オーディオ日記 第19章 モーツアルト(その4) 2003年 8月10日


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前述の通販のCDラックであるが、こちらは散々待たされた挙句、品切れということで結局手に入らなかった。せっかくのMozart全集を収めるスペースがなくて、現在もリビングのテーブルの上に放置したままである。代替品を探して購入しなくては何とも大量の全集の収まりがつかない。さてオーディオ機器の方であるが、BEHRINGER製のデジタルイコライザは価格が安いのでそれなりに興味を持っていたが、サウンドハウスのホームページにて新製品を発見した。イコライザ、リアルタイムアナライザ以外にも多様な機能を持っており、デジタルマスタリングにも使用できる機器であると云う。値段は実売価格にて4万円前後と。何とも安いし、魅力的な製品である。早速ホームページよりマニュアルをダウンロードし、確認。結構複雑で使いこなすのは難しそうな機器であるが、それ故に面白そうである。あれこれ考えていた時に、秋葉原のプロ用機器の店を覗くと、何と3万8千円台でその機器がおいてあるではないか。実物は1Uのサイズでコンパクトだし、まあこの値段であれば、とこのイコライザ(DEQ2496)を購入した。最初はXLRデジタルケーブルが一本しかないので、オプティカルケーブルで接続して(結局後で、XLRケーブル、アナライザ用マイクロフォン、マイクロフォンケーブルも購入)イコライザ機能を確認してみた。AccuphaseのDG-28にて大体の補正レベルは分かっているので100Hz以下の低音域を中心に補正してみた。DG-28では補正後の定位に何となく違和感があり、結局そのため売却してしまったのであるが、DEQ2496にはその違和感はない。結構素直である。なおイコライザの補正はTrue Responseという設定通りのレスポンスが得られる仕組みがあるので、そちらで補正している。また、16、20、24bitのいずれかの設定にてティザ回路が選択できるので、DC-91で受け入れ可能な上限の24bitを選択している。

音全体については非常にすっきりしており、細部の透明感、立体感が増したように感じられ、音量を上げたときでもそのすっきりした状態を保ってくれるようである。反面、DEQ2496を通さない状態の音と比較すると低域の量感が薄くなるようなイメージがある。この辺りは感覚的なものであるが、低域のユニットをElectro VoiceのEVX-150AからSONYのSUP-L11に換装した時の印象に近いとも云える。全体として音の改善度は評価できるのであるが、低域のゴリッとした感じや、力強さに多少の不満が残るというような。なお、このTrue Responseというのは補正の相乗効果による帯域の暴れを抑える仕組みの為、DG-28と同じような設定をしても低域の補正量は小さくなるようである。その他の機能もいろいろと試しているが全体としてはやはり難しいという印象が強い。まずはWidth(音の広がり)をコントロールする機能であるが、これも音の左右の広がりを持たせると全体の印象は良くなるのであるが、広げすぎると「変な」感覚も生まれて来る。この辺り、味付けが結構微妙であるがやはり少しは音の広がりを持たせた方が良い感じはする。また、音のダイナミックレンジをいじれる設定もあるのだが、これも音だけで効果を判断するのは結構難しい。当初は低域のレベルを上げている為に、ピークレベルがオーバーしてしまうのを抑える仕組み(何の事はない、全体のGAINレベルを下げれば良いのであるが)が分からなかったため、コンプレッサー的な機能として使用してみた。これはこれでダイナミックレンジが狭められるので、再生側の音量に対する対応がとりやすくなる(最大音量が抑えられるので、平均的な音量を上げながらも、うるささを抑えられる)が、あまり音をいじりすぎるのも良くないと思い、まずはこれをはずした設定で調整を行なっている段階。

リアルタイムアナライザの方はまだ使い勝手に慣れていない。DG-28とは周波数測定の考え方が異なっているようで全帯域のピンクノイズによりアナライスと自動補正が行なわれる。したがって、個々の周波数帯域毎に測定していく仕組みではない。アナライズは音楽信号およびマイクからのいずれでも行なえることが興味深い。このアナライザーの測定結果では結構低域も出ているように表示される。なお、高域はマイクセッティングの高さの問題もあると思われるが、思っている以上に高域のレスポンスは低い。せっかくダブルスタックしているのであるが、20KHzにクロスオーバー周波数を設定していることや、設定位置が測定マイクの位置に比して低い、ということも関係あるかもしれない。このため、クロスオーバー周波数は16KHzに変更して調整を続けている。同時に最初の補正設定は100Hz以下を主なターゲットとしたが、自動補正の状況をベースに(高域は測定による自動補正のままでは8KHzから上に大きく補正がかかってしまい、そのままの設定では使用出来ない)補正巾を小さくしながら様子を見ることとした。具体的には2KHz辺りを少し下げ、8K~10K以上を徐々に上げた設定である。補正のレベル,量、その他の機能の取り込みなど多少練れていない部分もあるが、まずは聴き込んで行こうと考えている。なお、アナライザによる補正では80HZより下の帯域と10KHzを越える帯域の補正が不足気味ということであるが、この帯域は大きくいじると音の印象まで変化してしまう可能性があるので、多少小さ目からスタートしているが、やはり多少低域の音の薄い印象はあるようである。

このDEQ2496の機能を使用する場合、MD、DVD等のデジタル機器は接続上の問題はないが(ただし、現在のところ手で繋ぎ換えねばならないが)アナログの場合はインプットの為のケーブルがないので、別途購入を想定している。(XLRのオスとピンのケーブル、左右用に2本。これはサウンドハウスにて購入可能)まあ、敢えてアナログディスクやテレビの音を対応させる必要はない、ということもあるのだが、せっかくなのでやってみたい。この場合、直接DEQ2496にテレビなどの出力を入れる方法も考えられるのであるが、この場合はアナログディスクが対応できなくなるので、ベストな方法はC-290Vのテープモニター2を使用するやり方。テープモニター1は既にBEHRINGERのエンハンサーが接続されているので、同時に両方の機器に音を通す必要はないが。この方式であれば、いずれにも対応できる。ただし、DC-91は通らなくなる。昨日の土曜日は台風の接近もあり、他の遊びができないので家に篭ってこいつでいろいろと遊ぼうと考えていたのであるが、あいにくとリビングのクーラーが故障してしまい、とても締め切った状態の暑さでは調整する気になれなかった。まあ、あせらずにのんびりと調整する事にしよう。(リビングのクーラーはコンプレッサーが壊れてしまったとかで、買いなおしが必要。何とも痛い話である)


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