オーディオ日記 第16章 新たなる模索(その2) 2001年 8月14日


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先のトライでは中高域のレベルを上げてみたが、それだけでは好バランスとは云えなかったので、結局元のレベル設定になっている。 なおスロープの設定が現状に落ち着いた段階からDG-28により補正のやり直しをしていないので、又もや試行錯誤してみた。特に高域方向において今までは1.2m前後のポジションでのフラットあるいは10KHz以上のなだらかなダラ下がりという設定でやってきたが、元々DG-28の機能として持っている2KHz以上の高域を落とす(-1dB/OCTから-3dB/OCTの選択ができる)設定をトライしてみた。これはリスニングポイントにおける「美音」として2KHz以上が-3dB/OCTで落ちていること、125Hz以下は+/-3dB以内に収まっていることを条件とする記事によるもの。-3dB/OCTは落としすぎだよな~、と思いつつもまずはこれにて設定。設定はリファレンスカーブを自分で設定したもの。マイク位置はリスニングポイント。高域は2kHzより-2.5dB/OCTのカーブとし、4KHzで-5.0dB、8Khzで-7.5dB、それ以上は-8dBを上限とした設定。確かに高域は落ちているのだが、意外にプレゼンスは失われず、むしろ大変バランスが良いように聞こえる。いや、敢えて云えば、むしろ低域が足りないくらい。(最初の設定では125Hz以下を+2dBしている)しばらく聴いていたが、低域をもう少し充実させたい、ということで高域は先ほどのままで、1Khz以下を+1dB、さらに125Hz以下を+3dBの設定とした。クラシック系やボーカル物は高域の減衰した感じはなく、非常に良いバランスである。ただし、125Hz以下を一律+3dBとしているので、ここはやはり改善の余地がある。どの周波数か特定できないが、少し、低域がボンついた感じになる。60~125Hzあたりは+2dB位で良いかもしれない。その下(20~50Hz辺り)はやはり+3dBが正解のよう。今のところはこれで試行錯誤状態であるが、不思議に「音楽」になっており、それぞれのソースが心地よい。気持ち高域をもう少し強めたいという点と、上記ボン付きが直せればベストなのだか。次のトライとしては低域を少し締めて、高域は-2dB/OCTの減衰カーブとさせてみたらどうだろうか。この場合、4KHzで-2dB、8KHzで-4dB、16KHzで-6dBという設定になる。この辺りが案外良いかもしれないとの期待もある。

しかし、不思議なのは、このように2KHz(自分の気持ちとしては随分低いところから)から落とし始めているので、もっと高域が減衰し、音楽のプレゼンスが無くなって全くだめじゃないかと、考えていたのだが、結果は裏切られた。オーケストラの中のチエンバロも決して埋もれていない。もちろん多少弱くなるのだが。ただし、それが微妙な浮揚感を生み出し、音場を形成している。押し付けがましさやシャリ付きはなく、逆にレベルを上げすぎてしまっていることに起因して、ふわっとしたプレゼンスや浮揚感が失われてしまっているのかもしれない。いやいや、これは大きな発見である。強めることが必ずしも浮揚感や透明感を出すことにならないなんて。いずれにせよ、今回の設定はまだまだチャレンジ中であり、完成の域とは云えないが、むしろ新しい方向性を示しているように感じている。従来はフラットに近づけることに留意していたが、これだけでは駄目ということだ。さてさて、オーディオは置くが深いものよ。この方向でしばらくは遊べそうで、少しわくわくしている。


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