オーディオ日記 第24章 回帰(その9)2010年 3月 7日


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引き続きVEGAとメインシステムを対比させながらのチューニングを実施している。メインシステムを見習った三つ山特性では、どうもボーカル帯域に強調感あり、サ行の子音に気になる点が出るため、いろいろと試行錯誤しながら、ボーカル帯域の少し上の700Hzをマイナスの設定とした。合わせて、低域の量感を確保しつつ、超高域部分にも味付け。この辺りの設定は従来とは多少違う設定のアプローチであるが、本日時点の評価としてはかなり○である。ボーカル帯域にまだ僅かの子音強調感はあるもののソース依存であり、全体としてはかなり落ち着きが出て、いろいろなジャンルのソースを万遍無くこなせる帯域バランスとなった。この設定で聴く手嶋葵のボーカルはまさに本領発揮とも言えるほど。このレベルの音がやはりVEGAは出せる力量のスピーカーであり、見立ては間違っていなかったと満足している次第。聴き比べつつメインシステムについても若干の設定変更をしてみた。まずは700Hzの持ち上げ量を減らし、2.5KHzの下げ幅を小さくして、所謂三つ山特性を小振りにした。また、超高域については7KHzを持ち上げていた部分を10KHzへと上方移動。この設定で聴くメインシステムは、従来やや落ち着き過ぎ、あるいは大人し過ぎる感触があったものから多少メリハリの感じられる、ある種くっきりした音立ち。これはこれでかなりいけると思うので、DEQ2496上のテスト設定としてメモリに入れておき、しばらくは聴き比べようと考えている。

なお、音の傾向としてはメインシステムとVEGAが大分似通ってきたようにも感じている。かの菅野沖彦氏も複数のスピーカーの音が似てくる、という表現をSTEREO SOUND誌で書いていたようにも思うが、まさにそれかもしれない。なお、VEGA単体としては非常にクリアーかつ力感のある音であるが、比較すればある部分の低域については膨らんだ感覚が残る。この辺りはまだまだ追い込みが足りていない点かもしれない。また、ある程度音量を上げた状態であっても音の輪郭は崩れずしっかりと音楽を奏でてくれるし、気に障る部分も少ない。比較してのメインシステムは表現が難しいが、音の静けさあるいは奥行き感のようなものにアドバンテージがあるように感じている。いずれにせよ、ここまで両システムのセッティングが進み、それぞれ音の纏まりが出てきたことは素直に喜ばしい。このような状況となると、敢えて機器の追加導入というアクションを取り難くなってしまうかもしれない。10年を超えて、長いことこの作業記録を付けて来たと思うが、それなりの成果、満足度があることは甲斐が在ったというものである。さて、ここらで24章を終了とし、次からは新しい章をスタートさせることとしょう。


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