オーディオ日記 第27章 この先にあるものは(その4)2011年5月5日


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PCオーディオ用の楽曲ファイルをNASへ全面移行した。従来は再生専用PCに内臓させた3.5インチHDDにファイルを溜め込んだローカル仕様であったが、これを無線ルータに直接ぶら下げたHDDに置くという簡易タイプのNAS方式へ変更したもの。これにより、再生専用PCはSSDのシステムDISKのみとなるので、静音化にも貢献できるし、何よりNAS化にて楽曲ファイルを全PCにて共有できるようになる。この目的のため、無線LANルータならびに各PCの無線LAN環境を高速なもの(11n、300MB対応。実測は50MB 程度なので倍速モードで使用)に変更して実験を進めて来た。当方の環境ではルータが2階に設置されており、1階のリスニングルーム(実態はリビングルームであるが)との間を有線で接続することは物理的に難しいため、無線LANとせざるを得ない、という状況にある。一般的なネットワークオーディオ機器は基本的には有線LANでの接続を前提としているが、これを速度的に不利な無線LANにてNAS化を図ろうというもの。無線LANであっても、16bit/44.1KのFLACファイルであれば再生音への影響がほぼないことが確認できたので、本日全面的な移行を行ったという次第。実施に際してはPC周りで予期せぬ(想定外の)トラブルが発生し、結構時間を費やしてしまったが、約12,000曲が何とかNAS環境下で再生可能な状態となった。

PC関連の基本的な変更作業内容は以下の通り。
1.余っていた外付けUSBタイプのHDDをFAT32にて再フォーマットし、これに楽曲ファイルをコピー。(これは量が多いため結構時間がかかった。)なお、当方の無線LANルータのUSBポートに直接外付けHDDを接続する構成ではNTFSがサポートされておらず、FAT32にせざるを得なかったが、汎用性を考えるとこれは将来的にはやはりNTFSによる専用のNASに変更すべきと考えている。なお、当該HDDにアクセスが15分間無かった場合は省エネのため、スピンダウン(自動停止)するようにしている。
2.無線ルータとPC間は「11n倍速モード(40MHz帯域)」のLAN設定とする。
3.各PCからはHDDをネットワークドライブ(Z:)として見えるように設定する。
(注記)スピンダウンしたHDDないしは切断されたネットワークドライブに再度アクセスする場合等は「net use z:」のコマンドが必要となるので、これはショートカットを作成しておき、1クリックで対応できるようにしている。
4.再生ソフトであるWinampのマスターディレクトリをZ:ドライブ上の楽曲ファイルを収めたフォルダーとし、プレイリスト等は全てZ:ドライブを参照する内容となるよう再作成。(プレイリストそのものもNAS上に置いているが、プレイリストまで共有するという点は複数台のPCがある環境では結構重要と思う。)
5.Winamp上では(念のため)44.1KHzでリサンプリングを行う設定とした。また、ASIOのバッファー、フレームサイズを(念のため)心持ち大きくした。

以前の実験では、24bit/96KHzにおける再生において音切れ等が発生することがあり、一旦は躊躇していたが、16bit/44.1KHzであれば、音切れ等も無く、(現在のところ)音質的にも問題が無いが、念のため再生専用PCでは44.1KHzでのリサンプリングをさせたり、バッファーサイズを大きくしたり、とそれなりの対策を行ってみた。効果があるかどうかは微妙であるが。

当方のPC環境では各種OS(XP、VISTA、LINUX、など)合わせて、6個ものOSが稼動しているため、約200GBとなる楽曲ファイルを各PCから共有をし、かつ一元管理をする必要性を前々から痛感していた。内臓HDDの構成では、それぞれのPCに同量のHDDスペースが必要となってしまうし、何より各PC間のライブラリーの同期を取るのが相当に面倒であった。NAS化による一元管理化ではバックアップが超重要となるが、音質的な問題が無ければ管理上のメリットが非常に大きい。なお、現状での唯一のデメリットは、無線ルータにUSB接続したHDD構成であることにも関係しているのかも知れないが、やはりNASへのアクセス速度が遅く、多少操作性が気になる点。元々iPod Touchにて再生専用PCをコントロールしていることもあり、若干のもたつきは今までもあったが、これがさらにもっさりとしてきた印象である。この点は何とか解消したいものと考えている。

続けて、cPLAYの再生環境も変更し、こちらも同様にNASに置いたCUEファイルを読み出す方式とした。cPLAYの場合は、FLACファイルをメモリに読み出すので、NAS環境下であっても再生音には影響が一切無いはずと一応は論理的には考えているが、どうなんだろう。なお、WinampとcPLAYの比較であるが、やはり内臓DISKに楽曲を置いているケースと同様に微妙な差があり、比較すればやはりcPLAYに軍配は上がる。ただし、cPLAYではCUEファイルに指定された楽曲ファイルをNASから最初にメモリに読み出す処理を行うのであるが、この時間が心配していた通りかなり掛かる。親切なソフトウエアなどと違って、cPLAYでは読み取り状況や残時間などが表示されるわけでは無いので、じっと待っていなければならない。これは率直なところちょっとしんどいが、まあアナログ的な再生の儀式と考えるしかないか。

VISTA環境ではWinampにてWASAPIを使用する環境へと変更した。従来はVISTA環境でもASIO4ALLを使用していたが、96KHzでの再生が何故か安定しないこともあり、WASAPIを今後は常用することとした。 (Plugin はこちら) AISO4ALLとWASAPIの差があるかもしれないが、当方の駄耳では判別できず、のため安定性を重視した次第である。


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