オーディオ日記 第16章 新たなる模索(その7) 2001年10月22日


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モーツアルトのピアノ協奏曲におけるピアノの輝きとたなびく弦のマッチングが何とも心地よく、音楽自体の良さと相俟って至福の時が続いている。聴きなれたバッハのブランデンブルグ協奏曲なども音に新しい発見をしながら音楽に浸れる。ビートルズのボーカルも非常に自然で全く古さを感じさせず、何ら不満が出ない。ビルエバンスのTake FiveやマドンナのPower of Good-byeなど録音の飛び切りのものはもはや表現不能な位圧巻である。ただただ、音にまみれて聞惚れてしまう。ここまで再生できれば、過不足はない? 

それでも千葉のオーディオユニオンにA-20Vの中古を見つけて心が騒いでいる。元々探していた機器であるし(何よりゲインを絞れるのが2450J用のアンプとして魅力)、これを加えれば、低域はP-360のBTL駆動が可能となる。じゃ、低域に何か不満があるのか?と自問すれば決してそんなことはなく、現状は満足できている。2450Jもアンプのゲインで絞らずともチャネルデバイダのアッテネッターでS/Nの実用上は問題ない。それでも、さらに良くなるのではないかという期待が頭を持ち上げる。より高いS/Nによる静けさの中から立ち上がる音楽、そしてここぞという時にぐわっと盛り上がるマッシブな低域、そして軽やかなベースの爪弾き。これらのレベルがさらに高みに向かえるのではないかという願望にも似た期待。 P-102は年月からくる更新がいずれは必要となるだろうという考えも一方ではあり、また低域にはいつの日か、P-1000を使いたい。その時の中、高域はいずれもA-20Vでドライブしたい、というのが夢である。ということで、今また新たな悩みに直面している訳。しかし、価格を考えるとやはり躊躇してしまうが。 

さて、随分と納得できる我がシステムとなってきたが、昨日HMVに注文していたCDがやっと到着した。う~ん、音楽はやっぱり音楽自体が良くないと。期待していたビョークは残念ながら今回のCDもペケ。音も良くない。ゲイリーピーコックについては確かにベースはリアルで良いが、音楽が決して心地よいとは云えない種類のもの。ギターの音色が今ひとつで少し、がっかり。深町純のピアノはすごく良い。ハートの琴線にびしびし来るようなピアノの音色、録音、そして曲。四季のうち、夏と秋を購入したので、いずれ春と冬も買おう。さて中島みゆきの新しいCDであるが、やはり録音に不満が残る。声の捉え方も今回の録音はあまり魅力を引き出せてはいないのではないか?などとまだ全ての曲を聴き終わっていないのであるがもろにハートに痺れがくるような出来とは云い難い。最近はなかなか良いCDにめぐり会えないというか、本当に納得できるものが少ない。まあ、そういう意味では何百枚とあってもベストと云えるのは少ないのであるが。

本当はシステムへの投資を少し控ええてソースの拡充に励めば良いとも思うのであるが。特にクラシックやJAZZの領域についてはまだほんの一部をかじっただけで、決して真髄に触れているとは云えない。まだまだ世の中には名盤と云われるものがあるし、それをどんどん聴かなけりゃ駄目だ。システムがここまで来て、多少なりとも満足できているのであれば、さらに浮気をするよりもソースに力を入れるというのが本来の目的のはずなのだから。 そうは云っても抑えられないのが浮気の虫であろうか。自分の理想とする方向に着々と向かうのであれば、やはり投資もやむを得ないとも考えられる。それが、間違った方向でないのであれば。ただし、A-20Vの購入を悩む一番大きなポイントは置き場所である。ある程度発熱をするA級アンプを設置するためにはそれなりの場所が必要。現状は、レコードを置く場所を使わなければもはや設置することは出来ない。 まあ、レコードの置き場所については別途工夫をすれば良い訳であるが。


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