オーディオ日記 第22章 新たなる旅立ち(その3)2008年11月23日


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このところ更にコンピュータオーディオ(?)にはまって、より良い音とすべく挑戦を続けている。オーディオ本体の基本的な構成はほとんど変わらずであるが、高域のリボンをP-102からDual Outの構成で使用している。つまり、リボンにはF-20にて800Hzクロスオーバー後のアウトプットをさらにDN-8Pを経由し12KHzで切って入力としている。これによりリボンのレベルはかなり下がっていると思われるが、逆にあまり存在感の強調が無く、まあまあ自然なので、現状はこれで通している。従いE-302はパソコンルームに戻っての活躍となっている。パソコンルームでは逆に中域のドームスピーカーにトランスアッテネッターを使い、-3dB程度の設定としている。 これはS-955のアッテネッターにガリがあるのとあまり音質的にはよろしくないような気がしたのでやってみたが、こちらはこれで、結構よろしいようである。

さて、パソコンからの音楽再生については、いくつかの試行錯誤を行っている。ひとつは音楽ファイルの形式である。従来はMP3をベースにビットレートである程度の音質を保つべく、256Kや320Kを試してきたが、いろいろとネットでの検索をかけた結果、MP3系のロッシー(不可逆圧縮)ではなく、ロスレス(可逆圧縮)がデータサイズはあまり小さくできないが、音質的には建前はCDと全く同じレベルとなるので、こちらの形式をいくつか挑戦してみている。可逆圧縮については、iTunesではApple専用のALAC形式しか使用できない。その他の形式(たとえばFLAC)などは比較的多くの再生ソフトウエアがサポートしているため、再生ソフトと形式の組み合わせを考慮しなければならない。現在試行中の再生ソフトはWinampと呼ばれるもので、大枠の使用方法は比較的iTunesに似ており、MP3は当然として、FLAC形式、ALAC形式その他の可逆圧縮の多くを基本としてあるいはプラグインでサポートしている。確かに可逆圧縮形式の方が、音が良いようにも思えていたが、まだやはりベストには遠いと感じていた。さらにネット検索で調べるとOS上のソフトウエア的なミキサーを通すことにより、かなりの音質劣化の恐れがあることを指摘されていた。これを回避するためには、ASIOドライバというものが不可欠であるが、このドライバは限られたオーディオインターフェースでしか利用できず、当然我が家のデバイスでは無理。さらに調査を進めたところ、WindowsのOSカーネルを通らない、ASIO4ALLというドライバ(?)ソフトウエアの存在がわかった。このドライバは音質を考慮した再生ソフトからはプラグインなどを通して利用することが可能。上記のWinampもこれをサポートとしている。早速ダウンロードし設定してみると、なんとこれが「気のせい」という以上の音質改善の効果があることが判った。ただし、カーネルミキサーを通らない、ということからソフトウエア的な音量調整はできず、オーディオ装置側でのボリュームコントロールが必要となる。 どちらかと云えば、このようなセッティングが本来当たり前のような気もする。しかし、この音質向上は大変ありがたく、FLAC形式であればかなり(通常のCD再生との比較においては、CDの方がやや音が軽く、繊細さが出る。一方、PC再生では多少低域の厚みが出る感じがし、高域が欠落しているという訳でもなく、優劣がつけにくい。ただし、ニュアンス的な違いは確かにある。今後この辺りを厳密に追って行きたいと考えているが)、MP3であっても従来の再生音を凌駕していると思われる。 ただし、このASIO4ALLに関してiTunesは残念ながらサポートしていない。再生ソフトとしてのiTunesは、操作性は良いもののファイル管理に関してはかなり癖があり、泣かされてきたので、これを機会にWinampに移行を考えている次第。 ただし、iPodについては、やはりiTunesからの管理が必要となるので、こちらはこちらで継続利用となりそう。幸いなことに、WinampからiTunes用のMP3ライブラリを取り込めばOKなので、この点はそれ以上の作業がなく、大変ありがたかった。

FLAC形式のファイルについては、別途EAC(Exact Audio Copy)というリッピングツールを使用して取り込みを行っている。これは品質を落とさずに(?)CDを取り込めるソフトウエアとのことで、Winampでも取り込みはできるのであるが、こちらを使用している次第。どうもWinampはシェアウエア料金を払わないと、速度の遅い取り込みしかできないようで、ソフトが取り込みと再生と2本に分かれてしまうことがちょっと気になるところ。実際には別々の操作なのであまり実害はないが。なお、実際のところ、先のASIO4ALLの使用によってかなり音質改善効果もあることから、すべてのCDをFLAC形式で取り込み直しをするかどうかについては、思案中。(結構作業時間もかかるので) 取り込み直しよりもモーツアルト全集のCD(こちらはほとんどMP3で取り込んでいないので)を新たにFLAC形式にて取り込みしようと考えている。また、取り込みに際してはフォルダーおよびファイル名をちゃんと規則性を持たせておく必要があるので、このネーミング体系も考慮中。いずれにしても、PCからの音楽再生において、まずまずのレベルになって来たことは大変ありがたい。

なお、PCの環境面ではメインのPCならびにHTPCともファンレスのグラフィックカードを導入したこと、ならびにメインのPCについては、VISTAの導入を実施した。グラフィックカードについては、3850と4650のチップセットのものを、インターネット注文。PCI環境のセッティングにて、ちょっと問題もあったが、現在はいずれも順調に稼動しており、フライトシミュレータを稼動させる時などにもそのパワーを発揮している。VISTA環境においては、やはりグラフィックチップへの依存度が高いようで、オンボードチップでは通常の使用でもやや重さを感じさせていたが、これで何とか解消した。ただし、VISTAのパフォーマンス設定では余分はアニメーション的機能を抑えて使用している。また、VISTAについては、既存のサウンドカード(ONKYO SE-80PCI)がサポートしていないこともあったので、まずは手始めとしてOS環境を作成し、DUALブート構成を作ってみた。VISTA環境ではいろいろなドライバ類について、VISTA対応版を適用しなければならないのであるが、一通りの利用環境(特にプリンター周り)の整備を行うことができた。 VISTA/OSについては、ULTIMATEバージョンをオークションにて格安にて購入し、新たに640GBのDISKを仕入れてセッティングを行った。当初はDUALブート環境でのブート切り替えがいまひとつうまくいかず(いずれもCドライブで稼動させるために)に大分設定を悩んだが、これもBootProというフリーウエアによって、後付けでも切替環境の設定が出来るようになり、おかげで順調に切り替え使用ができるようになった。

なお、サウンドカードについても、VISTA対応のカード(ONKYO SE-150PCI)をこちらもオークションで中古品を仕入れ、VISTA対応のドライバをダウンロードすることにより、VISTA環境での音楽再生が可能となった。VISTA環境においてもWinampならびにASIO4ALLの利用が可能であり、SE-150PCIとの連携で、音楽再生環境もばっちりとなったのであるが、このカードは24bit/96KHzのデジタル出力をサポートしているので(現在はアナログ出力でE-302に入力しているが)、いずれは24bit/96KHzにアップサンプリングしたデジタル出力にて再生してみたいと考えている。このような対応により、パソコンルームでもまずまずの音楽再生環境となってきた。なお、Winampには様様なスキンの設定が可能なため、Flyakite/OSになじむようなMacOSライクなスキンを探してダウンロードしているが、日本語表示などに若干の不適合があり、ベストとは云えない点もあるが、まあ見栄えの問題なので、あまり突き詰めなくても良いかな、と考えている。

さてさて、このようないろいろな試行により、PC環境ならびにPCからの音楽再生についても何とか合格点に近づいている次第。細々とPC環境については、追加投資(?)を行ってきたが、純粋オーディオ製品の購入と比較すると、とにかく安く済んでいる。その分、自分でネットを調べあれこれと試行錯誤をすることが不可欠であるが。この先のオーディオ環境をいろいろと検討すると、やはり、DG-48とDP-700との組み合わせによるSACD環境が欲しいと考えている。我が家のシステム構成ではイコライザが必須な状況もあり、単純にはSACD再生環境には移行し難く、同時に2台の機器が必要となるが、両方の機器を合わせるとそれなりに高価であり、特に昨今為替レートが大幅に円高に推移している状況では(ドルなどの含み損もそれなりに大きく)、おいそれと新しい機器に変更ができない。また、SACDについてはつい最近DP-600というほぼ同等機種が若干安く(それでもそれりに高価であるが)出てきたので、こちらの選択肢もあろうかと考えている。他には懸念のP-102 も特に問題なく稼動していることから、A-30への移行も念頭においてはいるが、実現が出来ていない。SACDについては、RCAレーベルのLiving Stereoシリーズ(CDとのハイブリッド版)を10数枚仕入れているが、SACD環境を作るのは、上記2機種が同時に必要となることもあり、まだまだ先になりそうである。まあ、それまでは既存の環境をしゃぶりつくすように楽しんで行けば良いと思っている。


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