オーディオ日記 第17章 飛躍(その 8) 2002年 6月25日


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HMVにてMozartの交響曲とPiano協奏曲の全集を購入した。10枚組、11枚組でいずれも4,000円台と一枚辺りの単価は激安である。録音は最上とは云えないかも知れないが、まずまず問題なく、気持ち良く聴ける。特にいずれも初期の作品は今まで触れる機会が無かったので新鮮である。当然ながらシンプルな楽曲なので、通好みとはいえないかもしれないが、この単純さ、易しさ、それでいて音楽の深みを味合わせてくれるところが何ともうれしい。さて、同様の廉価版(と云うよりはもはや激安版であるが)は他にもあり、ピアノソナタや弦楽曲、ディベルティメント、協奏曲などカテゴリごとのセットが販売されている。いずれも6~7枚組で3,000円を下回るという何ともありがたい価格である。こちらまだ注文していないが、いずれ発注したいと考えている。いろいろな音楽を楽しみたいと思うのではあるが、やはりMozartの音楽は極上であり、現在の自分の感性には非常にぴったりと来る。装置の改善により弦が良くなればなるほど、クラシックを中心とした音楽が聴きたくなってくるのは何とも不思議である。このように考えると、下手に高価な機器を追加、交換するよりも現在の装置で出来る限りたくさんの音楽を聴くことの方が良いのではないかと思えてくる。ただ、それによって「システムが進化」しなくなってしまっては困るのであるが。

今から思えば、97年の2450Jの導入に端を発して、この5年あまり積極的なシステム改善を実施してきたが、それは苦しみの連続でもあり、楽しみでもあり、何とか満足できる状況まで来たと云える。その間の試行錯誤や無駄とも思える投資や努力など、それらがあってやっとたどり着いた。自分の音に自信を持つことは難しいが、少なくとも自分の感性が「良い」といえなければ駄目、ということも明確になった。世間的な評価やステータス、見栄えなどのいろいろな雑念は引き続きあるだろうが、最終的には音楽が美しく、楽しめなければオーディオの意義はない。これが達観?できただけでも何らかの進歩はあった、と考えてよいであろう。まだまだやるべきことは多いはずだ。ただし、それが小手先やまやかしであってはならない。本質に迫り、本当の音の改善に繋がらなければ最後には自分が満足できない。そして、それは自分の耳と感性でしか判断できない。

今更ながら思うのは、スピーカーユニットの重要性である。そして、Simple is the best ということ。特にアンプとスピーカーユニットの間は微妙な連携があり、絶妙な使いこなしのバランスの上に美音がある。その意味では、ある程度わかってきた部分とそうでない部分がやはりある。今後さらに上を求めるのであれば、「修行」し、「求道」しなければならないであろう。ただし、結果に偶然を求めることはなるべく避けたい。楽しみとしての試行錯誤は続くと思うが、課題改善すべき点を明確にし、それに対応する手を的確に打って行きたい。また、より高いシステムの音を少しでも多く、聴くことである。それによってさらに感性を磨くことが可能であるし、チャレンジの要素も出てくる。


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