンなどと同じようなステレオピンジャック方式であることなど、メインシステムでの再生用にはちょっと利用し難いと考える。

当方はアナログレコードのデジタル化(録音)にONKYO SE-200PCI/SE-150PCIを使用しているのであるが、XMOSに変更可能であれば、もう一枚XMOSを購入して、環境を更新しようかと考えていた。しかしながら、上記の通り、XMOSを経由したアナログ入力(Audacityを録音アプリとして使用)では、音量レベルがかなり低くなってしまうので、適切なレベルにするためには音量の正規化または増幅をアプリケーションのレベルで行う必要がある。このため、音質の観点からもこのままでは直ぐ環境変更とはならない点は少し残念であった。まあ、これはあくまでも開発評価用ボードということなので仕方ないとは思うが。ただし、XMOSを採用しているDDCやDACで録音機能を持っている製品はちょっと思い当たらず、せっかくの機能を生かししていないのはニーズが少ないこととも関係あるとは思うが、少し勿体無い気もする。

なお、XMOSの現時点での最新ファームウエアは3.3であるので、開発ツールキットと合わせてダウンロードし、バージョンアップにもトライしてみたが、理由不明のエラーが発生してしまい、あれこれトライしたがうまくいかず、現在対応はペンディング中。XMOS社にサポートチケットを切って、照会確認しているところである。

XMOSの音質については既にかなりのメーカーのUSB DDC/DAC製品に採用されていることもあり、個人的にも相当評価できると思うが、デジタル出力を同軸に変更(改造)することにより、より高音質が期待できるとの情報もある。トライしてみたい気もするが、当方の技量では基盤を壊すのが落ちなので、現在は躊躇・自重している。2枚目を購入した暁にはチャレンジして見ようかと。

ところで、いろいろなテストの実施に際し、裸状態の基盤では心配なので、画像のように厚めのアクリル板でXMOSのテンポラリー用のケースをちょっと暇つぶしにて作成してみたが、結構重量がありケーブリングがやり易くなった。将来的にはALIX3D2と同居させるようなアルミケースを想定してはいるが、肝心のALIX3D2が未調達なので、まだ自作ネットワークオーディオ機器としてのケースのサイズやレイアウトは決めきれてはいない。


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