オーディオ日記 第17章 飛躍(その 3) 2002年 3月 7日


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SUP-T11の導入により、多少の構成変更を行いながら、ポテンシャルを探っている状態である。従来と全く同様の構成にて(接続は正相に変えたが)、高域のリボンと合わせて駆動するとなんとなく、2450Jの時の「良さ」が出てこず、むしろ高域のエーテル感のようなものが失われてしまうような気がする。S/Nについては抜群のものがあるが、よく聴きこむとボーカルに一寸した疑問が出てきた。なんとなく少し音が割れたような感じがするのだ。そこで原因を探るべく、まずはリボンツィータをはずした構成にて確認。この状態でも高域は十分なレスポンスがあり、不足感はない。まずはリボン抜きでベストを探そうと、低域はブリッジ接続を試行。やはり低域の出方にはブリッジ接続のメリットがあるのだが、今ひとつ、音楽に乗り切れない。特に古い録音のボーカルをCDにて聴いた場合においてその傾向が強い。CDの問題か?と多少悩んで、再度DG-28を通して高域の調整をしてみたが、やはり今ひとつ。そこで、再度根本から調整し直すべく、一度バランスケーブルをすべてはずし、まずは端子部分をクリーニング。接続はP-360にて低域と中域の左右独立のパラレルドライブ。中域はアンプにて-14dB、正相接続。この設定は2450Jでは使い切れていない(高い)レベル。高域はP-102からネットワーク経由アッテネッターなしのダイレクト駆動。こちらも正相。DG-28は使わず。音楽により必要であれば、PT-R7は切り離し可能な構成である。スピーカの内振りは若干弱めた。

さて、さて、どうかな?まずは3WAY構成から確認開始。おお~、おおっ!これは正解じゃ。やはりケーブル&端子のクリーニングのせいかな?音が非常にすっきりと大人しく、S/Nが向上した感じが強い。高域についても、今までより多少強めになるはずであるが、聴きづらくなる傾向はない。DG-28による補正の必要性もほとんど感じない。むしろ、望んでいたような高域が出ており、浮遊感が心地よく、チェンバロもリアリティが高い。また、低域も変に肥大した感じにならず、多少すっきり気味かもしれないが、程良い。ボーカルも良いが何にせよ弦が良い。モーツアルトの弦楽四重奏、バイオリンソナタなどは本当に抜群である。今までも都度都度それなりに良かったこともあったが、今回は「究極的に良い」と云って過言ではないと思う。リアリティ高く、とにかく音のS/N、静けさが高い。本当にどのようなソースであっても追随し、出てくる音への違和感がない。リボンをはずす構成はもはや試してみるまでもない。あったほうが良いに決まっている!ただし、基本的には全開で変に絞らない方が高域の「美味しさ」が出てくる。やはり、SUP-T11のユニットにより解像度が上がったため、ケーブルや接点などの問題が出てきたのか? こうなると、高価なケーブルのチャレンジをしてみたくなってしまう心をいつまで押さえきれるだろうか。この設定に落ち着いてから、特にどこかいじるという気にはならない。音は非常に静かでしっとりといるし、過不足がない。さてさて、これをひとつの飛躍といえるだろうか。

20年来付き合ったALTECからJBLへと変遷し、マルチを実現し、さらにSONYのユニットへと夢を追いつづけてきた。結構な散財でもあった。これからも散財は続くであろうが、効果的に、本当意味のあることにつぎ込みたい。そういう意味では、今や処分可能な機器が増えてしまった。これを当面は死蔵しておくか、これを原資に新しいチャレンジへ繋げるか。いずれにせよ、さらにまた新しい可能性が広がるであろうし、現状でもまだまだ対応したい事は多い。後は少しでも本当の音楽(良い音楽を気持ち良く)を聴く為の時間も欲しい。ただ、ここまで来てしまうと結構満足してしまって、次の明確な方向性は逆に見えてこない。イタヤ楓の箱やホーンという構想はもちろん出てくるのであるが。特に箱についてはより豊かな低音を求めるのであれば、やはり180~200リットルくらいの大きさのものは必要であろうし、箱をとなるとホーンも考えたくなるのが人情。基本は如何に安く、如何に最高の音を得るかにあるので、おいそれと高額な箱やホーンに手を出す訳には行かぬ。特にホーンは高すぎる。また、高域のユニットについてもこれでリボンが良いとなると、PT-R9の購入になるのか、あるいは究極のSUP-T21に行くのか、これも悩みであろう。とりあえずはPT-R7Yで良いとしても、これはいずれは本来のS-955で使いたいので。


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