オーディオ日記 第18章 彷徨(その4) 2002年 8月27日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK

C-2800の自宅試聴を行った。結論としてはかなり良い。特にリモコンボリュームは大変便利であるという実感。音については非常に鮮度が高く、細かい音楽のニュアンスが良く出る。ボーカルについては音量の割にはおとなしい感じがして、大変聴きやすく好感度大。ただし、従来の我が家の設定では少し高域が勝った印象となる部分もある。総じて、クラシック、ボーカルなどは良い印象である。ただし、やはりC-290Vと同じ土俵とも云える音であり、全く次元が異なるというレベルではない。切替えて聴くC-290Vも結構良い。そういう意味では新たに相当の投資をして買い換えるという衝動にはすぐに結びつかない。まあ、現時点での当方の財政状態からするとありがたい話ではあるが。チョット問題なのはヘッドフォン端子がデザインに影響をあたえていることとパーシモンのウッドケース。このウッドケースはC-290Vに比較するとまず厚さが不足しており、重厚感はない。さらに問題となりそうなのが、かなり鋭角な角があること。これは木製の外装としては傷がつきやすいという点で大きな問題だと思う。

さて、切り替え試聴をしつつ、チャレンジとしてまずクロスオーバーを500Hzに下げてみた。それ程大きな差ではないが、-24dBのスロープ設定をしているせいか、印象は良い。ただし、C-2800との切替比較において、何となくドライバーの「存在感」がC-290Vの方があるような気がしてしまう。これはCDホーンの固有の問題なのか(ウッドホーンにすれば解消できるのか?)あるいはプリアンプの音色の差なのか、明確には把握が難しいが。そこで、行ってみたのが禁断の一手。トランス型アッテネッターの使用である。これは従来からつけたり、はずしたりの繰り返しであるが、ドライバーの高域のおとなしさ(S/Nも含めて)をアッテネッターを入れることによって引き出してみようという措置。これはこれで今回の設定では成功したように思う。ドライバーの強力なエネルギー感を弱めることが良いことかどうか微妙ではあるが。 

さらに今回衝撃的であったのは、リボンツィータのダブルスタック。リボンツィータは非常に磁力が強いので、重ね合わせるような設置は難しいかと考えていたが、間に板をかませることによって一応問題なく設置はできた。これは今まで懸案であったS-955の外装をニス塗りし直そうという一環でユニットをはずしたので、これでトライしてみたもの。サイズ的にはPT-R9とPT-R7Yは同サイズのため、(奥行きを除いて)ダブルスタックにしたことによる見栄えはまあまあ。ちょっと高さからくる不安定感は無くもないが。肝心なのは音であるが、何ともリアリティーのある見通しの良い音となった。クロスオーバーが比較的高いポイントにあるせいか、単純に高域が勝った印象にはならない。しかし、充分な(?)振動板面積と音圧があるためか、リスニングポイントでのリアルな感じ、透明感が結構出てくる。当然ながらドライバーに比較すればリボンの振動版面積、エネルギー感の不足というのは「知識」としてあった訳であるが、我が家にて実験できる環境となり、いざやってみるとリボンツィータタブルスタックというその効果に驚いている次第。今後さらに充分な聴き込みと調整が必要と思うが、今のところ非常に気に入ってしまっている。これはクラシック、ボーカル、ジャズ等のいずれでも効果が認められる。クロスオーバーを下げたこと、スロープ特性を変えたことによって醸し出された低域の充実感と透明感がさらに一歩進んだような気がする。こうなるとS-955にPT-R7Yを戻すためには、もう一組PT-R9が欲しくなってしまう。 

さて、そのS-955であるが、結局一度ユニットをはずし、ペーパーがけをして、チーク色のニスをぬった。背面の黒い部分も完璧ではないが黒を塗り足した。またウーファーのゴムエッジ部分についてもゴムの色が褪せてきているので、黒く塗ってエッジ補修部分との境目をなくした。今後の追加作業としては、ユニット取り付けのボルトを黒の鉄製からステンボルトに変更したい。これにより見栄えは向上するとの期待からであるが。この辺りの工作により、全体としてまあまあの状態となることを期待している。もともとゴミ置き場から拾ってきたスピーカとは思えない変貌振りとなればしめたものである。もう一つ、アッテネッターについてはあと一組あるトランス型アッテネッターを使用するように変更してみたい。これは現在の抵抗型音量調節器への結線を変えてはずしてしまえば、マルチアンプ駆動用の端子を使用してトランス型アッテネッターを外部にて接続できる。現状の抵抗型アッテネッターは若干ガリがある状態でもあるので、この変更が望ましいように思う。ただし、このためには一度はんだを溶かすなりしなければならないこともあり、どうしようかな?と迷っている次第。おそらく、PT-R7Yについてはアッテネーションは不要と思われるので、単純にはずしてしまっても問題ない。(直つなぎに変更ということ)ミッドレンジについては、上記の接続方法でアッテネッターをいれる。まあ、ここまで現在やる必要があるか、ないかと云えば微妙な面あるが、遊び、趣味の範疇なので、やってみても良いかな?と。


next back