オーディオ日記 第19章 モーツアルト(その1) 2003年 4月27日


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幾多の挑戦の結果として、現構成が出来上がってきた。振り返れば無駄も当て外れもあり、苦闘しながらも長い時間をこの「愛機」と過ごしてきた訳だ。試行錯誤の果てに行き着いた今のシステムと設定が本当にベストかどうかは、残念ながら未だにはっきりとは分からないし、断言もできない。ただ云えるのは、Mozartの音楽にここまで気持ち良くどっぷり浸らせてくれるのであれば、これが最上の贅沢といえるのではないだろうか、ということ。今年に入って家内の母と当方の父の二人が相次いで亡くなった。時の流れは自分にとって昔より遥かに加速しているように思われる。この先の自分の人生が後どれだけあるのか推量することも難しい。日々の忙しく、決して充実しているとは言い切れない時間の中で、ただMozartの音楽が訳もなく我が身に優しい。その理由は定かではないが、云えるのは自分がそれなりの年齢となったことと、Mozartの音楽を透明に奏でてくれるこのシステムのお陰ではないだろうかとも思われる。Mozartに関しては、家内の父の形見としてCD177枚にもなる全集を譲り受けた。この年齢となった今の私にとっては無上の宝である。これからの時間、今まで触れることのなかった作品についても少しずつ聴いていきたいと思う。

さて、今のシステムの構成と設定であるが、SUP-L11をP-360のブリッジ接続にて駆動することによりエンクロージャの容積不足を多少補ってもらえているのかとも思え、SUP-T11の中高域とバランスがそれなりに取れている状態にあり、どこかをいじろうという気にはあまりならない。このSONYの両ユニットはクラシックでもボーカルでも本当に分け隔てなく音楽を再現してくれることが非常にありがたい。マルチの2WAYに20KHzでアッドオンした形のリボンツィータはダブルスタックであるにも係わらず、もはやレベルを絞らず全開である。この設定で、弦も、ボーカルも、ピアノもただひたすらに音楽として漂ってくれ、全く強調感はない。強いて次のステップを模索するのであれば(と云いつつも結局、結構やりたい事はある訳であるが)、SUP-T11のアンプをA-20Vに交換し、アンプにてゲインを絞って(最大-12dBまでのはず)トランスアッテネッターをはずした構成とすること。このポイントは、残留ノイズを抑えながら、アッテネッターを使用しないということで、何と言ってもやはりドライバーはダイレクトに駆動したい。ただし、ノイズ自体はアンプよりもF-20が出しているので、それほどの効果はないかもしれないが。そして、当面はP-102にてリボンを駆動し、高域のアンプの品位を上げることである。なお、関連するチャンレジとしてはE-302のパワーアンプ部のみをSUP-T11に使用した構成が考えられるので、時間を取ってこちらも是非やってみたいと考えている。ヤマハのアンプを使わない事によるメリットが出るのかどうか、確認しておきたい点でもあるので。その次はやはりP-360の交換であるが、候補に上がるのはもはやM-8000あるいはM-2000クラスであるし、A-50Vではブリッジによる2台構成でないと、チャレンジの意味はないであろうと考えており、相当の経済的余力がないと実現は難しい。もう一方はやはりエンクロージャの手当てである。現ユニット構成をベースに若干トールボーイとした構成イメージはあるのだが、こちらもすぐには手がつけられないであろう。またパソコン部屋のS-955でもE-302によりセカンドシステムとして音楽を楽しめるようになっているが、現在そちら用にリビングのDVDプレーヤを移動してしまっている。このため、リビングではDVDを見ることができない状態になっているので、これに対応するため、もう少しましなDVDプレーヤを購入したいと考えている。なお、その際には当然のことながら、SACDも再生できるハイブリッドプレーヤが狙いとなる。幸いも現状SONYにて適当な価格の機器があるようで、近いうちにこちらは手に入れたいと考えている。また、別の角度からはプラズマによる50インチのディスプレーの導入であろうか。

さて、話はオーディオから少しそれるが、17年間の長きに亘り愛車であったワゴン車に別れを告げ、大いに迷った後に四輪駆動の車を購入した。当初のターゲットに迷っているうちに新モデルの発売が発表されたため、結局こちらを選択した。車自体や装備その他については大満足であり、カースレテレオもCD、MDとも利用可能であるため、早速CD-Rにて聴き慣れたフォーク系のベスト版をパソコンで作成した。ただし、音の方は決して悪くはないのであるが、「まあ、こんなもの」という感じである。ただ、車内が非常に静かであるので、小さ目の音量で聴いていることによる影響も若干あるかもしれないし、ツィータがウーファー(あるいはフルレンジユニット)と離れた位地に取り付けられていることや、ユニット数も多いこと相まって、何となく定位がおかしいような違和感があるのかもしれない。なお、余談になるが、次男がお買い物車の方のカーステレオを買ってきたのでこの取り付けと、さらにカロッツェリアのスピーカー(10cm口径の2WAY)を買い足してのステレオ化作業を昨日次男と一緒に行なった。なにしろお買い物車には(ワゴン車の方もそうであったが)ラジオしか付いていないので、スピーカーも一つしか付いていないため、この際ラジオユニットの交換とスピーカーの交換を行なった訳である。これが、案外楽しめるので驚いている。今のカーステレオ及び車搭載用スピーカーは素材も含めて結構進化しているようで、取り付け自体も結構いい加減であるにも係わらず、スイミングプールへの行き帰りにケニーGを聴いて、楽しくなってしまった。こちらは同軸タイプの小口径ユニット二つなので、シンプルなのが幸いしているのかもしれない。


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