オーディオ日記 第27章 この先にあるものは(その3)2011年4月18日


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サブスピーカーのJM Lab VEGAをバイアンプの駆動方式に変更してみた。元々サブスピーカーなので、リラックスして聴ければ良い、と考えていたこともあり、バイアンプ駆動については思いが至っていなかった。当方のオーディオ日記の昔の章を読み返していたら、メインスピーカーのマルチアンプ最終型へ至る悪戦苦闘の過程において、バイアンプの効果がかなりあることを力説している部分があった。バイアンプの効果について、VEGAでもこれを参考として実験してみようと思いついてトライしてみたもの。結果であるが、これがやはり期待以上に良好で、そのままバイアンプ駆動の方式を恒常化することとした。サブスピーカであってもしっかりと音を追求し、やるべきことはやらねばならぬ、と改めて反省した次第。VEGAの低域と中高域のクロスオーバーは200Hでバイワイヤリングできるような端子となっているので、トライといっても非常に簡単な内容である。従来はVEGAを聴く際には、一台のパワーアンプだけで駆動していたので、まず、プリアウトのアンバランス出力をもう一系統取り出しパワーアンプに接続、当該パワーアンプから中高域用の端子にスピーカーケーブルをワイヤリング。従来使用していた方のパワーアンプは低域専用とし、低域と中高域を2台のパワーアンプで個別に担当させる方式である。従い、メインのシステムとの切替時には、①ブリッジオペレーションからノーマルオペレーションモードに切替②入力はバランスからアンバランスへ切替③スピーカをA系からB系へ切替、という3種類の設定を変更を2台のパワーアンプに対して行うという手間は増える。

バスレフポートの横にある入力端子。この写真ではバイパスピンを使用した状態。  
VEGA Rear Side

さて、肝心の音であるが、一聴して顕著なのは低域の充実感と高域にかけてのクリアーさのアップである。このためか、音楽のジャンルについてよりバーサタイルに対応できるようになったと実感。どのようなジャンルでもしっかりと楽しめる音を聴かせてくれる。また、音量をアップさせた時のパワーハンドリングもかなり向上し、パワフルにも鳴ってくれる。ディバイディングネットワークを使用する普通のタイプのスピーカシステムでも、音の追い込みとしてはバイアンプシステムはやはり明確に有効であり、この対応はもっと早くやっておくべきであったと反省。なお、イコライズの設定内容はメインシステムとは大分異なるのであるが、出てくる音のイメージや聴こえはかなり似通ってきたという印象。メインシステムとサブスピーカの特徴がしっかりと出ていることが本来は望ましいと考えるので、この似通ってきた状況が果たして良いことかどうかは微妙である。また、サブスピーカの位置付けは3台ものパワーアンプを使わないという省電力の要素を含めて、気楽に聴き流す、ということが元々の趣旨であったので、これに反することにもなってしまう。やはり音が良い、ということがオーディオ道探求においては第一条件であり、そのための諸々のハードルは、結局はあっても無いが如しとなる。オーディオ道に迷い込んだ人間の悲しい性かも知れぬが。このバイアンプ駆動のVEGAをこのところ堪能しており、メインシステムの出番が減ってきてもいるような状況でもある。

なお、今回は低域と中高域を分けたバイアンプ駆動の方式を実験したが、続いて、1台のアンプで片チャネルの低域、中高域を分割駆動するパラレルバイアンプ方式を実験しようと考えている。これには多少結線に留意(同じケーブルを揃える等)が必要となるので、後日改めてのトライを考えているが、同じパワーアンプ2台があれば、こちらの駆動方式の方がより望ましい訳で、ケーブルの購入を含めて密かにプランを練っている次第。


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