オーディオ日記 第27章 この先にあるものは(その1) 2011年4月4日


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このオーディオ道探求をテーマとした日記について、1997年から記録を開始して既に14年の歳月が過ぎて行った。紆余曲折の中で悪戦苦闘し追い求めてきた、モーツアルトを半分居眠りしながら心地良く聴く、という目標のシステムに仕上がってきたのだろうか。時に思うのは、あまりにも重厚な機器設備になり過ぎて、どこかに不調があれば再生される音楽が直ぐに破綻してしまいかねないし、その原因を判別するだけでも結構な時間と労力を消費する。それが趣味の道と云えばその通りなのであるが、時にサブスピーカーあるいは別室のサブシステムであまり音の意識をせずに、拘りを持たずにリラックスして聴き流せる音楽にも幸せを感じることも多い。もちろんメインシステムのいろいろな経験値を可能な限りフィードバックしているので、サブシステムではあってもある種似たような音の性格になっているのかとも思うが。一方で、相応の音量で、メインシステムの力量を開放させた場合は今や全くの不満がない、というレベルになった。SONYのユニットは一般的な評価では「音が薄い」とも云われているが、実在感を求めるレベルの音量で、ある時間聴き続けることに全くと云って良いほど、圧迫感が無く、聴き疲れもほとんどない。ただし、常にこの様な聴き方をする訳でもなく(むしろ時間的には少ないか)、小音量でBGM的に聴くのであれば、サブスピーカー、ないしはサブシステムで充分であり、逆にメインシステムでわざわざBGM的に聴こうとは思わない。

当方はこの四月からは長年のサラリーマン生活を卒業して、晴れて(?)無職となった。憧れ続けた趣味や旅に大いに時間を割ける身分になった訳である。さて、このような中で、今後はこのオーディオ道をどのように巡礼し、旅して行くべきであろうか。マルチアンプシステムの完成には思った以上に時間がかかり、ユニットの変遷もあったが、一応の落ち着きを見せた状況で推移している。舞い戻ったアナログ再生環境も最上を極めたとは云えぬかもしれないが納得できるレベルにある。デジタルはやはり評価が難しい面があるが、前章のDACならびにクロックジェネレータの導入にてやっと一連のデジタル機器のコントロールにも納得を得た。ただし、この熟成にはもう少し時間がかかるだろうと感じている。PCオーディオはまだまだ途中経過であり、さらに可能性を追求しなければならない。一方で、当方は単に再生を目的としたシステムを求めているので、汎用的なPCをベースにすべきかどうか、については悩みがある。音楽を気軽に楽しむ、という観点で素朴に考えれば、やはり現状の汎用的なPCをその土台とすることは、操作性の観点から完全には賛成、納得できるものではなく、ネットワークオーディオプレーヤー的な機器に軍配が上がると思う。PCオーディオは新しい環境の種々のチャレンジを実践するには非常に適しており、また、自分でいろいろな再生の仕組み(音楽ファイルの形式や再生ハードウエア、ソフトウエア環境)を勉強し、紐解くのにも向いており、このようなステップを踏んでいくことはやはり必要であろうと思う。ただし、オーディオ機器になった瞬間に価格のレンジが一桁上がってしまうこともあり、その辺りにはどうしても釈然としない思いが残る。

左様に、オーディオと言えど諸行いろいろとある中で、この先にあるものを見極め、良いものは積極的に取り込んで行こうとは思う。ただし、現時点では次のステップを明確にイメージできている状況にはなっていないが、やはりチャレンジしたいのは、デジタル領域であり、やり残し感があるのは、DDCによるアップサンプリングやデジタルイコライジングの部分である。192K対応のDACやクロックジェネレータを入手したこともあり、これはチャレンジしたい点である。192K対応のDDCは大分製品が出てきたが、デジタルイコライザともなるとAccuphase DG-48は192Kには対応しておらず、次の製品(DG-58がそろそろ出るころか?)を待たねばならない。プロ用機器にも製品は少なく、現在のところ、これはという明確なターゲットを見出せてはいない。ちょっと出費が続いたこともあり、それぞれの機器の練り上げと音楽を楽しむことをしばし優先して行こうかと。


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