オーディオ日記 第21章 たどりついたのか? いや、まだまだ(その5) 2006年11月18日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK

JBLのホームページにて2380Aホーンの製品仕様を何気なく見ていたら、このホーンに関する周波数補正の情報が記載されていた。もちろん2450との組み合わせによるものであるが、8KHzを中心とした広いバンド幅(詳細のオクターブ幅は忘れてしまったが)の補正が必要とのこと。もともとCDホーンについてはサービスエリアに対して均一の音圧分布を得るための設計がなされており、高域補正が必要と了解していたが特別な対応を行ってはいなかった。DEQ2496のPE(パラメトリックイコライザー)を使用すればこれが実現できるのでは?と、ふと思いついて試しにやってみた。PEでは8KHzを中心としてオクターブ幅を広くとり、レベルを3dBアップさせ、80Hz辺りの増強も多少行い、通常のEQ側では3.5KHzのピーク補正と超低域の30~40Hzの補強に限定し残りはフラットに、この二つの補正(PEとEQ)を同時に実施するようなセッティングとした。また、中高域に関しては、PEによる補正とのバランスを取る意味で、1)SUP-T11については、まずは-14dBまでレベルを下げる。2)PT-R9については、2Ω程度の抵抗を入れてわずかにレベルを落とし、クロスオーバーも20KHzと高く設定した。

と、まあこんな感じでの設定からスタートしてみた。実はこれがなかなか聞きやすく、高域のスムーズさも加わって案外心地良い。8KHzを中心とした補正を行っているせいか、高域が不足するイメージはほとんどなく、スムーズに漂う。PT-R9にも抵抗を入れたせいかほとんどシャカシャカ感も出ない。また、低域を増強している部分がそれなりに心地良い。ボーカル帯域での圧迫感が従来多少あった部分もずっと抑えられている。これはSUP-T11全体のレベルを下げたせいかもしれない。しばらくこの設定で聴いていたが、現在はさらに-16dBまでSUP-T11のレベルを落としている。この状態だとオールラウンドにスムーズさが感じられ、低域の量感が多少多いかな?という気もするが、高域には不足感が少なく、音楽によくマッチする。夏川りみあたりのボーカルで(彼女の声の質、声量のせいか)、多少「出過ぎ」の感があった部分もかなり抑制されている。まあ、SUP-T11をここまで落としているので逆にボーカルが引っ込むかと危惧したが、その気配もない。まだまだ聴き込まねばならないとは思うが、従来にないセッティングになりつつあり、またそれが結構好ましく、ある意味で落ち着きや聴き易さにつながっているかと思う。クラシック系やボーカル系ともに気楽に聴き流せるイメージであるが、ある程度音量を上げるとそれなりの実在感も加わってなかなか楽しい。何よりも高域の不足感がなく、かつスムーズという点がありがたい。この辺りはピークのつぶしとホーン自体の特性の補正が効果を上げているように思われる。やはり、いろいろなトライはやって見なければ遺憾、ということを改めて認識した次第である。

なお、季節のめぐるのは早く、はや11月も終わりに近い。仕事は目が回る忙しさで、ぼやぼやしているうちに月日がどんどん過ぎ去っていく。最近は疲れやすく、老眼となり、遊びまわる気力も減りつつあり、これでは遺憾、遺憾と思う次第。オーディオに関しても、新たな機器の導入もこのところ行っていないので、やはりいろいろなトライとチャレンジを継続し、少しでも「高み」を目指さなくては。


next back