オーディオ日記 第19章 モーツアルト(その6) 2003年12月16日


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今年好調であったレーザーは12月7日の最終戦をもって、所属フリートの年間総合にて首位になることができた。ひとつひとつのレースの結果にはまだまだ満足できないし、自分なりに「走り」を総括しても納得できるレベルには達していない。特に上りの走りには大いに不満がある。しかしながら、全レースへの出場と、しぶとく、我慢強く食い下がることによりある程度ムラのない着順をキープできたことによる成果だと思う。この調子でレースを楽しみつつ、結果についても納得できるように頑張りたいものだ。

さて、そんな訳で、あっという間に季節は冬を迎えている。せっかくの秋の夜長も仕事が忙しく遅く帰る日が多かったため、ある程度煮詰まってきたセッティングを楽しむ時間的な余裕がないまま過ぎてしまった。セッティングであるが、ZAOLLAケーブルとDEQ2496のパフォーマンスを生かすためにいろいろといじっているが、今回の一番のポイントはスロープ特性を-18dBとしてSUP-T11を逆相接続としたこと。これはリスニングポイントでの定位間を主眼に追い込んだ結果、従来ほとんど使うことの無かった設定にたどり着いた。今のところ、結構音の広がり(DEQ2496のWidthで若干広げているが)と定位が気に入っており、落ち着いてしまっている。SUP-T11のレベルは-13dBである。これも従来にない高いレベル。ただし、DEQ2496の補正のセッティングが決まって来たのか、出すぎの感じは一切しない。DEQ2496ではローエンドを補正しつつなだらかに3KHzから5KHzを若干落としているため(これによる効果は意外と大きい)、浮揚感を残したままピラミッドバランスが実現できているように感じられる。

リボンはトランスアッテネッターを通さず、ダブルスタックのフルであるが、全体の中でうまくバランスしており、突出した感じはしない。このセッティングで聴く音楽のなんと豊穣なことか。音場は自然なまとまりと広がりで妙な定位感もなく、ボーカルが楽しめる。中島みゆきの月WING、日WINGからの好みの曲(PAINやいつか夢の中へなど)は従来にない自然さと伸びやかさで迫り、バックの弦は漂うに調べを奏でる。多少音量を大きくすると、何とも表現が難しいが、そこには音楽しかないように感じられる。ピアノは打鍵も力強く、そして余韻は震えるように心に染み渡る。MOZARTは、ああ、MOZARTは謳っている。ただ、ただ音楽が心の中で歌になる。ヴァイオリンソナタのアンダンテカンタービレを聴くと、弦の動きがそのまま心の中で歌に変わる。これが最上の音楽であり、これが人生だ、という気がしてくる。これ以上、一体何か必要なのか?という気もしてくる。


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