オーディオ日記 第26章 さらなる高みへ(その6) 2011年 1月 1日


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新年を迎えた。このところ良い天気が続いており、穏やかなお正月である。明日は家族で初詣へ行く予定なので、本日は時間がたっぷりあり例によってオーディオ三昧を決め込んでいる。昨年手に入れた Ozone MP  をVEGA用のセッティングにて追い込んで手嶋葵のボーカルを聴きながら、この駄文を書いているが、こういうDSPモジュールがうまく壺に嵌ると結構良い、と感心してる。VEGAはもともと女性ボーカルをかなり得意とするのであるが、それに若干の落ち着き、あるいは暖かみというか、ゆったり感が加わり最高である。さて、そのOzone MPの設定であるが、パラメトリックイコライザ機能の設定ははずしてしまい、ルームサイズのコントロールとTube Soundの設定を中心としている。まずルームサイズであるが、ボーカル系を聴く時は少しオケよりはコンパクトな空間サイズとして、音が散漫にならぬよう留意している。Tube Soundの設定であるが、低域は90Hz以下に厚みを加え、6.3KHz以上に輝きを加えている。全体としては少しダンピングを効かせつつ、Warmthを意識したという設定であろうか。機器の接続構成は、PCからの出力をDDCにて24bit96KHzにUpsamplingさせてから、DEQ2496にてVEGA用のイコライジングを行う、というもの。この構成はCDやその他のソースの再生時と同様であり、PCオーディオによる再生時との違和感が出ないようにするため。なお当初は、PCのDSPモジュールで味付けをし、DDCでUpsamplingさせ、そしてイコライザとあまりに多段過ぎるのではないかと心配したのであるが、さすがにデジタル領域での操作とあって音質的な劣化は感じられず、むしろメリットも大きいとひと安心している。

なお、Ozone MPを使用していて気がついた点であるが、MP3の再生時によりTube Soundの効果が感じられる。当方はPCオーディオとしてファイル形式はFLACをメインとする方針としているが、当初はMP3でスタートし、途中でFLACへの切り替えを図ったこともあり、まだMP3(ビットレートは256K)のファイル形式のものがある。MP3をそのまま聴くと、どうしても高域方向に漂うような質感が感じられなくて、いまひとつ納得できないのであるが、このOzone MPにて多少のお化粧?をした音で聴くと、そのような不満が不思議なことに大いに減じられる。不可逆圧縮をする際に失ってしまった空気感が補われるということなのだろうか。Tube Soundというのは「一種の歪みでもある」と当方は理解しているのであるが、エンハンサーを適切に使用すると音を磨き上げられることも事実であるし、そもそもTube Soundを売りにするエンハンサーも多い。多分これらと同じ理屈なのであろうとも思うが、やはり音の世界は不思議である。論理的なことも重要であるが、やはり聴感も大事にしなけれならないと、つくづく思う次第である。


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