オーディオ日記 第19章 モーツアルト(その5) 2003年 9月15日


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BEHRINGER製のデジタルイコライザ導入に関連し、いろいろとチャレンジが続いている。まずはアナライザ用のマイクの購入である。さらに、接続ケーブルをZAOLLAの純銀製に一新した。アナライザによる測定は以前のDG-28とは全く使用感、機能が異なっている。DG-28は周波数単位の測定であるが、DEG2498はピンクノイズによる全帯域の一発測定である。それも、マイク入力のみならず、入力信号、出力信号のどれでも測定できてしまう。さらにピークホールドの機能もあり、プロ用の機器のためか機能的なものは完璧である。さて、DG-28の時よりマイクによる測定についてはあんまり信用していないので傾向値を把握する程度にとどめ、深入りしないようにしている。その代わりと云っては何だが、ソースの特性を把握する機能をフル活用している。音源による周波数分布の違いが明確に把握でき、変なイコライズをかけずにすむ、というメリットがある。このアナライザで判ったことだが、一般的に録音が良く感じられるソースにはかなり広い帯域(特に上の方)にわたり周波数分布が見られることである。高域成分がふんだんに入っていると云えばよいのだろうか。逆に高域成分と低域(主として100Hz以下)が薄い録音は貧弱に感じられる。このあたり、BEHRINGERのエンハンサーとの使用にも絡むのであるが、やはりソースの欠点を積極的に補うことが「音楽を楽しむ」ことにつながるのではないか、と考えている次第。

さて、次にZAOLLAのケーブルであるが、これには正直云って参ってしまった。音の聞こえ方がはっきりと改善されているのである。それも高域のみならず、低域も。このため、全体のバランスを再度取り直す羽目になってしまった。それも低域を650Hzの12dBクロスへ、そしてSUP-T11は-14dBのレベル設定に、である。ドライバーの-14dBというのはしばらく使っていなかった高いレベルではないだろうか。それくらい高域が素直にすんなりと伸びてくれるのでエアー感、エコー感を楽しむことができるようになった。これに伴いリボンはアッテネッターをわざわざ介して-3dBとし、様子を見ているところ。この意味ではウーファのクロスオーバー周波数を上げ、スロープをなだらかにしたことにより低域の安定感が増し、それでいて高域もそれなり強く、かつ透明感を際出せることができているので、リボンの主張は控えめで良いのかもしれない。このセッティングではソプラノが声を張り上げるポイントでも耳に優しく聴こえる。総じてうるささが少なく、音量如何にかかわらず存在感がある。特に音楽がピークを打つときでも身構えずにすみ、音楽に身を任せられる。この違いは一体何なのであろうか。コネクトケーブルを変えたことによりコネクター部分(すべて金メッキの新品なので)のリフレッシュが大きいのかもしれないし、銀線の良さが発揮されているのかもしれない。実のところ線の素材による音の違いはあるのかどうかも判らないが、いずれにせよアキュフェーズのケーブルを一新した効果は確かに感じられた。また、ケーブル自体の質感も良く、比較的安価なケーブルとしては最高だと思う。(購入したのはサウンドハウス経由、同店に別のDEQ2496用のデジタルXLRケーブルを買いに行った時に入手したカタログに記載されていたことが始まり) 結局デジタルXLRケーブルも2本ともZAOLLA製に変えてしまった。これにより低音の量感が薄まるような感覚も多少薄れた。もっともこれは補正後のデジタル出力全体のレベルを下げないようにしたことの影響の方が大きいかもしれないが。本機はピークリミットの機能があり、補正後の出力がピークを越えると自動的にアジャストしてくれる機能があるため、出力信号全体を下げることはやめてしまった。これにより補正した帯域のみ信号処理が行われることになり、余分なことはさせないという精神衛生上の問題もクリアーされたように思う。なお、全体の補正レベルであるが、70Hz以下から40Hzあたりを3~4dB持ち上げている程度。また高域の方は8~10KHzあたりをわずかに持ち上げ、2.5KHzあたり(だったか?)をわずかに落としている程度で本当に補正量は少ない。なお、ステレオイメージを広げるWidthについては気持ちの問題程度広げている。

どれがどれだけどのような効果を与えてくれているのはか判然としないが、今のところ大変気持ちよく音楽が聞けている。聴き直すCDに再発見があって楽しい状況である。帯域のどこかに何か不満を感じつつということはほとんどなくなってしまった。当然ながらソースの良し悪しによる差は大きいが、それでも比較的古い録音でも違和感なく楽しめる状況になってきたと云える。また、音量についてもそれなりで十分という感覚もあり、必ずしも大音量にしなくても音に浸れる感覚がある。このあたりは高域の改善もあるのであろうか。また、DVDなどの映像系についてもエンハンサーを経由して聴くことにより、非常に楽しめている。さて、この他に念願のCDラックをインターネット経由で購入した。まあまあの品物で良かったが、いざCDを並べてみると、ほとんど棚がいっぱいになってしまい、あまり追加できる余裕がない。それでもMozart全集をきちんと収納できたので良しとしよう。それから忘れていたが、アナログからDEQ2496に直接入力できるPIN-XLRの変換ケーブルを追加購入したが、1.5Mでは短すぎてテレビからは届かないことが判明した。しまった!C-290VのTAPE2経由でアナログを通す仕組みにしたが、テレビやビデオの場合はTAPE1のエンハンサーとサラウンドを使った方が効果的と考えている。何はともあれ、秋の夜長に向けて、音楽を聴く環境は整った。いざ!


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