オーディオ日記 第26章 さらなる高みへ(その3) 2010年12月11日


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EM-DAC 4399Q2の初期エージングは一応完了と思われ、いくつかの接続法を比較してみた。結論的にはCDトランスポート、PCからDDC(SRC2496)を経由させる接続とし、DDCにて24bit96KHzへアップサンプリングした上で、DEQ2496にてイコライジングを行い、その出力をEM-DAC 4399Q2に入れる構成が今のところ、ベストと考えている。この場合、DACへの入力段階で既に24bit96KHzとなっているので、DACでの192KHzへのアップサンプリングは行わせていない。敢えて2度のアップサンプリングを行うことは不要と考えているためである。なお、PCからの出力についても、WINAMPでの再生時にアップサンプリングは行わず、16bit44.1KHzのデジタル出力をそのまま取り出し、DDCにてアップサンプリングを行わせている。



16bit44.1KHzの状態でイコライザを通すケース、アップサンプリングを全く行わないケースや最後にDACで192KHzへアップサンプリングするケースなどいくつかの実験をしてみたが、やはりCDトランスポート、PCからの出力を真っ先に24bit96KHzへアップサンプリングしてしまうやり方が一番スムーズで感覚にマッチする音となる。これは特に16bitから24bitまでビット深度を拡大した上でにてイコライザ処理を行わせることが音質の観点から効果的なのではないか、と推測している。また、このDDC(SRC2496)はジッターを低減させる機能もあるので、その辺りも多少の貢献があるのかもしれない。(なお、SRC2496にはこのほかにもAES/EBUとS/PDIFのフォーマット切替などデジタル領域でいろいろとコントロールが出来る点重宝している)

アナログディスクの場合はDEQ2496への入力時点で24bit96KHzへAD変換されるので、これをイコライジングした後、EM-DAC 4399Q2へ送り込んでいる。この場合もデジタルソース再生時と同様にDAC側ではアップサンプリングせず、DA変換だけさせている。

さて、この構成で聴く現在のEM-DAC 4399Q2の音であるが、一言で表現すれば「自然なごく普通の音」と云える。実はこの自然な音、と言うことが案外難しいことであり、その点特筆ものである。とにかく、ここがどう、あそこがどう、とあれこれ注文を付ける必要が全く無く、ただ音楽に身を任せていられる。ボーカルものでは聴こえてくる声にひたすら痺れていれば良く、ピアノでも弦でも音にまみれ、音に埋もれ、音楽に心を開放できる。これは結構稀有なことでもあり、また非常にありがたいことに、しばし「オーディオ」であることを忘れさせてくれており、製作者のEMISUKEさんに感謝である。

本日購入したSTEREO SOUND誌にESOTERIC K-01、K-03の記事があったが、こちらもなかなか評判が良い様であるので、一度じっくりと比較試聴してみようと考えている。なお、このDACの製作者である EMISUKEさん はK-01と同様にAK4399を左右4個づつ合計8個を使用するDACの製作を検討中とのこと。左右二つ、合計4個のEM-DAC 4399Q2でこのパフォーマンスなので、いったいどういう音となるのか、ちょっと期待も頭をもたげてくるというもの。


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