オーディオ日記 第27章 この先にあるものは (その7) 2011年6月 1日


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既に6月だというのに今日は少し肌寒い日である。だからという訳ではないが、本日はモーツアルト三昧を決め込んで昼過ぎから木管系やピアノ系、弦楽系と割りとシンプルな編成の曲を選んでは聴いている。いつからこんなにモーツアルトに惹かれるようになったのか自分でも定かではないが、20代の頃は比較的華やかなピアノコンチェルトやシンフォニーを好んで聴いていた(もちろん今でもそれらが好きであることには変わりはないが)。然るに、40代に至らんとする辺りから弦楽四重奏やピアノソナタ、バイオリンソナタなどある意味で枯淡の境地とも云える楽曲に魂を揺さぶられるようにもなり、これらの音楽に己の心を委ねるようになってきた。60代に至らんとする現在、この傾向が強まっているようにも思う。オーディオ的に考えれば、よりシンプルな楽器編成の曲で、楽器本来の音色、響きの美しさ、音のリアリティや一切の混濁感を排した透明感のある音の佇まい、これらを希求するようになってきているとも云えるであろうか。その意味で、オーディオに求めるものは音のダイナミクスから音の純度というものに変化してきているように思う。その求めるものに対して、我がシステムがきちんと呼応し、実践できているのかどうか、いろいろと手を尽くしてきてはいるものの、率直に云えば自分自身決して確かではない。

シンプルな楽器編成の曲に純度を求め過ぎると、時として体に突き刺さるような音にもなりかねず、その辺りの兼ね合いをどうオーディオにて実現するのか、これも結構難しい。原音に忠実に、という主義主張をするつもりはあまり無いので、心地良く聴けることが大切と考えている。本日のモーツアルト三昧を決め込むに際して、先に紹介した OzoneMP というWinamp用のPlug-in(DSPモジュール)の設定を少し変えてみた。このOzone MPはTube Soundのシミュレートのみならず、音のDry/Wetのコントロール、Room Sizeの設定がOn the Flyで出来るのであるが、この設定において、心持ちではあるが、従来よりやや広めの空間のイメージとWetの方向に音を振ってみた。もとより楽曲の性格から大音量で聴くような音楽ではないので、このような設定をすることによる影響は小さいと思うが、音楽がより心地良く感じられるようになった。もちろんオーバーな設定にしてしまえば、違和感が出てしまうことはDSPの機能・性格上当然なのであるが、控え目な設定の時に、非常にうまく音楽の雰囲気を「磨いて」くれる。録音の古いソースの場合、時に音の潤いや空間の広がりが足らない場合があり、素のままでは居心地の悪い音楽もある。そのような場合にも、その辺りをうまく演出してくれると云えるであろうか。このような音作りの功罪を敢えて議論するつもりはないが、オーディオ的にも音の質感を落とすことなく(これが最大のポイントであるが)、このような対応が手軽に出来る秀逸な「ソフトウエア」だと思う。プロの世界では以前より当たり前であったことが、PCオーディオの時代になって非常に手軽に楽しめるようになったことを改めて感謝する次第である。

参考までに、本日のOzone MPのRoom Simulation設定画面を紹介しておく。設定のポイントはRoom Size、Dry/Wet Mixの部分である。このくらいの設定が我が家のシステムでは塩梅が宜しいようである。

Ozone MP/Room Simulation

合わせて、Tube Simulationの設定値もご参考まで。
Ozone MP/Tube Simulation Ozone MP/Tube Simulation


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